「は?」

鷹村守は新年早々間抜けな声をあげた
年末年始でしばらくジムは休み、さらには2週間近く前に試合があり初王者になった傷を癒していた、少し小綺麗にされたこの男の部屋の真ん中に正座をしていた妻のナマエは至極恥ずかしげな顔をしていた

「だからその…守さんの遺伝子を頂きたいなと」
「そりゃあ、アレか?セックスの誘いってことか」
「そうですけど、そういうわけじゃ」

籍を入れて3年目そんなことを考えてもおかしくないかと鷹村は思った、だが一体全体どういう考えなのかさっぱり理解できなかった
なにか裏があるのか?はたまた誰かの入れ知恵なのか、じぃっと見つめていれば少し困ったような顔をしてひとつのボクシング雑誌を差し出してきた、それは先日でたばかりの月刊ボクシングだ
自分の特集が大きく組み込まれており気持ちいいことこの上ない

「ここの部分」

みてみれば最後の勝利者インタビューの時のセリフがそのまま載せられており、記者のコメントまでつけられていた

「ここって?」
「"精子をくれてやる"って」

更には20年後には自分のような子供だらけになっている。とまでいったしまつだ
確かにあの時は興奮してしまいそんなことをいったが今では少し落ち着いた、言いすぎたと思ってほかの女に興味はないと言いたかったがナマエの目はそんなことを言いたいわけではなさそうで随分とキラキラしていた

「子供嫌いじゃないんですか?」


そりゃあお前とのガキなら尚更、とは恥ずかしくて言えなかった
風呂に入りながら自分が親になること、今からするセックスが普段とは違い子供を作るという目的を持ってしてするということ、様々なことが頭に浮かんでいく
快楽だけのその行為が生命を作るのかと今更ながら考えてしまう、適当に風呂を済ませれば忙しなく部屋の中を片するナマエがいて「次はいれよ」といえば肩が震えた
どうやらこの気持ちは自分だけでは無いらしい


結婚三年目、正直籍もたまたまあの人の気分が乗っていれたようなものだと思っている
それが子供なんて到底たまたまでないと授からないことだろう、意外と彼はしっかりしていて避妊やら後処理やら体を労ったりと気を使ってくれていた、だからこそ自分からわざわざ言いづらかったのもある
だがあの日リングの上で、テレビの前で、記者の前で、国民の前で大体的に言ってみせる彼を見て自分も勇気を、はじめの一歩を踏み出してみた方がいいかもしれないと感じた
普段はあまり使わない高いシャンプーやスクラブを使って体をできるだけ丁寧に洗う、鏡でしっかりと余計な毛はないかなんてみてしまってきっとはたから見たら滑稽な姿かもしれない初めて抱かれる時よりも緊張していた
普段なら急かされるのにそんなこともないあたりあの人もきっと同じ気持ちでいてくれているのかもしれない

ようやく風呂場からでてきたナマエが髪を乾かそうとドライヤーを洗面所で探そうとしたが見当たらなかった、ふと部屋の中を覗けば布団の上でドライヤー片手にテレビを見ている髪を下ろした鷹村がいた

「上がったか?髪乾かすからこっち来いよ」
「パジャマ着ないんですか」
「…おう」

下着1枚の彼を見て確かにこれから行う行為を考えれば不要かと思いタオルを少しきつく巻いて近付いて彼の前に背中を向けて座ればドライヤーの電源がついて部屋の中にはドライヤーの騒音が響いた
人を殴る彼の大きな手が髪を優しく撫でる度に愛おしく感じられた、この手で何度愛し合ったのだろうかと考えた時胸が自然と嬉しさに締め付けられた

「男と女どっちがいいんだ」
「どっちでもかわいいですよ」
「どっちがとかあるだろ」
「そんなの妊娠しなきゃ分かりませんよ、守さんはどっちがいいんですか」
「男」

言うと思ったと思わず呆れる、きっと同じようにボクシングを教えてその子のミットを持つ姿が安易に想像出来た
けれど女の子は嫌なのだろうかと思えてしまって「女の子は?」と少し不安げにつぶやいたが彼はそっぽを向いて呟いた

「分からねぇんだよ、優しくできるか」

これがベルトを手にした男の言葉なのかと思わず笑ってしまえば彼は酷く不服そうな声を出していた、ドライヤーの電源が切れて振り返れば彼がいるバツの悪そうな顔をしていて少しだけ寄りかかり上目遣いでみつめる

「とっくに優しいのに」
「…うるせぇ」

ドライヤーを足元に置いたことを合図のように唇が重なり合う、顎を優しく掴まれて腰を抱かれて何度も角度を変えて口内を支配される、長い前髪から覗いたまつ毛はやはり長くて色っぽかった

「んっ…ねぇ、あ…あのもうするの?」
「シねぇのか」
「…する♡」

電気が消されてもこの家は月明かりがよく入る、そのせいで電気とは違う明るさが部屋の中にはあった

「んっ♡…っう」

甘い吐息が漏れるのがいつだって恥ずかしい、こんな行為を何度もしているのに一向に慣れなくて胸に顔を埋める守さんをみてはいつも赤ん坊みたいと思うのに舌使いはそんなに優しいものじゃない
布団の上に仰向けで寝転がされて胸を吸ったり揉んだり、別に胸が気持ちいいなんてのは無かったはずなのにあまりにもねちっこいものだからついつい声が小さく漏れてしまう

「ッ…胸ばっかりいいですよ」
「少しでもでっかくしてやらなきゃガキが吸いにくくなるだろ?」
「ばかっ♡〜っや、あ♡」

こんな真面目な時でも冗談ばかり言っておもわず呆れてしまうのに守さんは上手いから私ははしたない声をあげてしまう、こんなに大きな体なのに自分の力の使い方をよくわかっている、舐めること噛むことも摘むことも全てちょうどいい力加減で私の気持ちよさを理解していてそれがまた恥ずかしくて堪らなかった
急かしたせいなのか彼の指がゆっくりと胸から下を撫でていき、何も身にまとっていない私の蜜口に触れた

「濡れてるな」

小さく呟いた彼の声に聞こえないふりをした、だって恥ずかしいのだから仕方ない
くちゅっ…と音を立てたそこに思わず顔を逸らせば彼の口角が上がったのが見えた、こういう時の守さんは意地悪でたまらない

「本当胸だけでこんなになってちゃ大変だな」

えぇそうですよ私はいつもキャパオーバーで慌てふためいてるというのにこの人はそんなことも無くニヤニヤと事を進めていく

「っっ!!やっ♡ぁ…っんぅ♡」
「ぐちゃぐちゃになって指が滑りやすい」
「っふ、ぅ♡守さんっあ♡」
「気持ちいか?」

気持ちいい♡クリトリスを筋張って太い人差し指と中指で挟まれながらシコシコ♡と扱かれて頭の中は馬鹿になったみたいに真っ白になってただ声を小さくあげることしかできない、自分が今どんな顔をして何を言ってるのかもこの気持ちよさのせいで分からなくなる

「まも、るさ♡イッちゃう、きもちいいのっ♡きちゃう♡」
「見ててやるからいいぞ」
「あっ♡やっ、おっぱ…いもやっ♡」

ちゅうちゅう♡と赤ちゃんみたいに乳首を吸われて、右手でクリトリスを扱かれるだらしない私は大きく脚を開いて気持ちよさに流されてはしたなく声をあげて絶頂を迎えた
ひくひくと震える膣口を軽く撫でられただけで腰が大袈裟にはねれば守さんは嬉しそうに笑っていた

「気持ちかったか?」

そう問われて小さく頷けば満足そうにフレンチキスが唇に落とされる
小さく肩で息をしていればおしりを小さく叩かれ「オレの上に跨がれるか?」といわれた、いつの間にか下着を脱いでいた守さんのソレは酷く膨張しており相変わらずのものに思わず唾を飲み込んでしまう
もういれるんだと思って守さんの上に跨ろうとしたらまたおしりを叩かれて「反対だ、けつ向けろ」といわれ何をするのかがわかった、私はそれを嫌だというのに簡単に抱き上げられて私は彼の筋肉の上に寝そべればそのまま勢いよくはしたなく彼を求めるそこに口付けられる
にゅるにゅる♡とした舌が私の敏感なそこを舐めた、美味しくなんてない汚いのに守さんは私のそこをいつも楽しそうに虐める、体を震わせて縮こめて快楽から抗おうとしていればふと額になにかがあたって思わず顔をあげれば大きなおちんちんがそこにはあった

「ひっ♡あ…えっ?ぁ♡」
「ちゃんと可愛がってくれよ」

きっと守さんは意地悪な顔をしている、ニヤニヤして酷く子供じみた顔をしているのだと安易に想像できた
じゅぼっ♡と音を立てて私のそこに指を何本も入れて虐められれば腰が震えた、何度と軽くイッてるのが嫌でもわかる♡
けれど私だけじゃダメだと思って頑張って手を添えた、大きすぎるソレの先にキスをして飴を舐めるように舌を伸ばすのだった。


相変わらず拙いやり方だと感じながらも自分の眼前に広がる無修正のアワビをぐちゃぐちゃに蕩けさせる、さっきからナマエの息がちんこに直接掛かっていてそれがまた少しえろく感じられた
普段ならとっくに挿入れているのに今日は随分と長くネチネチしてしまってるとは自分でも思っているがこんな日も悪くは無い

「っう♡…ふっん♡♡」

猫みたいにチロチロと舌で拙く舐めるのがこそばゆくも気持ちがいい、だがしかしイクには遠すぎる感覚だった
甘ったるい女臭いそこに顔を埋めて乳首を軽く引っ張れば苦しいほどに太ももに挟まれる、細っこいが柔らかくてまぁ悪くは無い

「そんなんでオレ様がイかせれるのか?」
「っ…が、んばりますぅ♡♡」
「ちゃんと教えてきてやったろ、手でしごいて喉までちゃあんと飲み込めって」
「ンンッ♡ふぅ、ぅあ♡あ…まも、るさ♡♡や…っめ♡〜〜っ♡♡♡」

ちゃんとしろよと言いつつもオレ様は優しいから手は止めない、もう3本も飲み込んでるナマエのまんこを優しく撫でてやればついにイクどころか潮まで吹いてしまった、あ〜ぁオレ様ビシャビシャじゃねぇの
とは思いつつもドロドロに蕩けた嫁さんはかわいいので必死にちんぽに挨拶をするナマエを抱き上げて向きを変えて、やりやすい様に足の間に座らせてやる

「あ…の、しないの?」
「自分だけ気持ちよくなって終わりか?」

意地悪にそういえば明らかに怒られた犬みたいに眉が下がるものだから面白かった、落ちていたタオルでドロドロになった胸元を拭いて投げ捨てたちんぽで柔らかい白い頬を叩けばこれだけで少し気持ちがいい、本当飽きねぇ女だなぁと無駄に関心していれば白魚のような手が掴んだ
弱々しすぎてまるで硝子細工でも触れているのかと感じたが何も言わない、小さい口を必死に開けて中から赤い血色のいい舌が伸びてガマン汁だらだらの先っぽを舐める

やはり子犬のようだ
初めてセックスした日を覚えているオレ様にしては健全に大事にしてきた、結婚した日の夜いつもの泊まりの時のように寝ようとすればいつもよりも抱きしめられ「シませんか?」といわれた、あの日の嬉しさや感動やらを覚えている
この世で何よりも愛おしく優しく愛のあるセックスをしたのもあの日がはじめてだったほど
オレ様のちんぼをみて驚いて「無理です」って泣きじゃくるナマエがいまじゃあ

「ンッ♡…っちゅう♡ふ、ぅ♡」

これだ
必死に小さい口で頬張って届かねぇところを小さい手が扱いて、まるでハムスターの頬袋みたいに膨らんで目頭には苦しいのか少しだけ涙が溜まっている
それを拭うのが何よりもよかった、加虐心では無いただ愛おしいというだけ

「ハァ…いいな」

犬猫を褒めるように頭を撫でる、子供の髪のように柔らかくて細い毛が指先からこぼれおちていく、オレがここまでこいつを染めたオレがここまでいやらしい女にした
こいつの小さい腹にガキを孕ませるんだと思うと酷いほど興奮してしまった

「…待てって」
「ぁっ、いや、でした?」
「ちげぇよ、でも今日は全部"ココ"に出さなきゃならねぇだろ」

いつの間にかうまくなったナマエに全てを絞られそうになって慌てて止める、危なかったあと3秒遅れたら発射するところだった
上体を起こして布団の上に2人で真面目に座ってみつめあう、少しだけそれがおかしく感じていれば向こうから両手を広げられる、こういうところが好きだ、真っ直ぐ子供のような愛情と親のような安心感、これが"夫婦"というものなのだろうか
顔を合わせて目を見つめあって互いにどちらともなくキスを繰り返してもう一度布団に沈んでいく
トロンとした女の目をしたナマエがこちらを急かすように見つめていた

「ちゃんとやるからもう少し我慢しろよ」
「別に…そんな…」
「要らねぇのか?」

意地悪な顔をする彼に何も言い返せずに思わず下を見つめてしまう、意地悪しすぎたと思ったのか彼は「まぁ要らねぇって言われてもやるけどな」と言い残すものだから思わずその言葉に胸が高鳴る
守さんはいつも自信満々で強気で私を引っ張っていく、この人との子供ってどうなるんだろうなんて思いつつも今はただこの行為だけでいっぱいになりそうだったから、キスをされる度に守さんという存在に支配されて私の世界は全て彼に変わる
月明かりをバックに照らされた髪の乱れた彼はいつだって神秘的かつ官能的だ

「いいか?」

いつもそう聞いてくれるこの人を見ていると周りの噂話なんて全て嘘なんじゃないのだろうかと思えるほど優しかった
小さく頷けば足を広げられ大きな巨体が潜り込む、ぐぅっと膣口に触れた大きな熱はいつも苦しくて思わず力んでしまう、その度に彼は優しく指を絡めて手を握って

「愛してる」

と小さくまるでそれか口癖のように呟く
1度行為を終えたある日にそのことを言えば何も知らなかったようで酷く驚いた顔をしたあと恥ずかしそうにそっぽを向いたことをよく覚えている
熱い杭が私を貫いた、いつもと違う感覚だった、肉と肉が絡まりあって本当に私たちは愛し合いながら"子作り"をしているのだと思えた

別にナマをしたことがないわけじゃあない
勿論こんなことはナマエ相手に言えるわけは無いが(ナマエとは必ず避妊しているので)それでもとんでもない破壊力だ、気を抜けば意識をやりそうな、童貞かと自分を貶してしまう
それでも酷く幸せそうな顔をして額に汗をかいている最愛の嫁さんが小さく「守さん」と色気を含んだ惚けた瞳で無意識に呼んでいるのを聞いて流石にやばいと思い萎えるようなものを思い出そうとした
少ししてふと下を見れば不安そうな顔をしたナマエがいて、あぁやべぇ放置しすぎたとちょっとばかし思っていれば頬を捕まれキスをされる、犬みたいにべろべろと舐めるようなキスがこれまた可愛くて萎えたオレ様をまた元気にした

「私の事だけ考えてください」

馬鹿野郎オレ様がキサマのこと以外考えたことなんかねぇよ
朝から晩までリングの上までお前がいる、笑って泣いて怒ってきっと走馬灯を見る時があればそれはお前のことばかりだろうと思えるほどなのだ

「お前もオレ様のことだけ考えてろよ」

そういって奥まで挿入していたそれがズリズリッ♡とゆぅっくり引き抜かれる、そしてまた同じくゆぅっくり戻っていく
いつもならば互いの肌がぶつかる音が聞こえるほどに激しいのにこんなにゆっくりとした行為ははじめてだった、そのせいかナマエは自分の中の鷹村の動きがわかって堪らなかった

「ンンッ♡や…っ、いつもみたいにっ♡してくださっ、いよ」
「こっちの方がいつもより、わかって気持ちいいだろう」
「で、でもぉ♡こ、れおかしっ♡くなるから♡」

1番奥に挨拶するようにコンコンと腰を小刻みに優しく打ち付ける
ナマエの頭の中はもう思考回路が止まってしまい気持ちがいいことだけしか分からなかった、背中に腕も回せずにシーツを握りしめて逃げようとするほどだ

「女が気持ちいい方が出来やすいっていうだろ」
「っ♡♡んっなの♡め、いしんです♡♡」
「物は試さなきゃなぁ、それに折角の"子作り"だ、楽しもうじゃねぇかなぁ奥さん」
「ッッお"♡♡ん"ぅ♡っや、あ♡」

優しく規律よく腰が動き出す、覆いかぶさらずにまるでナマエの全身を見るように見下ろす鷹村はナマエの陰核を唾液を付けた指先で弄ればギュウッ♡と締め付けられる
小さく揺れる胸も、乱れた髪も、快楽で歪んだ顔も、はしたなく男を銜えるソコも全てが鷹村を興奮させる

「あ"っ♡んぅ"♡やっ、ぁ♡まも、るさん♡♡」
「おーおー、まだオレ様イッてねぇぞ、こんな調子だとガキも出来やすいかもな」
「ふぅ…♡お"っ♡いぐ♡いっちゃうの♡♡」
「いくらでもイッていいぞ、オレ様も今日は沢山出しまくってやるからなっ」

行為からもう1時間以上は立っていることだろう
長い前戯と愛撫、挿入してからも普段とは違い酷くイかされスローセックスをされる、いつものようにめちゃくちゃにされてただその後の白濁がその身に直接受け止めるか無機質な蛍光ピンクの袋の中に捨てられるかの違いなだけだと思っていた

「かわいいな、好きだぞ、愛してる」
「わ、たしも♡まもるさ…あ"♡やっ♡〜〜〜♡♡」
「そろそろオレ様もっ射精すぞっ」
「ひゃ…い♡おくっ、ちょーだい♡」

ようやく出してもらえるとナマエはなけなしの力を出して鷹村の背中に足と腕を回した、できるだけ奥に出してもらいたい出来るなら子供が欲しい、この人に似た強くてかっこよくて唯一無二の子供達がほしいと願ってやまなかった
肩で息をするナマエの前髪を払い除けてキスを落とした、安心しているのも束の間で鷹村はナマエの足を持ち上げて腰を動かした

「も♡やっ…ぁ、しつこっぃ♡も、おわりじゃ♡」
「オレ様はまだ足りねぇよ、全部出し切って腹ん中オレ様のザーメンで膨らむまで出してやる」
「や♡あっ、むぃ♡」

ギラギラとしたリングの上のような獣の瞳がみつめていた
あっ、これは絶対今日中に妊娠しちゃうな…とナマエは冷静な頭で判断した、泣いても叫んでも気絶してもその後彼は止まらなかった布団がドロドロになれば畳の上でそれが疲れれば風呂場で洗面台でその横のシンクで…



それから1ヶ月後案の定買っておいた妊娠検査薬は無事に仕事を果たした
念の為にそれを片手に産婦人科に行けば先生は優しい顔でおめでとうございます。とまでいった

「双子とはな」
「ビックリですね」

どれだけ大丈夫と言っても聞かなかった夫の守が隣で少しだけ驚いた顔をしていた、まだ数mmの命があるお腹を彼の大きな手が撫でて酷く優しい顔をしていた

「20年後が楽しみだな」

彼の白い歯が明るい太陽の元で輝いた、それに合わせるようにナマエも小さく微笑んで彼の手に手を重ねて「きっと20年後の世界チャンピオンは鷹村の名前で埋め尽くされちゃいますね」なんて笑ってしまうがそれが現実になるのはまた別の話であった。