エネルギー資源の運びや事細かな任務の際、恐竜戦隊の面々は恐竜たちから分離して作業を行った、そして大抵残された恐竜たちはといえばサンダーアロー内にいる彼女の元に集まっていた
巨大なロボット恐竜ではあるものの何かと甘えたがりな彼ら恐竜達に彼女もつい甘やかすように手入れをしてやった、軍医という役職ではあるものの任務での戦闘がない限りは大抵暇を持て余す彼女からしてみれば誰かしらに構ってもらえることは有難いほどなのだ
恐竜戦隊の面々というよりもトランスフォーマー自身は人間とは異なり毎日洗浄室を利用することは無かった、その為彼女にこうして手入れをしてもらえることは彼らにとっても貴重であるようで自分が一番だと言い合うように押し退けて彼女の前を陣取るように些細な喧嘩を起こす彼らに困った様子の彼女はちゃんと一体ずつメンテナンスをするから安心してねと声をかけ彼らの手入れをしていった
そうしてひと仕事終えて戻ってきた恐竜戦隊の面々は各自自身のパートナーが綺麗になった姿を見てはどこか嬉しそうに部屋に戻っていくため彼女もやり甲斐があった
そんなある日のこと彼女の部屋に入ってきたのはそんな恐竜戦隊の面々ではなくブレストアニマル達であった、基地内にいる際は自由に活動しているらしいレオザックたちのブレストアニマルは彼女を取り囲んでは各自喉を鳴らしたり上を飛んだりと忙しなく行動するため全く何事かと首を傾げた
「もしかしてみんな今会議中だから暇なんでしょう、仕方ないな」
彼女の声に喜んだ彼らは飛んで跳ねてするものでまるで普通の動物達のように愛らしく感じた
一通り遊び尽くしてやれば彼らは満足したのか部屋を出ていったのをみて大きな仕事をこなした気分になり彼女は床に倒れ込んだ、しかして動物というのは金属だろうがなんだろうが愛らしいと感じながら
そんな彼女に味をしめたらしいブレストアニマルの面々はことある事に彼女の部屋に来ては遊び相手になったり、昼寝相手になったりと仲を深めはじめこそレオザックに嫌味は言われたもののブレストアニマル達が彼女に寄ってくるのだから仕方が無いと世話をする日々を送っていた
「おい、この間の検診の件で」
「あらいらっしゃいゴウリュウさん」
「なんだこりゃあ」
ゴウリュウがそういうのも無理はなく彼女はドリルホーンのブレストの腹の上に頭を乗せて横になりつつ本を読んでいるがそんな彼女を取り囲むようにブレストたちが寝そべっていたのだ、そしてゴウリュウをみるなり興味もなさげにすぐ様寝に入るどころか挑発するかのごとくジャルガーのブレストは彼女の足に頭をグリグリと押し付けては頭を撫でられていた
「最近よく遊びに来てくれるから仲良くなったんです」
かわいいでしょうというが彼からしてみれば何一つ可愛さの欠けらも無いブレストアニマル達を退けようとするも彼らは当然動く気配はなく反対にゴウリュウに唸るばかりである、だがしかし検診の件ということで仕事だと感じた彼女は起き上がりゴウリュウに駆け寄るもので名残惜しそうにブレストアニマル達が見つめるのを彼は密かに勝ち誇った表情で見下ろした
「あぁこの数値は特に問題なくって、反対にカクリュウちゃんのこのバランス数値が…聞いてます?」
「えっ?あぁそりゃあ聞いてるに決まってら」
「そんなにブレストアニマルちゃんのこと気になるんでしたら撫でてあげては?」
「は?」
何故そうなるんだとゴウリュウが口に出しそうになるものの彼女は至って真面目な顔をしてレオザックのブレストを呼べば素直に彼女の傍に来たブレストは甘えるように腰に頭を押し付けることに何故か彼は苛立ちを感じた、そして言われるがままに手を伸ばすも当然飼い主同然活気の多い彼はゴウリュウの伸ばした手に噛み付いた
痛いと声をあげる彼にブレストが噛むことなど初めて見たと目を丸くして驚いては軽く叱りつけるとみるみる落ち込むブレストを慌てて彼女は慰めた
「俺様の心配は無いのかよ」
「だって慣れてそうですし、なんて嘘ですよ」
ほら見せてという彼女に手を差し出せば軽く歯型がついている、これくらいならシェーバーで擦ってすぐに直せるが?と問いかける彼女に別に不要だと告げる、ブレストや恐竜たちを可愛がる彼女にふと可愛いものが好きなのかと問いかければ少し考えてからそれなりにはと答えた
「あぁでも恐竜戦隊のみんなはかわいいとか関係なく好きです、ゴウリュウさんのことはかっこいいって思っていますから」
だからやっぱりかわいいとかは関係ないのかもしれないと一人呟く彼女にゴウリュウは思わず固まって彼女を見下ろすが当の本人は先程の議題に一人悩ましい表情をしていた
「おぉここに居たのかブレスト達、そろそろまた新しい任務らしいから全員行くぞゴウリュウ、お前もだ」
「おっおう、わかってらぁ」
突如現れたドリルホーンにブレストアニマル達は起き上がり次々と部屋から出ていくのを彼女は手を振って見送るが到底悪の軍団の出動姿には見えないものであった
未だ動かないゴウリュウを見上げた彼女は彼の足に抱き着いて微笑んだ
「かわいいものはお嫌いですか?なぁんて」
調子に乗ったなと彼女は感じつつもなんだかんだと許してくれるゴウリュウにいえばしばらく黙ってしまい、いよいよ何かしらが爆発するかと思いきや彼女を足から剥がして背中を向け出動準備をはじめにいくようである
普段通りにいってらっしゃい。と彼女が言う前にゴウリュウは呟いた
「嫌いじゃない」
ただその一言だけで残された彼女は呆気を取られた顔をしつつニヤつく緩んだ口元を必死に押さえつけた、否定ではない彼の言葉、決してそれ以上は言わないが今はそれで十分だと思いながら彼女は部屋の隅のベッドにダイブした、先程のゴウリュウのちらりと見えた横顔を思い出しては興奮して枕に顔を埋めながら足をばたつかせた、まるで自分に言うようだったなと自意識過剰だといわれても構わないと思いながら彼を想う
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