仙道彰という男は誰から見ても好かれような人間だった
運動神経抜群頭も良ければ人柄もいい、その上容姿も整っていて爽やかな見た目は女子を虜にしてきた、ミョウジナマエもその1人であり中学生の頃女子が騒ぐ仙道彰という存在に恋をした
どうにかバスケ部のマネージャーになり皆に応援されながら卒業式の日に彼女は告白をした

「いいよ」

呆気なく短い返事であり、その返事がかつて誰も貰ったことがないものだとは思えないほどにあっさりとしていた
高校生と中学生では中々会うことも難しく、特に練習も厳しくバスケに熱の籠っている陵南にスカウトされ入った彼とは時間が被った部活終わりに会えたらいいほうだった

「寂しくない?」
「えっ」
「いやほら、あんまり会えてないしデートも出来てないしやっぱり寂しい思いさせてんのかなぁって」

この時ナマエは仙道に対してなんて優しい彼氏なんだろうと感動していた、久しぶりのデートで寂しさを忘れているナマエに仙道はその程度で終わらせる男では無いのだと感じると異様に嬉しく思えた
けれどナマエは控えめな女子だった

「さ、寂しくないです…こうやって会えるだけで嬉しいですから」

そういわなければ相手を困らせてしまうと中学生ながら彼女は気遣いが出来ていた、それに対して仙道は少しむっとしたような顔をしてナマエの小さな肩を抱いて耳元に顔を寄せた

「俺は寂しかったな」

と甘く囁いた
素直にそう告げる彼に応えない訳にはいかない、ナマエはぎゅっと仙道の手を繋いで背の高い彼を見上げていった

「私も本当は寂しいです」



ナマエが思うほど仙道彰は大人じゃない、どちらかといえば知恵の働く悪ガキのようなものだ

「ひっ♡ぁっ♡ぁあ♡♡」
「こうやってここほら指でさ、撫でてあげたら気持ちいいでしょ」
「らめ♡♡せっぱぃ♡♡♡」

大音量でテレビや部屋のスピーカーから音が流れていた、どうしてこうなったのかも分からず仙道の膝の上に座らされたナマエははしたなく足を開かされて彼の手は彼女のスカートの中に入って下着の上から湿った中心部を撫でた
くちゅくちゅっと明らかに普段と違うその音が部屋の中に小さく聞こえてナマエの頭はもうキャパオーバーだった
こうなったのも数十分前のことだ

「寂しいならさ、今日はもうちょっとデートしよう」

普段なら門限があるから17時には別れるのだが仙道はそう提案した、それでも真面目なナマエは困ったような顔をするものだから「俺が帰り家まで送るし親父さんとお袋さんには頭下げるから、19時に帰ろう」なんて言われればもう断れるはずもない
中学3年生にして初めて門限を破るドキドキ感と仙道の甘い言葉が心地よかった、そうしてやってきたのはカラオケだった
友達同士でも片手で数える程しか入ったことの無い場所にドキドキしてセルフサービスのドリンクを入れて先程渡されたバインダーに記された部屋に足を運んだ
そうして2人きりの個室で仙道はジャケットを入り口にかけてしまえば外からも見えない2人だけの空間になってしまう

「ねぇナマエちゃんさ、寂しい時って1人でシてる?」
「?なにをですか」
「オナニーとか」

仙道彰は至って日常会話をしてるように爽やかな笑顔だった
そしてナマエは必死に頭の中の辞書を引っ張り出してその言葉の意味を思い出せばまるでボンッとヤカンが沸騰したような真っ赤な顔をしたものだから思わず笑い声がとび出てしまった

「し、したことありません」
「俺はナマエちゃんのことおもってシてる、デートしてる時もすげぇ抱きたいっていつも思ってる」
「えっとその」

グッと縮められた距離にナマエは思わず後ろに下がるも仙道は追いかける、いつの間にか壁に背中が当たって逃れられなくなってしまい目の前の肉食獣のような彼の瞳に喰われそうになる

「でもさ、まだ中学生だし流石に俺も手は出せないわけ」
「はっはい」
「でもナマエちゃんに寂しい思いをさせたくないし俺は考えたんだ」
「なにを?」

その時真面目に聞くんじゃなかったとナマエは後悔した
目の前の2つ年上の高校2年の恋人、仙道彰は爽やかな顔でいった

「ナマエちゃんにもこの寂しさを紛らわせる方法を教えてあげようって」


ろくでもない男だ、爽やかな変態だとナマエは初めて尊敬する恋人を内心罵倒した、いや確かに健全な男子高校生ならそんなこと(自慰をすること)があってもおかしくは無い、現にクラスの男子なんて学校で成人向けの本を交換し合ったりそういう下世話な話をしたりしていた
それに女子はもっと達観していて大学生と付き合ってる子はもう処女じゃないと言っていた
だから決しておかしいものでは無い、これは人間の欲望なのだとナマエはどうにか自分の中で言い訳をし続けた

「だめ♡♡せっ、ぱい♡♡そこぉっうぅッお♡♡」
「かわいい♡かわいい♡気持ちいいんだ」

ねっとりとした低い声が耳元で囁かれる、ピィンと足の指先が伸びて大きな電流がまたやってくる、もう何度頭の中でが白くなっているのか分からないほどでその度に仙道は嬉しそうにナマエの唇にキスをして「じょーず、上手」なんて子供を褒めるように伝えた
けれどナマエはわけも分からない快楽に侵されてこのまま壊れるんじゃないかと思えた

「時間いっぱいずっとしてあげるから、寂しくなくなるよ」

その言葉にふと入店の際に2時間だと告げていた仙道の声を思い出して一気に頭が冷静になる、このまま2時間もこんなことをされたらおかしくなるのでは無いのかと未だにきゅんきゅんと疼き立てる子宮にナマエは恐れていた

「下着の上からでもわかるくらいビッショビショだな」
「ひぅっ♡も、ゃ♡」
「ナマエが帰ってからも、俺と会えない日が続いても寂しくないようにしてあげてるんだろ?」
「さっ、さみしくな♡ぁっ♡いです」
「それはそれでダメ、寂しがってくんなきゃな」

じゃなきゃ俺ばっかり寂しくなるでしょ?と甘い顔で彼はそういって唇を塞いだ、いままでのような唇を重ねるだけの優しいものでは無い、開いた隙間から舌をねじ込んで顎を掴まれて逃げられないように固定される、じゅるじゅる♡と今まで聞いたことの無いような下品なキスの音を立てて歯をなぞられ舌を噛まれ口の中を全て暴かれるようなそれはもうセックスだった

「フゥーッ♡♡フゥーッ♡♡」

大きく肩で呼吸をして自身の胸にぐったりと倒れ込むナマエがまるでまな板の上の魚のようだ、仙道は口角をぐぅっと上げてしまう、何も知らない無垢なこの子を自分の手で変えられることが楽しくて堪らなかった
震える彼女の太ももに手を添えるだけでびくりと体が震えて涙を溜めた目がみあげてくる

「せんぱ、ぁい♡」
「先輩じゃなくて名前で呼んで」
「ッッ♡も、ほんっと♡だ、め♡♡」
「まだ下着の上からだったからちゃあんとしてあげなきゃ、ナマエも分からないっしょ」

頭の中が爆発しそうだった、耳元で甘い声を囁く仙道も自分がされていることも全てがまるで夢の話のようだ、けれど身体に与えられる感触は現実で壊れてしまいそうだった
ふと視線を下に向ければスカートの中にいる大きな手がちらりとみえる、ナマエの愛液でべっとりと汚れたそれはバスケットをする手で申し訳なさを感じてしまう
そうこう考えていても彼の手は止まることはなく下着の隙間から指を差し込んだ、ナマエの処理されていない陰毛を優しくクルクルと指先で遊ぶように撫でて

「ちゃんと生えてんだ」

なんて子供の成長を言うような口振りで彼は言った、そりゃあそうだ…なんなら毛深いかもしれない…なんてナマエは返答しても口から漏れるのは小さな甘い吐息だけだ
肩口から綺麗な仙道の横顔が見えて目が合えば優しくいつもような触れるだけのキスをされる

「どんな姿でも可愛いよ」

ズルい
たかだか2つしか違わないのに彼は大人びていた、いつだって余裕で優しくて紳士的でナマエになんだって教えた、そんな彼に憧れている

「せ、…んぱっ、ぃ」
「指入れるよ」
「まっ♡ぅうッッ♡♡」
「痛い?」

痛くない気持ちいい、多分このビリビリとした思考を奪う感覚が気持ちいいというものなんだろうとナマエは理解した
彼の手で変わる自分が怖かった、下品で醜くて自分でも分からない自分が彼の手のひらの上で披露されることが、嫌われるのではないかと思えてしまう

「ッッそれ…っだめ♡♡とんっとんっしなっ、いで♡♡」
「ここ気持ちいいんだ」
「だぁ、め♡だめ…なの♡♡おねがっ、せんぱ、い♡♡♡」
「彰って呼んで」
「あきらさ♡♡ほん、とだめ♡♡あきら、さん♡♡」
「ンー、止めれないな」

ごめん、なんていつもの反省の素振りのない謝り方をされて唇を塞がれる、腟内を暴れる彼の指が1番気持ちのいい場所をコスコスと撫でたり叩いたりとされればぎゅうっと足の先まで熱が籠って溢れんばかりの何かが放出されるように感じられた
おかしくなる、おかしくなっちゃう、私今日で変えられちゃう
なんてナマエの頭の中はショート寸前だ、ナマエの顔を空いた手で掴んで後ろを振り向かせて塞いで、何度も舌を吸ったジュルル…と飲み物を飲むような音が響いた、ナマエのつま先がピンと伸ばされて仙道の指を離さないというように締め付けていた、奥からどろりと白濁とした愛液が流れてで一等仙道の指を汚した
完全に体に力の入らないナマエをみて嬉しそうに笑った彼は自身の膝から下ろしてソファに寝転ばせた

「せんぱい…?なにっする、ですかっ」
「下着気持ち悪いだろうし脱がそうかなって」

そう言われた途端に頭の熱が冷めて冷静さが取り戻されていく

「ダメです、本当にそれはその」
「もうここまでしてるしいいじゃん」
「本当ダメなんです、今日はその」
「…ナマエちゃん、悪いけど暴れるからパンツ丸見えだよ」
「え」
「いちごのパンツ」

ナマエは内心絶叫した、もうこれは完全に引かれたと思えた、あまりにも子供のような下着だと自分でも思うが下着を買い換える機会もなければ意外といちごが沢山並んだ柄を気に入っていた
スカートから見えた白地にイチゴのそれは確かに子供らしくて行為とは裏腹で仙道は少しだけ面白く思えた

「大丈夫、かわいいよ」
「でも…」
「俺はこういうの嫌いじゃないから」
「…うぅ…ま、まだ続けるんですか?」
「もちろん、俺と離れてる間も今日のこと忘れて欲しくないから」

ナマエの足から下着を取り除いてそっと自分の後ろにおいた、ソファから落ちかけている右足を持ち上げて膝や足首に太ももまでキスを落とす

「俺ももっとナマエちゃんに触れたいし」

そんなの綺麗事だ、仙道は自分のことを罵った
性欲に抗えず言葉巧みに騙して彼女の体を好き勝手に触れた、申し訳なさや罪悪感はないが抑えきれなくなりそうだった、散々解したそこに顔を寄せる、なんとも言えない女の香りが放たれていて不思議と嫌だとは思わないのはナマエに心底惚れてるからだろう

「せ、ぱい♡そこ汚いです、やめましっょ」
「気持ちよさそーなのにそんなこと言うんだ」

ピンッと人差し指でナマエの勃起した陰核を弾けば「ひゃっ♡♡」と甘い声が漏れていた、これが初めてという訳では無いが女の体に触れるのは片手で数える程度、さらにいえばここまで尽くしたのはナマエが初めてだ、中学生時代ナマエと付き合う前の子とそれとなくしたがその時は楽しさも何も無いただ欲を吐き捨てるだけの行為で終わっていた
それがどうだ、2年も付き合ってるナマエとの行為は果てしなく楽しくて気持ちが良かった、自分を埋めることも出来ないのに彼女の言動に一喜一憂してしまう

「あぁっ♡んっ、ハァ…ぁっ♡」
「ンッちゅ…っく、はぁ」

互いの吐息や声が漏れていく、少しだけ顔を上げてみれば涙目の彼女が必死に口元に手をやって快感に抗おうとしていた
その手を取ってキスをする、塩っぱくて甘いキスだった小さな彼女の舌を食べるんじゃないかと言うほど求めて性急に腟内に沈めた指を動かしてやる

「いやっ♡ぁっ♡だめっ、せんぱっ、あきらさ♡」
「うん、いいよ見てるから」
「ッッ〜♡♡」

ぎゅうっと空いてる片手を繋いだ痛いほど指を絡めあって、なんだか濡れた気がして視線を下にやればナマエの膣口からは水っぽい透明な液体が何度か溢れ出た

「あっ、ごめ…なさ♡」
「へー、才能だな」

思わずにやけてしまう仙道と反対に服を汚して今までに無い快楽を与えられたナマエは気が動転してぽろぽろと涙を流す始末だった
結局その後汚れた衣類を乾かすように暖房をつけて片付けをして数曲2人でカラオケを歌って18:30にカラオケを出た
寒空の下で手を繋ぎながらあの時間は夢だったのかとナマエは思う反面身体のだるさは残っていた
いつの間にか家に着いて、仙道は先にナマエの両親に頭を下げた、元から2人の付き合いを知っていた両親には特に咎められることは無かった

「今日嫌だった?」

家の前で別れ際の挨拶を済ませて帰るのかと思いきや仙道はそういった、少しバツの悪そうな顔で自身に対してあまりよくないと分かっていたことをナマエに無理強いしたと少なからず思ってはいたからだろう
ナマエは首を大きく横に振った

「気持ちよかった?」

顔に熱がこもる、今でも直ぐにあの行為の熱を思い出せた、小さく首を縦に振れば仙道は「よかったぁ」なんていってその巨体でナマエを抱きしめた、何度か背中と頭を撫でては嫌われたと思った、本当は我慢しなきゃって思ってた、なんて彼の心情が次々と言葉にされた
きっと彼も不安だったのだとナマエはそこで気付いて何故か安心した、そしてもう一度強く抱きしめられて彼が低い声で小さくいった

「ナマエが高校生になったら、俺もう…止まる気ないから」

それは宣告だった、ごくりと唾を飲み込んで顔をあげればいつもの優しい仙道の顔がそこにはあった

「その頃には名前で呼んで欲しいし敬語も抜けてるといいけどな」
「え!ぁ…うん」
「寂しかったら俺のこと思い出して、俺もナマエちゃんのこと思い出してるから」

それじゃあおやすみ。
ゆっくりと彼の背中をみつめた、愛されてるのだと心底思ってしまった、顔を合わせない日は電話をしているがデートをしたためもちろん無かった、ナマエはその日風呂に上がってベッドに潜って自身を慰めた、拙い子供のやり方で
もうあと数ヶ月で中学を卒業する、その時の熱を今かと待ちわびるように熱の冷めた頭でいつも彼はこんな気持ちだったのだろうかと考えながら目を閉じたのだった。