カルデアにひとつの小さな恋が芽生え、それは小さな花となり、そして大輪となっていた。
キラキラのキャスターこと小野小町、そしてカルデアのスタッフの一人であるミョウジナマエ、彼女達は互いに友人として知る内にその想いを募らせた。

「お慕いしておりますナマエさま」
「でも私たち女の子だよ?」
「そのような事、ただの些事でございます。あたしはあなたの魂を、心を愛しているのです」

真っ直ぐとした小町の言葉を受けるナマエは驚きつつも、目の前の赤く染った少女ともいえる友人を見つめた。小町らしい文とともに手渡されたその思いを受けた彼女はサーヴァントと人という関係以上であると互いを理解しており。
その中で小町に真っ直ぐと伝えられたその言葉が嬉しくないわけがなかった。いつものように彼女の部屋の中で朱色に頬を染めた二人。不安がった小町のその手を取るナマエは「私ね」と切り出した。

「好きな人とそういう関係になるのなんてはじめてなの。だから小町ちゃんになんて思われちゃうか分からないけど、だけど小町ちゃんと過ごしたい。友達以上の……その、こっ、恋人として」

カルデアのスタッフの中でも秀でて若いナマエは小町とは年の変わらぬほどであった。緊張を隠せぬように強ばった彼女の手や指先、そして互いの交わった視線に少しだけ頬を緩めては額を押し付けあってはクスクスと笑った。

「では、あたしたち"かっぷる"ですね、うふふ」
「うん、私たち"恋仲"なんだね、えへへ」

互いを想い合うようにそういって指を絡めた彼女たちは静かにその幸福を噛み締めるように日々を過ごすこととなった。

それから早数ヶ月。
小野小町とミョウジナマエというカルデアにおいては異色のサーヴァント×人、そしてなにより女性同士というカップルが爆誕したことについては周囲も知っていた。
以前より距離感の近く仲睦まじかった二人だったが、仕事中のナマエが廊下で小町と顔を合わせるだけで以前以上に嬉しそうにはにかみ、小町もまた彼女の笑顔に物理的に無意識に花を咲かせた。
わかりやすい二人にマスターが関係性を聞けば二人は「ええ!?とっとととと友達ですよ」「そそそそうです!決してカップルとかカレカノとかアベックとかダーリンハニーとかの関係じゃなくって!」と騒ぎ立てることに理解せざるを得ず。
二人の関係は周囲には微笑ましい限りの関係となった。

「ふふーん、小町ちゃん来るまでに用意しとかなきゃね」

スタッフとしての一日の業務を終え。
約二時間前には食堂で愛する小町とその父篁と夕食を摂り終えた彼女は部屋に戻って来たものの、小町に「また後ほどお伺いしますね」といわれたことに喜びを噛み締めては自身のクローゼットの中を漁っては部屋着を取り出し、備え付けのバスルームで身を綺麗にしては上機嫌に用意をした。

ナマエにとって小町はまさに可憐な女性であり。
なんといっても愛らしい人だった。日本人であるナマエでも詳しく知らずともその名前や百人一首に載る詩を知らないことはないが、まさに彼女はそのままの人物だと感じ、常日頃から小町への愛を膨らませていた。
少女漫画とは違う、生身の本物の恋はあまりにも彼女に日々の活力を与えてくれるものであり。まさに彼女は小町のためなら、火をくぐり、海を越え、荒れた大地にも、灼熱の太陽にも負けぬと言えるほどだった。
小町の為ならばと思う彼女の気持ち、それは小町も同等……否。

それ以上に深く重く、そしてある種の醜さすらも持ちえていたのかもしれなかった。

「え……と、小町ちゃん?とパパさん?」

既にカルデアは消灯時間となり。
廊下の電気は極力少なくされていた。
カルデアに在籍する者たちは寝る者もいれば個々の時間を楽しむ者もいたが、シャワーも終えて今日も小町と日付が変わるまで過ごすぞ。と思いつつ二人で過ごしていた時。
時刻はもう日付も変わる直前となり、そろそろかと思っていた頃、ナマエは小町に口付けをされ、ベッドの上で覆いかぶさられていたものの。

ようやく離れたと思った時。
そうした恋人の時間であると思っていたはずが、何故か今日に限っては見慣れぬ男がいた。
それは小町の父である篁であり。いつものように威厳と貫禄をみせるその武官と自分を見つめる愛おしい恋人が狭いベッドの上にいることについてナマエは小首を傾げた。

小町と恋人になり。
二人が肉体的な接触を重ねたことは数える程だがあった。
女性同士でありつつ、拙くも互いを愛し合う行為というのは不慣れであれど心が満たされるものである。
しかしながら、いざその時になっていたと感じるナマエは普段霊体化しては姿を出さずにいてくれる篁が現れたことを理解出来ずにいた。

篁との関係は良好といっても良いほどにナマエは交際前より小町と篁の三人で過ごし、篁を「パパさん」と呼ぶほどだった。
交際後についても改めて律儀に挨拶をしたナマエをみては目布で隠したその目元が分かってしまうほど、目尻を優しく下げては「我が娘を宜しく頼む」といってくれた程である。

二人で一人のサーヴァントという特殊な関係ではあるが、篁は自分を小町の付属物や武器として己を認識しており。極力はと二人にも口うるさくはしないように見守っていたはずだったが、改めて現れた篁にナマエは戸惑いつつ、思わず姿勢を正してベッドに座ると、小町も座り直しては二人はベッドの上に正座をし。
篁は静かにベッド外で小町の背後からナマエを見つめる視線には僅かな戸惑いも感じるようではあった。

「なにかあったの?」
「いいえ、特にはないのですが……少しご相談事を」

小町からの相談事といわれたナマエはさらに背中を伸ばしては思わず小町の手を取って、その目をキラキラと輝かせた。

「小町ちゃんの相談事、お頼み事、なんだって聞くよ!」

だって恋人なんだもん。と息巻いて告げるナマエに小町はその分厚いレンズのついたメガネの下で微笑んでは「あぁナマエさま」と愛おしむように声を漏らした。
篁もいるとなればきっとなにか大切なことなのだろうとナマエは理解し、そして二人のためならどんな事でも、可能な限りは協力したいと思うのは心から二人を大切にしているからだった。愛する小町はもちろん。そんな愛する小町の父を敬愛しないわけが無い。

『ナマエ殿であれば小町を安心してお預けできよう』

そういわれたあの時、飛び抜けた魔術師の才能がある訳では無い平凡な彼女だが、自分にできることならと思ったのだ。
そんな大切な家族のような相手だからこそ、叶えてあげたい、助けてあげたいと思うナマエは小町の言葉を聞いては瞬時に固まった。
え……?と声を出しては聞き間違えかと思い、目の前の手を両手でギュッと握った小町の顔を見ては聞き返すと、小町はいつもの様に照れたように頬を赤く染めて、麗しいその桃色の小さな唇で、甘露のような声で告げる。

「お父さまに抱かれて欲しいのです」
「……はい?」
「あたしずっと考えていたんです。どうしたらナマエさまに覚えていてもらえるかと」

カルデアにいるサーヴァントは全てが終われば座に帰る。
座に戻ればこの記憶はもう引き継がれることはない。
二人の関係は所詮は一時的なものであり、小町はそれを思い悩んだ。

「この先、あたしやお父さまと別れることは仕方の無いことです。ナマエさまには未来があります。それでもあたしは醜いとは承知の中であなた様の全てが欲しい。誰にも触れて欲しくはなくて」

ナマエは戸惑いつつも小町の言葉をしっかりと聞いていたが小町の指先は彼女の服の上から腹を撫でた。

「いつかあたし以外の人を知る。いつか誰かを身篭る。それを想うと胸が張り裂けてしまいそうで」
「……小町ちゃん」
「だから……だからその……お父さまに抱かれて欲しいんです」
「そ、それはその……」

辻褄というか、全くわからないぞ!?とナマエは困惑した。
無理もない。愛する人が自分との未来について考えてくれることには深い愛を感じるが、それはそれとして自分の父親に抱かれてくれと言われて二つ返事のできる人間は簡単にはいないだろう。
ナマエは真っ赤な顔でいつものように慌てふためく小町に対して、彼女自身は先程とは違い混乱していた。ベッドの上であわあわと二人で成り果ててはナマエは小町の手を取りながらも小町の斜め後ろの壁沿いに立っていた篁をみては声を上げた。

「パッ、パパさん流石に小町ちゃんの言葉になにかご意見は!」
「有無、斯様な小町の言葉については私も些か当惑したのも最も。しかしながらナマエ殿、小町の想いは私には理解出来なくはない」
「いや私も小町ちゃんが大切にしてくれてることは分かりますけど、だけどなんで……その、小町ちゃんのお父さんだよ……?普通恋人のお父さんにって、そんなの」

ナマエは決して小町と付き合うこととなった際にもすんなり受け入れた訳ではなかった。
少女漫画をこよなく愛し、女性と男性の恋愛を様々な形で見てきた彼女も同性愛を反対する訳ではもちろん無いが、自分が女性を愛したことには当初自分でも思い悩んだ程だった。
だが、この話はそんなものではないとしてナマエは小町に声をかけてみるものの、小町は花が咲いたようにいつものように可憐に微笑んだ。

「お父さまだからこそです!あたしとお父さまの霊器は二人で一人、それにあたし思ったんです!ナマエさまのはじめてはお父さまこそが相応しいと」
「な、なんで」
「あたしのお父さまですもの。あたしは男子ではありませんからあなたを満たし、あなたを食い破ることは出来ません。あなたの美しい花を散らすことも、そしてそれを知らない殿方に奪われるなど考えたくもありません……だから、だからお父さまならあたしいいって思ったんです」

小町はぎゅっとさらに強くその細い手でナマエの手を握ると身を寄せた。
すると彼女は思わず後ろに身を躱すが次第に互いにベッドの海へと落ちてしまう。
大きな影が部屋の中に差し込む時、それは篁が二人を、否、ナマエを見下ろしていることが分かった。
小町の指先が彼女のルームウェアの裾から入ると、彼女の腹を撫で、へその下の子宮の上を押した。

「あたしはナマエさまが欲しいんです」

それは恋に焦がれた女の瞳であり。
ナマエはただ小町が望むならと口にするまでもなく。
静かに愛おしい彼女の唇に言葉を飲み込まれたのだった。

「小町ちゃん……ッ♡」
「うふふ、かわいい、まだ口吸いをしただけですよ」

ベッドの上に寝そべったナマエの上に覆い被さる小町はその手で彼女のルームウェアの裾から手を入れては体温の高い彼女の肌に手を這わせた。
いつものように小町に何度も優しく唇を触れ合うような口付けをされながら、時折首筋に小町の唇が触れると彼女の肩が跳ねる。小町からは甘い花のような香りがしており。それはいつも彼女を心地よくさせる。

腹から上へと手が伸びてはワイヤーのない柔らかい記事で出来たナイトブラの上から優しく包み込まれるように胸を掴まれたナマエは気恥しさと心地良さに顔を背けてしまうも、ベッドの外側にはこの行為中には見慣れぬ男がいたことに羞恥心を重ねてしまう。

「小町ちゃん電気消して」
「うふふ、いつもこのままじゃありませんか」
「でもパパさんがいるし」
「でも見えないと困ってしまいますから」

でもでもだってと羞恥心に言葉を重ねるナマエのブラジャーをズラした小町はその先にある小さな頂きを爪先で軽く弾いてみせると、ナマエは小さな吐息を漏らしたことに慌てて自分の口を覆い隠した。

「困るのはあたしだけじゃないですよね?」

こうしてかわいがってあげにくくなりますよ。とまるで言い聞かせるようにして告げる小町は服を捲ると、明るい部屋の中でナマエの腹が晒されていき、下着をズラされた状態のナマエの胸元が小町の前に現れる。

「大丈夫ですよ、恥ずかしいお気持ちは分かりますから出来るだけ見せないように、こうしてあたしがしっかり隠して♡たっぷりとかわいがってあげますから♡」
「こ、まちちゃ……ん♡♡」

普段であれば服を完全に脱がされる彼女をそのままに僅かにずらした場所から現れた尖りを口に含んだ小町は舌先で舐っては転がした。
ナマエは篁のいる方とは反対の壁側に顔を向けては俎板の上の鯉のように左手でシーツを掴み、右手の甲を噛むように声を押し殺した。

「わざ、と音立て、てるでしょ♡」
「うふふ、分かりますか?だってナマエさまがかわいくて」
「はっ、恥ずかしいんだよ」
「そういう気持ちも直ぐに無くなりますよ」

胸を舐る小町がわざと音を立てることに恥ずかしさを覚えるナマエは恨めしそうに小町を見つめて告げても今日の彼女には聞き届かなかった。
小町は両方の乳房をたっぷりとかわいがってやるとナマエはすっかりと膝を立てた足の内腿を僅かに擦り合わせるのを見逃さなかったのは小町だけでなく、若い娘同士の愛を見つめる篁もだった。

「期待してくれてるんですね」

嬉しそうな声を零した小町は胸元から顔を離してはもう終わりだと言わんばかりに下着を戻してやり、彼女のいつも通りに履いていたショートパンツから伸びた足を見つめ、その太ももに手を這わせた。

小町の手には余る健康的な肉付きの太ももを撫でられるだけで小さく震えるナマエをみて、小町は内腿へと手を滑らせて裾から侵入しては、既に熱を持ったその場所にくすりと小さく笑った。

「お父さまに見られて興奮してるんですね、かわいい人」
「ち、違うもん……いつもの通りだよ……」
「ええそうですね、あたしに触れられる度にここに蜜を含ませては今か今かと待ち侘びる姿はいつも通りです」

楽しそうに告げる小町にナマエは少しだけ手を退けては小町を見つめた。
その瞳は熱を宿しては潤んでいた。

「今日の小町ちゃん意地悪」

ぽつりと零した彼女の言葉に小町は少しだけ目を丸くした。
そしてぷいっと顔を背けるナマエが普段とは違う反応を示すことに小町は僅かながらの喜びを感じては、ますます意地悪をしてしまいたい童のような気持ちに駆られてしまいそうになると、それを察したように背後から「小町、あまりナマエ殿を虐めてはならぬ」と告げた。

小町と篁は二人で一人の英霊である。
互いの心の内は分からずとも、互いが何をしているのかは僅かながらでも理解できていた。小町が恋人であるナマエと過ごすとなれば篁は自然とその身を霊体化させて部屋をあとにしていたが、恋人同士の空気というのは突然来てしまうこともあり。篁は空気を読んでは去ることはもちろんだが、突然のことに困らせられたことがないことも無かった。

そして娘の交際前より友好的に接していたナマエのことを知る篁も、ナマエが案外子供くさい女性であることを知っており。小町が恋人として接していたとしてもあまりしてしまうのは機嫌取りをするのも大変であろうという老婆心のようなものから告げたものだった。

「あわわ、そうですねナマエさま。あたしの気持ちが先走った為にあなた様を困らせてしまい申し訳ございません」
「んっ、ぅ……♡い、いよ♡」
「ご安心ください。しっかりと今宵もかわいがってあげますからね♡」

そういって小町は愉しそうに彼女の唇に何度も口付けを落としながらもその身を寄せてはナマエの腹を撫でる手をさらに下へと落としてはショートパンツの下の下着のゴムを撫でた。

「今日はナマエさまのかわいいパンティが見られませんね♡」
「っ〜〜〜!」

小さな声で呟く小町にナマエが真っ赤になることは、常に彼女が小町と過ごす夜の中で用意をしていることを小町が知っていたからだった。
大したものではなくとも恋人には常にかわいい姿でいたいと思う乙女にとって改めて口にされることは羞恥以外はないだろう。
小町の指が下着の中に伸びては彼女の薄い茂みを撫でる。強ばっていながらも彼女は小町に日頃から愛されたゆえに足を薄く開いては招くことが小町にとってどれ程のものなのかは思わずにはいられない。

くちゅ……と茂みの奥の泥濘に小町の指が触れるだけで音を立てたのを聞いたのはその場にいた三人だっただろう。
ナマエは自分の心臓の音や小町の呼吸に飲まれてしまい、誰にも聞こえていない、せめて小町くらいだと思っていたようではあるが壁沿いにいた篁も静寂の部屋の中では聞こえていたがただ彼は静かに求められるまで二人を見守るのみであった。

「うふふ、今日もたくさん気持ちよくなってください♡」
「ぁ……♡ぅ……ん、ぅ♡♡」

美人の白い手は白魚のようだと言うが、小町の手はまさにそうだった。
筆を取り歌人としてのあの指先が夜だけは愛おしい女の身体を愛撫する。
濡れた表面を中指で優しく撫でたかと思えば、そのまま小町の細い指が彼女の蜜口の中に招かれる。
一つの指先だけでも声を漏らしてしまうナマエは必死に両手で抑えては身を捩らせようとすると、小町は薬指をさらに増やして彼女の良い場所を的確に撫でてやった。

「あ♡ぁあ♡小町……ちゃんっ♡♡ぁっ♡」
「沢山良くなってくださいね。いつものような美しい姿を見せて、あたしの指で乱れたお姿を」
「んぅっ♡♡そ、こ♡あ〜〜♡だめっ♡こま、ちちゃん♡♡きも、ちぃの♡♡♡」
「気持ちいいですか?よかったです♡♡ふふっ、この辺りが特に好きですよね♡」
「ダメっ♡♡ダメっ♡♡イクッ♡♡イッちゃうのぉ♡♡♡♡」

やだやだと必死に頭を振ってはシーツに顔を埋めて声を上げるナマエに小町は指を動かしてやれば、いよいよ耐えきれずに小町の指をギュッ♡と締め付けては蜜をさらに増やすナマエに小町は気にせずに指を動かした。

「だ、め♡♡いまっ、イッ……たの♡♡だめ、だめ♡」

衣類の乱れが一切ない小町は彼女が果てようとも気にすることはなく、さらに指で責め立ててやるとナマエはいよいよ声も抑えきれずに快楽に腰を引けそうになるが、小町は彼女が気付かないうちに邪魔になるショートパンツや下着を下ろしてはベッドの下にはしたなく落とした。

くちゅぐちゅと音を立てるナマエは小町からの快楽のみを享受することに夢中になってはシーツを掴み、声を上げてはいつものように行為を味わった。

「ふふふ、まぁこんなに……沢山気持ちよくなられたんですね♡」

そう告げた小町の前にはベッドの上でいつものように力なく横たわる恋人のナマエだった。小町との行為においてナマエは小町の玩具のようにされるのが常だった。女性同士が分からないことや、彼女にとってお姫様のような小町に下手な触れ方をして万が一があればとなると、気軽に触れることは出来ないことと、小町は己の手の中で震える恋人を見ることがたまらなく愛おしかったからだ。

「さぁ……お父さま」

ベッドの上で肩で息をするナマエをみつめてその頬に口付けた小町は一度身を退かせてはナマエの頭上へと回ってやり、壁沿いに立つ篁をみつめては微笑んだ。それは合図であった。

小野小町の愛するこの女を、父である小野篁が抱くということの。

小野篁は決してこの行為を肯定するつもりはなかった。
娘である小町に最愛たる存在を作った時、彼は父として心から祝福をし、マスターに小さく喜びの言葉を残しては伝えないでくれと言ったほど。
ナマエという娘に対しても、初めての出会いから小町と意気投合し、まるで運命の糸が繋がっていたように仲睦まじい姿をみせることを喜び、そして娘の恋人から「パパさん」と呼ばれることを喜ばしく胸の内で噛み締めた。

『ナマエさまを抱いてくださいませんか』

小町の願いは父として極力叶えたいと思うのは当然のことであれど、それが娘の恋人を抱くとなれば篁も二つ返事をすることは当然出来なかった。
けれど、どれほど愛していたかと理解し、その胸の痛みを感じるうちに篁はついには承知してしまった。
否、小町が惹かれたように篁もまたナマエをよく思っていたのかもしれない。しかし彼はそれを深く考えることをやめた。無論、ナマエが心から拒むのならば当然無理強いをすることはなかったものの、心優しい娘の恋人はそれを承知した。

ギシリとベッドのスプリングが音を立てた。
元より巨躯の篁が二人のいるベッドに上がり込むと広くもないその場所は彼に支配されるようにさえ感じられた。
ナマエの頭を膝に乗せて、愛おしむように頭を撫でる小町と、まだ力なく横たわっていたナマエは篁が自分の傍に来たことに思わず身を強ばらせた。

「案ずることはない、ナマエ殿を傷付けるつもりは毛頭もない。その身を委ねれば一刻の夢のように終わらせよう」

男を知らぬという彼女が怖がることは無理もないと理解し、篁は力なく横たわるナマエを見下ろした。既に小町の手で下半身の衣類を脱がされた彼女の色付いた肌は篁の扇情を煽るには十分なものであった。
どれ程この武人のような男が頑固で真面目で朴念仁であろうとも、抗いようの無いものというものは存在していた。

既に小町の手により蕩かされたナマエは篁をみつめる瞳は普段の無邪気な娘な恋人ではなく、ただの"女"であった。
色を宿した女の瞳を目布越しにみつめる篁はその手で彼女の足に触れた。

小町とは違う無骨な男の大きな手は簡単に彼女の太ももを掴みきってしまえる。
日頃から太刀や弓を扱うことに長けた武人である、その男の手にビクリと反応するナマエの足に力が入るものの、篁の手は剥き出しの愛蜜に濡れた茂みへと進み、彼は遠慮もなしに指を、小町が収めていた場所へ沈めた。

「ッ……ぁ♡」

小町の細い指とは違う。
男の太く長い指だった。

ナマエはビクリと身体を動かしてしまうが宥めるように小町に優しく頭を撫でられては「大丈夫ですよ」と告げられても、ナマエはそうじゃないと頭の中で自分が警告していた。
小町じゃない、知らないもの、知っている相手、感じたことの無い新しい感覚。
様々な考えが浮かぶとき、篁の指が曲げられるなり「ひぅっ!」とナマエは高い声を漏らしてしまうと、篁は僅かに動きを止めた。

「面目ないナマエ殿、此度は貴殿を傷つけぬ為にも先程小町より解されたことは分かってはいるが、念の為にさせてもらう。声を出そうと果てようと構わぬ、その身を任せたまえ」
「んっ……ぅ♡♡」

篁の指は着実にナマエを快楽へ誘っていた。
小町とは違うと知る度にさらにと締め付けることを自分でも理解する彼女が声を噛み殺そうとしても漏れるものは小町と篁を煽るには十分なものであった。

溢れた蜜が彼女の内腿や篁の手を汚し、ようやくと篁が指を抜いた頃にはナマエは小町の膝に顔を埋めているほどで、身体の甘い震えが余韻として残っていた。

しかし、此度の本来の目的はそれにならず。
通常の小町との行為においてはナマエが果てては小町が満足すると終えるものだが、今宵は違うものだった。
快楽を味わっていたナマエはふと、禍々しい熱を僅かに感じては目を開いた。
自分の上に覆い被さるのは小町ではなく、普段から慕う信頼たる恋人の父、小野篁である。

「お父さま、少しだけナマエさまを抱き上げてくださいませんか?」
「こうか?」
「はい、ありがとうございます、これで少しは安心できますよね」
「あっ……小町ちゃん、これ……本当にするの?」

小町の声によって篁に背を支えられたかと思えば小町に背を預けるように抱きしめられ、篁とは向かい合う形になったナマエはいつの間にか用意をし終えていた篁の熱が自分の足の間にあることについて顔を赤から青へと変化させた。

無理もない。
小町よりも上背が低い小柄なナマエと、平安時代でも屈指の肉体を持ち190cm近くはある篁との体格差はもちろんのことだが、男を知らないナマエからしてみれば篁のモノは凶悪に見えるのは当然だった。

座っていたナマエに対して既に主張している篁のものは彼女の臍までしっかりとあり。血管が浮いた赤黒い男のモノを彼女が異様なモノに思えてしまうのは男を知らない彼女には自然だった。

「ナマエさま、本当に見られたこともないんですか?」
「あっ、当たり前だよ!!小町ちゃんこそあるの!?」
「うふふ、内緒です」
「無理だよ……こんなの、パパさんのじゃなくて、もっと他のとか、そもそもやっぱり小町ちゃんのお父さんなのにこんなの変だし、それに……」

完全に怯えきって逃げようとするナマエの手首を優しく掴んだ小町は、ナマエに比べても華奢でか弱くみえたとしてもサーヴァントという特殊な存在であることには違いない。
そのため純粋な筋力とは別のものが存在し、ナマエを抑えることも容易いものではあった。

そして篁の手がナマエの腰を掴んでは自分のモノを濡れたその場所に擦り付けては確認するようにしたが、ナマエは必死に二人にやめようと意見するのも束の間に、篁も小町も「覚悟を」と告げた。

「ヒグッ!!……っぅ、う……い、たい、いた、ぃの、入らない、は……要らないの、ぉ」
「は……ぁ……これはまた相当狭い口をしているな」
「お"ッ!ん……ぁ、だ、め、こ……れぇ。こま、ちちゃ」

幾ら解されて蜜を溢れさせていても篁の凶悪なものは重たく彼女のナカを支配していこうとした。
ゆっくりと確実に奥へと進める篁にナマエは無理だと首を振って、破瓜の痛みに大きな涙を零すのを見ると小町はナマエの顎を撫でては上向かせては唇を貪った。
小町の薄く小さな舌が彼女の口内を支配し、互いの舌を絡ませては歯列をなぞり、小町の口付けに蕩けてしまうナマエは篁を受け入れていき、小町の唇が名残惜しく離れていくと、ナマエは小町を蕩けた瞳で見つめるが、小町はそれをみて微笑んだ後「まぁ…」と歓喜の声を上げた。

篁のものを受け入れたナマエは男を初めて知ったと言わんばかりにその結合部からは痛々しい深紅を流していた。
今この時にナマエは男を知った。
今この当世の小野小町と出会い、今の小野小町が望む形で彼女は"男"を知ったのだ。小町はそれが嬉しかった。
もし、このカルデアが終わりを告げて座に帰り、もし、また戻ってきたとしても小野小町は"今"の小野小町ではないのだ。新しく座から現れた新しい存在。

その自分は彼女を愛するかなど分からない。
そして自分がいない間に新しい未来を歩む彼女が他の男に汚されるのならば、小町が今回召喚された形では篁は小町の魔力で存在する身。
それはもう一人の自分でもあると言って過言では無い。

「なんと美しいのでしょうか」

だからこそ、いま父の手で"女"を教えられたナマエへの満たされた感情を言葉にすることなどできるわけが無い。
どれだけ美しい言葉を並べても、この喜びを表すことなどできないもので、小町は彼女の下腹部を撫でた。

「ナマエさまのここにお父さまが」
「は……ぁ……♡」
「ナマエ殿はとても狭く熱いぞ、気をやられてしまいそうで敵わぬ」
「はい、はい、それはもう嬉しい限りでございます。あぁ美しいあたしのナマエさま。お父さまもかわいがってください!!」
「あいわかった」

言葉にならずに震えるナマエは痛みこそマシにはなったものの、感じたことの無い圧迫感と感覚が内側から感じてはどうしようもなかった。
内側から内蔵を圧迫されるような感覚には快楽か、恐怖か、また別のものかも分からない中で混乱していても顔を覗き込む幸せそうな顔の恋人と、ただ自分を貪る恋人の父。
まるでこれは正気ではなく夢現ではないのかと思うほど。

「あ"ッ♡あ"ッ♡♡お"、く……ふ、かぃの♡♡」
「声に色艶が出てきたようだ、少しは慣れたようで安心するものだな」
「はい、ナマエさまには日頃からあのように愛し合っておりましたので。その成果でしょう」

かわいい、かわいい、愛らしい。
そういう小町と反対に、篁は腰を強く打ち付けてはナマエを求めてやった。
ダメだと無理だと頭を振る姿を見ても彼は止めずに、まるで自分の番(つがい)のように激しく愛をぶつける姿は小町と同じものである。

「ッ〜こま、ちちゃん♡♡♡♡」
「ぐっ、小町」
「ナマエ様はこちらもお好きですもんね」

まるでいつもの少女漫画の話をするような軽い言葉で、小町は手をスルスルと伸ばしては二人の繋がった場所の少し上。
ナマエの小さく充血した芽を人差し指で撫でてやると、敏感なその場所にナマエはぎゅう♡っと篁を締め付けてしまい。突然の感覚に篁も険しい表情をするが、小町は気にせずに「お父さま、もっとお願いします」と頼んだ。

「あ"ッ♡あ"ッ♡だ、め♡♡これっぇ、ナカも、そ、とも♡♡きも、っちいいの、クる♡♡♡♡」

必死に声でやめて欲しいと思って告げるはずのナマエだが、二人にはその快楽をもっとくれと強請るように聞こえていた。
三人を乗せるベッドのスプリングはギシギシと音を立て、愛する人とその父に挟まれ愛される彼女の意識は朦朧とする中でも抗えぬ快楽が彼女を支配し、気づけばその足は篁の腰に回され。
小町に乳房を弄ばれながら愛し合うことを誓うように深く口付けをしては深く果てると、篁も「そろそろ私も果てるぞ」と呟いた。

大きな水音と肌のぶつかり合う音、その部屋の中では愛欲に満ちたものだけに支配され、先に果てたナマエが「あ"ッ♡♡だ、め♡♡」と泣き言を告げるのを気にせず、篁はその腰を強く打ち付けたかと思えば、自分の熱をナマエの奥に放った。

強い熱を味わうナマエは優しく小町に頭を抱かれて撫でられては甘い声が労わるように「ありがとうございますナマエさま」というのを聞いては目を細めて意識を手放したのだった。

すっかりと眠り着いた彼女をみては篁はゆっくりと自分の熱を抜くと、溢れた白濁が鮮血と混じり、桜色になってはシーツを汚す。
倦怠感を僅かに感じつつ、眠ったナマエの為にも後処理をと思った篁は小町を見つめると、小町はナマエをみつめては微笑みながら、シーツの上の零れた白濁をナマエの濡れたそこへ押し込むように指で戻していた。

『ナマエさまに種を注いで欲しいのです』
『そこまでして彼女に望むものは何だ』

抱いて欲しいと頼まれた時、篁はその願いに対しては懐疑的であった。
けれども小町は告げたのだ。

『お父さまの今その身はあたしからの魔力で出来ているでしょう?そしてナマエさまもカルデアのスタッフ、つまりは魔術師なのです』
『魔力供給ということか?それも意味は無いはずだが』
『所有です。あたしの魔力をお父さまが経由して、そしてナマエさまに注がれる。それを繰り返せば魔力は血よりもずっと濃くてあの方の中に残り続ける』

それってとても素敵な"愛"ではありませんか?
あたしの魔力を宿した彼女が、その匂いと魔力を持ち生きていく。
平凡なスタッフとして過ごす平和を望む彼女がこのカルデアを去って、自分と別れて新しい方との未来を歩むとして。

『あたしはずぅっと残るんです、確かでなくても……そうあればいいと、死は平等に訪れるものですが』
『愛が朽ちることはない……のだろう』

篁は小町の言葉にそう返事をすれば小町は寂しそうに微笑んだ。
もしもの話を考えてはキリがなくとも、そう望んでしまう娘の幸せを願うのは父として仕方なかった。
篁はベッドを抜けて暖かい濡れタオルを用意しては小町に差し出すと眠っていたナマエを優しく拭いてやった。

「こま……ちちゃん」
「ナマエさま、お加減いかがですか?辛いところや痛いところは?なにかいるものとか、ええっと、ええっと」

少しの眠りから目覚めたナマエに慌てふためくいつもの小町に篁は呆れつつ見つめていれば、ナマエはくすくすと笑って平気だと言いつつも、小町の膝に頭を乗せてはいつもの様に甘えた。

「今はこうしてて、パパさんはもう帰っちゃった?そしたら後でみんなでアイスでも食べよっか」
「え……と、そのぉナマエさま」
「だって小町ちゃんとパパさんが私の事、たくさんかわいがってくれたんだから、わがまま聞いてくれるよね?」
「は、はい!もちろんです、もういくらでもこのお膝お貸します!!」

ベッドの上でそういって笑い合う二人を見た篁は小さく微笑むと静かに霊体化しては廊下に出た。
行く先は食堂のキッチン、アイスを三人分程度ならば拝借しても問題はないだろうと深夜の廊下を静かに歩んだ。愛おしい娘と、その娘の愛する人の笑顔を見るために。

2026.8.22