「追いつきたい奴がいるんだ」

別れようと言われなかったのが救いだった、卒業式の日彼氏の宮田くんはそういった、恋人になれただけでも奇跡だしそもそもボクシング一筋の宮田くんが少しでも私のことを考えてくれてるんだと思えばそれだけで嬉しかった

「いつ帰ってくるかもまだ分からない」

「それでもオレを好きでいてくれるならオレはちゃんと気持ちに答える」

待っててくれって言わないのはせめてもの優しさなんだろうな
好きなら好きでいてくれる?本当かな…卒業式の日に痛いくらいに抱きしめて私はわるい子だから宮田くんに仕事でお母さんたちいないの。っていってはじめて大人への階段とやらを登った
寂しくなるから送り出せなかった、その分沢山ちゅうしてハグをして私の大事にしてた指輪を渡したら宮田くんはそれをポケットにいれて「必ず肌身離さず持ってるからな」と念を押すようにいってくれた

大学生になって色んな世界が広がる中で宮田くんは気付けばOBPF王者なんていうすごい人になってるらしく、月に一度のボクシング雑誌を見て思わず椅子からひっくり返った
新しい友達や先輩も沢山増えて、時々飲み会に行ってバイトをした、ひとり暮らしもまぁまぁ慣れたけど、ただやっぱり宮田くんのいない生活は寂しい
国際電話は凄く高いから本当に大事な時以外出来るわけがなく、その分手紙を書いた、月に一度のラブレターは意外と早く返ってくる
宮田くんは強いから弱音なんて全然書いてなくて、反対に負けないとかやる気が湧くとかそういう事しか書いてなくて彼らしくて思わず笑っちゃう
海外だからテレビ放送もないし、雑誌の記事も小さいし写真もない、寂しいから「写真が欲しいです」って言えば証明写真みたいなものが届いて声を出して笑った

「あれぇ…宮田…くん?」
「よぉ、覚えてたんだな」
「忘れるわけないよ、それより帰国してたの?迎えに行ったのに」
「あんまりにも熱烈なラブレターが来るもんだからな、逢いに来てやったんだろ」
「練習は?」
「時差とかの関係で体がまだ慣れないから今週は休みだよ」

突然家のチャイムがなって驚いて出たら宮田くんがいた
玄関先で話すのも寒いしあがってもらい、少し散らかった部屋を慌てて片付ける
部屋の中に宮田くんがいる…なんて思うとすごくドキドキするけどなんとか平静を装ってコーヒーか紅茶どっちがいい?なんて聞けば「忘れちまったか?」なんてニヤって笑う、あっそういう顔好き
覚えてますよ、忘れるわけないし、客人用のコップなんてない家だからいつも使ってるマグカップにインスタントコーヒーを入れて冷蔵庫から牛乳を取りだして入れようとしたら手首が掴まれる

「ブラックでいい」

思ってる以上に近いところに顔が来ていて私の顔に熱がこもる
宮田くんはわかってるけど分かってない、こんなに整った顔近づけられたら心臓が飛び出しちゃうよ
声も出ずに小さく頷いてそのままケトルのお湯を注いで私は甘ったるいミルクティを作って2人分のお茶をテーブルに置いた、また一段と体つきがよくなった気がするし身長も少し高くなったのかな?と失礼ながらジロジロみつめてしまう

「そんなに変わってないだろ」
「1年だもんね」

そう…1年だ、長かった
隣に座る宮田くんをみつめていたら視線が絡んでどちらともかまわずキスをした、優しい宮田くんの匂いが懐かしい
あの日から私はずっとひとりで慰めては違うって思った、たくさん手紙を読んで無愛想な写真を見つめて、過去の雑誌を抱きしめて、たくさん宮田くんを想ってた

「宮田くん…好きだよ」


ばちゅんっ♡ばちゅんっ♡
といやらしい音が響いた、1年ぶりに抱いたナマエはまるで砂漠のオアシスみたいにオレの中の何かを潤してくれる

高校1年の頃、隣の席になった女子、普通の女でボクシングなんて興味もないような子だ、オレとは縁がないと思ってたし興味もなかった
ある日学校終わりにいつも通りにジムに行くと練習用具の入ったカバンを忘れていた、仕方ないから借りようと思っていたらニヤニヤした鷹村さんが更衣室に来てナマエが届けてくれたと言っていた
息切れをして必死に走ってきたんだろう、父さんにもしっかり礼をするんだぞと念を押されて翌日声をかけたら酷く驚いた顔をして

「宮田くんいっつもその鞄大事そうにしてたから、よかった」

人の大事なものを自分のもののように大事にできるコイツを好きにならないわけが無い、オレだって男だし人並みの感情はある
ただまぁボクシングに対する気持ちがいくらか強いだけだ
学校の中では比較的話す程度の中で過ぎる中、2年の頃に彼女に告白をされた「まぁ…いいけど」なんて格好つけたいい方をしたがガキみたいに喜んでたと思う、ジムに行けば全員に絶好調だと言われるほどだった
幕之内に出会ってボクシングの難しさやら辛さを味わった時も隣にいてくれた、決して鬱陶しくない距離でいつも離れて寄り添うナマエはオレにとっていい彼女だった
だからこそ海外に気軽に行けたし、その間も好きでいて欲しいと願っていた、初めてセックスをした時は互いにたどたどしかったがそれなりには上手くいった方だろう


「んぅっ…♡あっ、ふっぅ♡」
「っ射精すからな」
「ぁ、うっん♡♡みやたく、だして♡」

背中に足が絡められてぎゅうっと膣内が締め付ける、強い疲労感と快感を感じながら彼女のナカに溢れる熱を感じながら互いに目を見つめた、あぁようやく帰ってきたか…なんて思えてもう一度深くキスをすれば幸せそうな顔をしていた


「手紙いつも届いてるか不安だったからよかった、家すぐわかった?」
「1度前のジムに届いてたみたいでそっからさらに郵送してもらったりはあったけど基本はちゃんと届いてたさ、家に関してはオレもこの近くだからな」
「え、家違うでしょ?」
「オレももう19だぜ?親元離れて一人暮らしくらいしなきゃな」

夕飯のナポリタンをさらりと食べあげる彼にもしかして足りなかったかな?とみつめていれば彼は「美味いよ」といってくれた、そうじゃないけど嬉しいからいいや。なんて思った
帰ってきて早々にエッチをしてしまったが私だけが溜まってたわけじゃないんだなと思うと少し嬉しく思えた、今日のナポリタンは成功気味で結構美味しい、少し高めのケチャップのおかげだろうかはたまた宮田くんに作ったからだろうか

「大学生活はどうなんだよ、うまくできてるのか」
「なにそれお父さんみたい、まぁ結構いい感じだよ、バイトもしてるし充実感っていうか忙しくてヘロヘロ」
「変な奴に言い寄られてないだろうな」
「心配するの?」
「そりゃあ1年も離れてたからな」

宮田くんは正面から好きとか愛してるっていうのは言わない割にこういうセリフは結構サラッと言ってしまう、オマケに負けず嫌いで結構顔に出やすい、ボクシングの時はそんなことはないのにオフになるとなんだか抜けててかわいい
ちょっと意地悪しちゃおうかな?って思って

「どうかなぁ…先輩とかはよくご飯誘ってくれたりするし」

嘘じゃない
でも宮田くんは案の定ムスッとした顔をしていてなんだか直ぐに申し訳なくなって向かい合っていたのをやめてに慌てて隣に座って抱きしめる

「嘘だよ!女の先輩の話だし私は宮田くんしかみえてないもん」
「知ってるさ、オレのことからかってたのしいか?」
「怒ってる?」
「そりゃあな、オレは1年間ボクシングの事しか考えてなかったし正直遠距離どころじゃないから捨てられて当然だって思ってたさ」

そんなわけない、告白を受けてくれたあの日から宮田くんにどれだけ待たされても彼に拒絶されない限りはずっと一緒にいたいと思い続けていたから
なんだかそう思ってくれてるのが嬉しくて彼の肩に頭を乗せれば背中に手を回されて抱き締められる、昔よりもずっと筋肉がついて身体も大きくなってますます大人の男の人に変わっている

「好きだよ宮田くん」
「下の名前で呼べよナマエ」
「一郎くん」
「ナマエ」

私たちは手に触れれる距離にいると思って強く抱き締めた
ふとマズイ!この調子だと第2Rに移行してしまうと思って甘い空気を断ち切り慌てて空のお皿を持ってシンクにおいてお風呂の用意をしに走った、ダメダメ今日はもうしない、明日は学校にバイトなんだから


明日はちょうど金曜日でナマエのやつはバイトもあるのは知ってる、けどオレが帰ってきたんだから少しくらい休んでいいだろうと酷い男だから思っている
いい雰囲気でもう1発と思ったのに真っ赤になったナマエが逃げて風呂の用意をして戻ってきた

「今日泊めてくれるよな」

先に先手を打てば彼女はなんの警戒心もなく喜んで返事をした、そのあと神妙な顔をするものだから断られるか?と警戒すれば「一郎くんのお洋服ないけどどうしよっか」なんていうから徒歩1分のコンビニに下着とシャツ程度なら売ってるだろうと言って風呂ができる前に出かけた

「なんだかこうして2人で出掛けるのも久しぶりで嬉しいな」
「そうだな、これからは出来るだけ出掛けるさ」
「月一とかでいいよ、ボクシング忙しいだろうし減量厳しいんでしょ?」
「まぁな、高校の時よりもまたでかくなったみたいだから落ちにくいんだよ」
「骨格的なものもあるよね、体重管理とかがあるから素敵な試合になるとはいえやっぱり大変だよね」

こうしてナマエが考えてくれることがオレにとっては救いだ、顔や見た目だけで近付いてくるファンの女達はそんなこと考えもしない
ただボクシングで強くて、顔もそれなりに整っていて、まるでアイドル扱いには嫌気がさす、あの世界はそんな黄色い歓声を浴びる世界じゃあないんだぜ?ナマエは試合を見に来てはいるらしいが決して視界には入ってこないし控え室にも来ない、ただ前日に「無事に帰ってきてね」というだけだ

「なにかいる物あるなら入れていいぞ」
「デザート食べたい」
「太るのにか」
「じゃあやめます」
「冗談だよ、どれがいいんだ」
「っ一郎くんいじわる」

ちょっとからかっただけなのにぷんぷん怒ってる姿さえかわいいと思う、口には出さないがきっと頬は緩まってることだろう
あいつがデザートコーナーでにらめっこをしている間に生活用品のコーナーで下着やシャツやら必要そうなものを2つずつ買っておく、どうせこれからよく行くことになるだろうしな、ついでコンドームを1箱入れてナマエの元に帰ればまだ悩んでいた

「まだ決まらないのか」
「まって、みたらし餡蜜かプリンアラモードで悩んでるから」

いつもこれだな。と思って久しぶりのその姿に笑ってふたつともカゴに入れる物言いたげなナマエに「みたらし餡蜜ちょっとだけやるよ」といえば嬉しそうに笑ったがその後にカゴの中身を見て真っ赤な顔をして何か言いたげな顔をした、ゴム無しがいいのかよってそんなわけも無いのに耳元で小さく言えば「宮田くんの馬鹿!」と大声で言って店から出ていった、やっぱり面白いな

「帰ってなかったのか」
「そりゃあ」
「寒いだろ、鼻先赤くなってるぞ」
「一郎くんが変な事言うから」

時々一郎くんは子供っぽいというか顔に見合わない悪戯をするからついついからかわれて大声を張り上げてしまう
結局大きなレジ袋を持った一郎くんの空いている片手を手にとって徒歩1分の道を歩いた、デザートは冷蔵庫に入れてもらい狭いお風呂は流石に別々に入って
22時過ぎのちょっと下品なバラエティを見たあとにスポーツニュースをみていればボクシングの話題になる、真剣な彼を横目にデザートを食べる、本当ボクシングのことになると一郎くんはストイックで真面目でかっこいい、私なんて彼の中のランキングがあるとしたら1位になんて到底なれないのを知っている。

「それじゃあおやすみ」
「おやすみ」

歯を磨いて狭いシングルベッドに2人で入り込む
やっぱり狭いけど布団は1枚しかないしどうせ恋人だからいいか。なんて思って目を閉じる、それから数分してもぞもぞとお腹に置かれていた一郎くんの大きな手が動き出してゆっくりと上にあがってきて私の胸を触ってきた
最初こそ当たった程度のものだったが大胆に掴んで形を変えてくる

「も、ねるよ」
「ノーブラって誘ってたのか」
「寝る時はつけないだけだよ」

ワイヤーブラしか持っていないので寝る時は痛いのだ、そんなこと彼に説明してもわかるわけが無いのでお互いに小声で暗闇の中で話をする
グリグリとおしりに当てられる一郎くんの硬いソレに思わず驚いてしまう、その間にもおっぱいの先っぽを人差し指でカリカリと起こしてくる身体は正直に反応してしまうのがなおのこと恥ずかしくて体を縮こめるのに彼も同じように体をぴったりとつけて逃してはくれない

「抱きたい」

彼の低くていい声が耳元で小さく囁いたずるいなと思って仕方なく観念して体の向きを変えて向かい合う

「…ちょっとだけだよ」

ちょっとだけで済むわけないだろうが、少しだけちんこがイライラしたが仕方ない、困ったようなフリした瞳はもう抱かれたいっていう欲に塗れている
前よりサイズがあがったか?と家に来てからの一発目は余裕が無さすぎて分からなかったが自分の手の中にあるナマエの柔らかい胸に改めて感じる、シャツの裾から手を入れて直に胸に触る、柔らかくて暖かいそれに興奮してしまう

「んっ、ちろくん♡」

もう完全にスイッチの入ったナマエの声が聞こえてみつめたら、出来上がったメスの顔をしている、唇を重ねて小さく開いた隙間に舌をねじ込む、寝る前に歯磨きしたからか歯磨き粉の味がした
ガキのように興奮してるのがわかる、たかだか数時間前にしたのにもう互いに熱が上がっているのがわかる、体制を変えて仰向けにしたら真っ赤な顔をしているものだから思わずキスをする

「んぅっ…ん♡」

くぐもった声が思わず溢れて恥ずかしいと思いつつも声を抑えるとさらに意地悪をするのを知っているから程よく抑える程度に努力した
綺麗な一郎くんの顔が0距離にあるのが恥ずかしいやら見蕩れてしまうやら
そう言っている間にパジャマをずらされて布団の中で上半身裸にされる、電気がないから暗くて良かったと思ったけど目が慣れたせいであまり暗く感じなかった

「あっ♡や…ぁ、そんな、しな…ぃで♡」

もしかして向こうにいる間に一郎くんは他の人としてたのかな?ってくらいなんだか気持ちよくて声が出てしまう
両手で優しく胸を包まれたかと思いきや指先で器用に摘まれたりカリカリ♡とされたりすると嫌でもお股がきゅうっする、ドロドロになっているのがよくわかる
そのうち端正な彼の顔が胸に近付いて埋められる

「っ♡や、ぁ…っん、アッ!っい、やっだ♡」
「噛まれるの好きなのかよ」
「ち、ちがっ♡んぅっ〜♡」

意識が全部そちらに向けられる、一郎くんの舌の動き歯の動き口の中全ての動きが感じられる熱い吐息が胸に当たって意地悪な低い声が耳に触れてしまえばゾクゾクと私を興奮させる
はしたない、浅ましい、いやらしい女の子だと思われてしまう気がして怖くてたまらなかった、けれど快楽に抗えるほど私は強くもなくてただ一郎くんの頭を抱きしめて声を上げた

「やっ♡あ、そ…れ、やだ♡」

全然嫌じゃないくせにいうのはこいつの癖なのかずっとそうだ
嫌よ嫌よも好きのうちとはよく言うもんだがこれが夜の言葉だとは思いもよらなかった、とろけた甘い顔はオレにとって蜜みたいで暗闇の中で薄く見えたナマエに顔を寄せて舌を絡めたらほんのりと甘いデザートの味と先程の歯磨き粉の味がする
びんびんになっていた胸からゆっくり手を下ろしてキスをしながらゆっくりと下着の中に手を入れれば酷くそこは蒸れて、まるでサウナのようだった、軽く割れ目をなぞるだけで肩が揺れてオレの指にたっぷりと甘い蜜が付いた

「なぁ…これって?」
「…っあ、ちが」
「違わないだろ、胸だけしか触ってないのにな」

少しだけMっ気があるナマエに耳元に顔を寄せていえば恥ずかしそうな顔はますます熱を込めていく反面、瞳の奥は嬉しさと気持ちよさを見出していた
サッとズボンと下着を全部払い除けて布団が汚れるだろうと足元にくしゃくしゃに捨てればカーテンの隙間から入る外の灯りに照らされたオレの唯一無二のヒトがそこにいた

「だって…一郎くん、上手だから」

無意識に男を煽ってるのかなんなのか、目に涙を貯めて恥ずかしそうに胸元に手をやって隠しているナマエにぷつんと何かがキレてしまう
あぁそうだよ必死に調べたし考えた、初めての頃よりも上手くなりたいやら痛くさせたくないやら考えた結果が今だ
何度も頭の中でお前を犯して抱いてめちゃくちゃにしたと言ってやりたいけどオレは臆病だから何も言えずに奥歯を噛み締めたあと負け惜しみのようにキスをして、ゆっくりと右手をナマエの足の隙間に伸ばした
抵抗するように閉じた足を開くために無理やり身体を割って入れれば簡単に開く

「あっ♡…んっ、ぁ♡」

私の形をなぞるみたいに一郎くんの指がお股に触れた
何度も自分で慰めたことのあるそれを大好きな人に触れられるだけで気持ちが良かった、そう思っていた瞬間大きな電流が頭の中に流れ込んだ

「っひあ♡あっ♡やっ、だ♡だめ♡いちろ、くん」
「何がダメなんだ、さっきは余裕なかったからな…今回はちゃんと丁寧にしなきゃな」
「ンぅ♡♡そ、こ…ぉ♡や、や♡」

外側にある突起を一郎くんの指が何度も撫でる、ドロドロのお汁で滑りの良くなったソコはまるで磨くように踊るように2本の指が動かされていた
自分でするのとは全く違う力加減や動き方、気持ちいいことしか分からないし耳元では一郎くんの吐息が聞こえてくる

「気持ちいいか?」
「きもちぃ♡から、やめ、て♡いやっ♡イクッ…か、ら」
「イッたらいいだろ、ちょっとでも気持ちよくなって欲しい」
「っ♡♡ほ、んとに♡だめ♡いっ♡イクッ♡イクイク♡いちろ、く〜〜〜〜ッッ♡♡」

恥ずかしいほどに足を開いて私は下品にイッた、一郎くんは私の顔を覗き込むように見つめてるから見ないで欲しいと思ってなんとか振り絞って一郎くんの顔を隠そうとするのに簡単に退けられる
肩で息をする私を見て一郎くんは少し考えた顔をしていた、どうしたんだろう…なにかやっぱり嫌だったかな?って思っていたときだった

「オレがいない間自分でシテたのか」
「へ?!」

ドロドロになったナマエにそう聞けば明らかに困った顔をしていた、あぁこれは絶対してるなと思ったのに少し顔を背けて「し…してない」とバレバレの嘘をついた
コイツは嘘をつく時いつも目線を逸らす、今も完全に視線が逸らされている、どうして嘘をつくんだよ…もしかして悪いコトしてたのか?
そんなわけが無いのにそう思うと妙に苛立ってくる、オレは自分でもわかってるが意外と短気だと思う
未だ寝そべるナマエの足を持ち上げればいよいよ入れられるんだと思ってるらしいコイツに思わずにやけてしまう、今日はとことん潰してやるKOどころじゃない泥試合だ

「っ!!やっ、やだ♡やめて♡はずかし、い♡やだよぉ♡」
「んっ…はぁ…っせぇな」
「んぅ♡♡お"♡っん、く♡♡や、あ♡だぁ…め♡」

一郎くんの肩に足を掛けられたかと思えばそのまま彼は私のお股に顔を埋めた、思わぬことに驚きながらも気持ちよくて頭の中はバカになる
だめ♡だめだよこんなの♡一郎くんの綺麗な顔が汚れちゃう♡
そう思っているのに気持ちいいのは止まらなくて左手は私の左足を掴んで右手はクリちゃんをいじめている♡くちゅくちゅ♡と大きな水音が部屋の中に響いていて目も耳も体も全て犯し尽くされていた

「〜〜〜っ♡♡」
「またイッたな、なぁ自分でしてたんだろ」
「っ、は…ぁ♡」
「オレのいない1年どうやってしてたんだ、なぁ」

ぴんっ♡とぴくぴく震えるクリトリスを弾かれてナマエは腰を振るえさせた、怒ったような一郎の姿に少しだけ戸惑いを感じつつも彼の意図は何となくわかっていた
この1年間で不安だったのはお互い様だと知っていたからだ、それでも言葉を与えずに攻める一郎に何も言えずにただナマエはシーツを汚した

「お"っ♡いぐっッッーーーーっ♡♡♡」
「…潮まで吹いてエロくなったな」
「や…ぁ♡…きら、ぃ、ならないで♡」
「嫌わねぇよ、なぁ自分で慰めてたのか?オレはずっとそうしてた」
「あ…ぁ♡」

もう意識も朦朧としそうなほどのナマエの足を肩から下ろして腟内を指先で掻き混ぜる、何度もイかされているナマエはぷしゅぅ♡と音を立ててまるでおもらしのようにシーツを汚している
一郎はそんな姿さえ可愛らしく感じてよく解れたそこをみて自身の下着も全て捨てる、大きく立ち上がった彼のそこに目を奪われてナマエは無意識にそれに身体を寄せて媚びるように腰を揺らしていた

「そんなにこれが欲しいのかよ」
「あ♡…う、ん♡」
「オレじゃなくて?」
「いちろー、くんがいい」

その言葉に少しだけ頬が緩みつつも一郎はベッドサイドに置いていたコンドームの箱を開けて装着する
そしてローションのついた避妊具とナマエの蜜が絡み合って入れなくても滑りあっていた、時折クリトリスに触れれば腰が揺れている

「一郎くんじゃなきゃ、ダメだから」
「なんでだよ」
「だって……」

焦れったい、早く入れたいという考えばかりが出てきているがコイツの言葉を聞かなきゃならないじゃなきゃ出来ない
好きだから不安だった、ずっとボクシングばかりで大好きだと思っているナマエに向き合えていないから
細い腕が首に回って、耳元に顔を寄せられる、同じシャンプーなのにナマエの方が甘い香りがしていた

「大好きだもん」

優しくキスをされて、直ぐに離れた
真っ赤な顔のナマエは照れたように胸元に顔を寄せてくるものだから直ぐにもう一度キスをして音を立てて繋がりあった

「んぅ♡♡いちろうく、ん♡♡」

強く首に腕を回されて背中に足が絡められる、それを合図のように壊す様に愛し合うように腰を揺らした

「はぁ、オレも好きだ」

そういえば嬉しそうに口角が上がっているのが僅かに見えたがすぐにそれは甘い声に変わっていく
昼間にした1発とは違う、明らかに愛し合っていて欲を発散するためだけじゃあなかった、バチンバチン♡と肉のぶつかり合う音とチュッ♡チュッ♡と甘ったるいほどのリップ音が響いていた

「あ♡ん、ぁ♡きもち、ぃ♡♡」
「っあぁオレも」

何度も肉の中をかき混ぜあって互いの欲を高めあって、気付けば限界が近付こうとしていた
大きな粒のような汗が流れて下にいるナマエにあたっては落ちていく、唾液や汗や愛液やら色んなものに混じった自分たちは到底綺麗では無いがナマエだけは綺麗だった

「も、イクッ」
「ぃ…しょに♡イこ♡っちろう、くん♡んっあっ♡〜〜ッッ♡」
「っ射精すぞ」

薄いはずのゴム越しに熱が感じられた、今日二回目だけど久しぶりのように感じる熱いそれを感じて心も満たされていく
汗だくなのに誰よりもかっこよくて綺麗な一郎くんの顔が近付いておでこが重ねられる

「おかえり一郎くん」
「あぁ」
「もう…放さないから」

そういえば彼は珍しく大きく笑顔を見せて「あぁ」と呟いた
やっぱり一郎くんはかっこよかった、まだ離れられないと背中に回した腕に力を込めればおなじく背中に回された腕は強くなったのだった。