「また危険なものでは無いだろうなリアン」
たまたま廊下で出会った顔に思わず苦笑する、トレイルブレイカーとザロンの2人であったからだ彼らは今から113号室に向かう様子で一体誰が呼び出されたんだかと思えばどうやらアイアンフィストだという、友人の名前が上がると思わずまた凄い物を作ったんだと察して聞いてみれば大脳検知銃というものを作ったという
委員会はそれを論理に反するものでは無いのかということで今1度検討の末使用判断をすると言った、話を聞く限りは運用はされないだろうと察しながらリアンは彼らに程々にしてあげてね。と告げた
それでなくても委員会は「論理に反する」「相手を死に追いやる目的では?」「結果許可できない」等と言いたいように言って何ヶ月も何年もかけたそれらをまるで鼻をかんだティッシュを捨てるみたいに扱うものだから少なからず同じ科学者の彼女からしてみればいい顔はできない
「それでリアンは何をしてるんだ」
「今度任務に同行することになったの、だからアーマーの防護強化を兼ねて天才達にみてもらってるの」
「成程…だからブレインストームもパーセプターも忙しそうなのか」
「ええ…って言ってもスプリンガーが迎えに来てくれるから1週間くらいで戻るけどね」
「そうか、くれぐれも無理はしないように」
ザロンは優しく微笑み最後にリチャージブースの君のプレゼントボックスに好きそうなクッキー缶を入れて置いたから食べるといい。といわれる
トレイルブレイカーも同じく俺もリアンの好きなインスタントコーヒーのアソート入れといたから飲めよ。といったこうして彼らはペットを可愛がるようにリアンを可愛がってくれる、彼女もそれを甘んじて受け入れた
委員会との折が合わないことは毎度のことではあるが彼らとて好きでそう判断している訳では無い、みんなそれを理解しているがそれでも積み上がった物を簡単に潰される事は耐え難いことでもあるだろう
そう思いつつ彼らと別れて歩いていればまた見知った友人が現れる
「フィズ!」
思わず声を張り上げた彼女に肩を揺らしたフィズと呼ばれた彼、アイアンフィストは彼女を見るなり目を輝かせた
そして彼女に近付いては手馴れたように手を差し出し抱き上げる
「リアン、久しぶりだな元気にしてた?」
「ええ…そりゃあもう、って何このキズ」
「あぁちょっと事故でね」
「事故ってあなた何したのよ」
数年振りに見かけたはずの彼は相も変わらず優しく話しかけてはくれるものの頭の右側には銃痕が残されていた、彼らトランスフォーマーもスパークだけが全てではなく脳などにも大脳ブレイン等といい人と変わらぬほど大事なものがある、それに傷が付けば死ぬ事は当然酷ければ植物状態になり仕方なくスパークを消すしかなくなる場合もある
それほど重要なパーツに近い部分などやたら滅多に怪我をする事などあってはならない、リアンはアイアンフィストに詰めよれば彼はとうとう観念したように自身の発明した大脳検知銃というものを試してしまいこの事故が起きたと、ただ大脳検知銃はまだ試作品だった為直ぐに彼を傷つけることは無かったが時折いたむんだという
「ラチェットとかに頼んで取ってもらったりは?」
「頼みたいんだけどその前にカプットに無理だって言われた…だから次会う時にはもしかすると俺は」
「馬鹿言わないでよ、そうだあなた達で難しいことでも私のサイズなら意外といけるかもしれないし1度見てもいいかな」
「時間はまだ大丈夫か…よし、頼めるかな?」
当然でしょうと笑う彼女にアイアンフィストは胸を撫で下ろした、彼とてまだ人生を諦めたい訳では無かった
リアンは自分の部屋ではパーセプターが今作業をしているのでアイアンフィストの部屋でと頼めば彼は了承した
「相変わらず凄いね…あれ?これ新しい奴?」
「流石リアン、よく気付いたそれはインパクターの」
そういった時彼女の表情は僅かに固まった、あぁそうだ彼女にこの言葉を出すのはあまり良くないんだったとアイアンフィストは思うがそれは杞憂だと言いたげに彼女は笑みを浮かべて「いいね、ここに来るとキミアだって忘れられるから大好きだよ」といわれる
いつからか彼女はキミアの科学者ではなく、レッカーズの武器整備士としてデブリで活動するようになってしまった、友人が離れることは惜しいがレッカーズに居られるというのは少なからず羨ましくも感じた
そんな考えを止めるようにはやく見てみようかと作業を急かした、時間が無いのだから仕方がないがまるで彼女は話を深堀したくないようにもアイアンフィストは感じた。そしてそれを消すように彼女をデスクの上に乗せてやり飽きる程に眺めた頭部の模式図をモニターに映した
「これ…随分奥にいるんだね」
「あぁ着実に進んでる」
アイアンフィストは酷く暗い表情でいうものだからリアンも顎に手を当てて悩んだ、そして自身のポケットに入れていたデータスラッグを繋いでデータを転送するように伝えた
「今はまだすぐに答えは出せないけど確実に治せるようにするから、それまで絶対に死んじゃダメだからね」
その言葉に勇気が湧く、いつだって彼女の言葉は誰もに希望を抱かせてくれる、アイアンフィストはそんな彼女に頑張るよといった
そして滞在期間や目的を聞いてみればリアンは不安と希望を混ぜた表情を浮かべ、次の任務先が決まったという、機密情報というわけではないがあまり人には言わないで欲しいと頼めばアイアンフィストは興奮しながらも当然約束を守る、生粋のレッカーズマニアである彼は名義を変えてかのオートボットの愛読書"レッカーズ秘録"を執筆していた為また新しい冒険記に胸を高鳴らせるがふと思い起こすG-9にはとあるレッカーズのメンバーが収監されていることを
「リアン…それは」
アイアンフィストの言葉は部屋に溶け込んだ。