本当に地球という星は小さい割にエネルギー資源が豊富なものだと関心さえ覚えた、そして何より人間という生き物の知性はトランスフォーマーも目を見張る程である
海水を利用したエネルギー発電所を狙う作戦に参加することとなった恐竜戦隊の面々は到着するなりすぐさま発電所の破壊及びエネルギー略奪を始めた、海洋エネルギーを主としたその発電所は当然海際にあり、その海には一般人達が楽しそうになんの気も知らずに遊び回っている姿が遠目に見えた、ゴウリュウは次々とエネルギーを容器に移し運び回る中足を止めているいつも通りの部下達に仕事をしないかと叱咤した

「何してんだお前らとっとと仕事をしねぇか、トロトロしてるとサイバトロンの野郎共が来ちまうぞ」

それでなくともここ最近の任務は失敗続きでエネルギーの確保もままならない、最低限の報酬とも言えるものを貰っているがスターセイバー率いる面々と相対する前はもう少し上手くできていた程だと感じられた
そんなゴウリュウの苛立ちさえ含んだ声に彼らは慌てて背筋を伸ばし仕事の続きをしたがふと何を眺めていたんだと彼らの視線の先を見れば人間達が水着姿で遊んでいるだけであり何が楽しいんだかと思っていた矢先荷物を運ぶカクリュウが彼を見て楽しそうに何の気なしにいう

「いや、あぁして人間の裸みたいな姿見てると分かったんですけど、あの子って結構スタイル抜群だなって思いません?」
「あの子ォ?」
「やだなリーダー、あの子だよあの子」

カクリュウの言葉に次々と集まる恐竜戦隊の面々は-あの子-つまりデストロン軍団に所属する軍医になった人間を思い起こしていた
そう言われた途端にゴウリュウの頭の中には自分に向かって柔らかい笑みを浮かべる姿であるが、彼等は違うようでこの間の洗浄室での姿の話をするものだからゴウリュウは思わずハッとして彼らを棍棒で叩いて仕事をしろ。という頃ようやく騒ぎを聞き付けたサイバトロンの面々が現れそれどころではなくなるのだった

「それで今日もボロボロになって帰ってきたんですね」
「いててっ、ちったぁ優しくしてくれ」
「していますよ、大きな怪我して帰ってくるから痛いんでしょ」

全くこの女も言い返すようになったものだとゴウリュウは呆れつつ毎度恒例のリペアルームにて治療を受けていた、足に斬撃を受けたおかげて大きく開いた傷が出来ており運ばれてきたゴウリュウは意識自体は問題は無いものの久方振りに大きな傷をこさえた為暫く出撃は難しいかと彼女に問いかければ当然だと返事をされる、万が一出撃命令が出てもこちらから大帝に強く断りを入れるというのだから全くもって気の強い女だと苦笑し見下ろしてはすぐ様視線を逸らす

「ゴウリュウさん?」
「な、なんだよ」
「向こうに何も無いけどどうしたんです」

おもむろに何も無い壁を見つめるゴウリュウにもしや思ったよりも傷が深く治療をしているものの痛みに耐えられないのかと不安を感じた彼女は次々と機材を広げては事細かに修理を続けようとするがそこはもう完全に直されており彼はもう大丈夫だというが当然いつもの強がりだと感じて引かずゴウリュウの機体の上で彼女はまだダメだと言い続ける

「兎に角もう大丈夫だ」
「よくありません!様子がおかしいですし、もしや内部になにか」

ゴウリュウは彼女を見る度にその視線はバイザーであるため分からないが彼女の首元…いや、正確には胸元に向いていた、キメ細かく傷など無い肌は以前洗浄室でみたものだがあれ以来ゴウリュウは時折彼女のその肌を思い出してしまいそうになるのだ
ゆったりとしたシャツの隙間から覗き見える双丘はまるで男を誘わんと言わんばかりのものであり、以前の水着とは違う布に覆われて形作っていた、薄い谷間や鎖骨に時折腹まで見えるためゴウリュウは視線を逸らす以外で彼女を見ないようにすることは出来なかった
大丈夫、だめ、大丈夫、よくない、大丈夫、そんなわけ
と無駄な争いだけが部屋の中に響いていくがとうとう耐えきれずにゴウリュウは彼女の緩いシャツを押さえ付け見えないようにした

「さっきからチラチラ見えてるんだよ、お前はそういうことを気にしないかもしれないが男所帯なんだから気にしろ」

この間の洗浄室のあの件も…と続けようとしたがふと静まり返る彼女に何事かとゴウリュウは逸らしていた視線をゆっくり向ければまるで爆発寸前だと言わんばかりに首や耳まで赤くした彼女がいた
慌てて押し付けた手を離してこれは違う悪気があった訳ではなく…と言い続けるゴウリュウだが彼女はそのまま静かにリペア台から降りていき荷物を片付け部屋を飛び出した
嫌われた、いくら自分がガサツで乱暴で女心が分からないと言われたことがあるとはいえこれはもう確実だと感じショックを受ける頃彼女はデスザラスのブレストアニマルたちに顔を埋めた

「女として見られてたってことなのかな」

そんな彼女のつぶやきになんのことだと言わんばかりの二体のブレストアニマルは寄り添った、戻ってきたデスザラスはそんな彼女に体調が悪いのかと心配するもそれが余計な世話だと知るのはまだ当分先である