それははるか昔・・・サイバートロン星では戦前であり、権力者たちが星を支配し階級制度が強い時代であった
惑星ヘルデビルの悪魔種サキュバス族の一人であるサキュバスのアイリスは成績優秀でありどの惑星でも好成績を収め営業成績はいつもトップにあり、彼女の未来は確約されているといっても過言では無いものであった、そんな彼女は珍しく社長から直々に呼び出され街の真ん中にあるヘルデビルの本拠地の社長室にいた、相変わらずのその巨体を見上げて要件を早速・・・という彼女の態度に好意的なその存在は仕事の話をした
「サイバートロン・・・ですか?」
噂には聞いていたが未だ未開の地でもあるあの星は度々大きな問題を発生させていることも聞いていた、無機生命体である為大変貴重な存在であり宇宙海賊や奴隷商などは喉から手が出るほど欲しがるほどの種族であるだろう
そんな彼らにサキュバスが摂取できるエネルギーはあるのか、またどれくらい彼らに技術や知能があるのか、そもそもの生活環境は等といった惑星自体の調査をしてきて欲しいとの事だった、期間は凡そのデータが収集でき次第であり成績には響かないどころかそれが終われば本部でもそれなりの地位を確約するという
「危険なんですか?」
あまりの待遇にそう問いかければ、社長は「なんかねぇ、プライムって奴らがヤバいらしいんだよね」と軽くいうものだから簡単な仕事ではやはりないのかと思いつつプライムとメモを残し彼女はサイバートロンに向かった
技術生活面は表立って見える部分は随分と発展している、国民たちとの接触は避けてはいるもののあまり困ったようなところもなく治安も普通だとメモをつけくわえながらアイリスは隠れつつその金属の惑星を飛び回って眺めた
文明だけで言えば他の星よりも随分と進化しているものでその技術が他の惑星に渡れば大きな進歩に繋がるであろうと関心さえ覚えた
だがしかし広いこの世界の中で表があれば裏はある、光と影があるのと同じだとアイリスは理解しており薄暗い世界を覗きに行った時、彼女の運命は変わった、治安が悪い場所に行くことには慣れてはいたものの体格差や肉体の違いをここまで考えることは初めだと彼女は思った
明らかな薬物中毒者であろうそのサイバートロニアンはアイリスを見つけた途端彼女を捕まえた、容赦の無い掴みように腕の骨がみしりと鈍い音を立てアイリスは残念ながら自分の運命はここまでかと察した時それは抑え込まれた
「全く何をしてるんだ」
「セネターどうされたのですか」
「いやなに、彼が何かを襲っていたようで・・・君は?」
突如現れた二体のサイバートロニアンにアイリスは目を丸くする、明らかにこの薄暗い浮浪者の多い場所にいるような存在ではないと思ったが周りのものは彼らを見るなりそそくさと姿を隠したあたり上級階級の存在なのだと察する
「私はアイリスと申します、旅をしていた最中に事故に合い気付けばここに」
「ふむ、どうしたものかな?君はどこ出身だい」
「セネターそのように分からない存在、何があるか」
「オライオン、困っている存在は例え種族が違えど助けなければならないそれが出来ない存在が同胞に手助けが出来ると?」
セネターと呼ばれた鮮やかな色をした存在はえらく正義感の強い存在だと察する、オライオンと呼ばれたマスクをしたタイプの彼の警戒心は当然のものでありアイリスは咄嗟の嘘を慣れたように話せば彼らは彼女の処遇を決めることにした
「アイリス、君さえ良ければ私の家に来ないか?外にいてまた同じ目にあっては危ない・・・もちろん君が帰れるように出来る範囲の手配はしよう」
「それは有難い申し出ですが些か申し訳ありません」
「構わないさ、君ほどの存在を野放しにしてあとから何かあった時に後悔したくないだけだ」
それと私はショックウェーブ、隣の彼は私を
オライオンと呼ばれていた彼を見れば敵意を持っていた訳では無い彼は困ったような表情でショックウェーブの手の中にいるアイリスを見ては「彼のそばならきっと安全だろう、安心したまえ」といった、警察官であるらしいオライオンは何かあれば直ぐに駆けつけるともいいアイリスはショックウェーブとの共同生活を始めた、まさか初回からこんなにいい存在に出会えるとはとアイリスは内心喜んだ
この星では議員という存在はとても大きく貴重だった、アイリスは彼と生活をする中でサイバートロンの歴史や現在の社会についてを学んだ
「本当に君は熱心だ、まるでこの星に来たくて来たようだね」
「歴史が好きなだけです、自分とは異なる生物のことって気になるでしょう?」
「確かにそうだ、君の星の話を聞いてると私も行きたくなるしな」
ショックウェーブが疑わずにそう話をする度にアイリスは内心胸を痛めた、過去にも様々な星の開拓をしたことはあるがここまでの善人は居なかった
いっその事初めて出会った浮浪者のような存在に似た者たちに合わせることの方が多いほどだろう、だがそんな彼の優しさがある中でも問題は発生する
アイリスはサキュバスである、他のサキュバスに比べ遥かに優秀な成績を収める彼女でも空腹感には勝てずショックウェーブから与えられる食事ではやはり消化が早く上手く彼女の身体には馴染まなかった
数ヶ月生活を共にする中で互いに信頼し合うようになったが彼についた嘘を明かすためにも伝える他ないとアイリスは判断し、その夜帰ってきた彼に素直に頭を下げた、騙すような真似をしてきたことについて申し訳ないという意味だ、万が一にも彼に追い出されたとしてもそれは仕方の無いことだと納得した彼女は覚悟を決めていた
しかしショックウェーブは驚きつつも妙に納得した表情をしてアイリスに気にしないで欲しいと優しく告げた
「反対に君が私を信頼したからこそ伝えてくれたことなのだろう?私はそれが嬉しいよ」
「・・・どこまで優しいんですかあなたは」
「君にだけ優しくしたいと思うんだがね」
アイリスの頬を指の背で撫でて優しく笑むショックウェーブにアイリスは初めて心臓が高鳴った、何故なのか理解はできなかったものの彼の指にもう少しと甘えるように強請ればショックウェーブはオプティックを丸くさせた後に「ずるい人だ」と告げて笑う
「それでその・・・お願いがありまして」
「うん?どうしたんだ、私で出来ることならなんだって協力しよう」
「あなた方には繁殖というものは無いのは知ってますが、繁殖行為自体はされますか?」
繁殖?と彼は声を出した為にどう説明したものかとアイリスは眉を下げ困った表情を見せるもののショックウェーブは彼女の唇に指を当ててわかっているんだと告げた
彼らの用語で言えばそれは"接続"というらしい、アイリス達でいえば"食事"である、明らかな混乱を見せる彼にアイリスは自身が所有している資料の紙を手渡せば非常に読み辛そうにする為仕方なく彼女は音読した
そして全てを読み終えた時彼女を見下ろすショックウェーブは例えようのない表情を浮かべ彼女を見つめていた為、アイリスもいくら優しい彼だとしても受け入れられるわけが無いかと思い資料を片して聞かなかったことにと言おうとするが手を優しく掴まれる
「あまり慣れていないんだが、それでもいいか?」
恥ずかしそうな彼の表情に経験差だけで大人ぶった振りをして「私がリードしますよ」と呟いた
ショックウェーブとの行為は正しく夢見心地というようなものでそれから食事のためと言えど日課に変わった、彼は素晴らしい人柄を持っておりこの星で虐げられる存在を守り、アウトライアーと呼ばれる特殊能力を生まれながらに持ってしまった異端な存在たちを守るための学校を作っていたり、日々議会にて自分達の権力を使い民を虐げようとする者たちに立ち向かう
「アイリス、綺麗だよ」
「ッ♡は、はずかしい、から・・・♡」
「もう何度もしているし君は慣れているんだろう?」
ショックウェーブは優秀な科学者でありいつの間にか彼自身の力でアイリスの身体に合わせた縮小機能というものを搭載し、食事という名の接続を交わすときに傷付けぬように利用するようになった
お陰で初めの頃よりも彼はアイリスを好んで触れてはまるでサキュバスと餌ではなく、ただの恋人の接続行為のようである
彼はアイリスのサキュバスにしては多い衣類を脱がせ、その都度現れる白い肌に口付けて賛辞を送りたっぷりと時間をかけて彼女を愛撫した、白い彼女の足の間に顔を埋めてはその金属の舌を伸ばし甘い香りを求めるように何度も舐め上げてアイリスのイイ場所を攻める
「ゃ、あ♡ショックウェーブ、イきそっぉ♡」
アイリスの為に用意された柔らかい有機生命体向けのベッドのシーツを強く握り彼女は与えられる彼からの快感に絶頂を迎えるがショックウェーブの手は止まず指を沈められる、その時彼は毎度アイリスの耳元でかわいい、素敵だ、綺麗だよ、気持ちよくなっておくれ。と甘い声で囁くものだからどちらがサキュバスなのだかと思ってしまうほどだった
いつの間にか慣れたように指を沈められてアイリスの弱い箇所ばかりいじめる彼はその声色や言葉と比べていくらか意地悪にも感じるもののアイリスはそんな彼との行為に満たされた
「はっぁ♡や、ぁ♡♡ナカしながら、そっち・・・やっだ♡♡」
「でも好きだろう?気持ちいいと素直に認めて受け止めるんだ」
「んぅ♡あっ、らめ♡っ♡だ、めクリいじめっ・・・な、ぃで♡」
「それは聞けない頼み事だな、ほらイッて私にアイリスの美しい姿をみせてくれ」
彼の長く太い指で弱点ばかりをいじめられて何度も絶頂を迎えさせられる、食事という名目で行っているのだから正直挿入だけで構わないのにとアイリスは思いつつも彼から与えられるものに胸が満たされているのも事実で拒否出来ずに反対に望み続けた
一時間ほどかけてたっぷりと前戯されたアイリスのソコはひくひくとショックウェーブのものを絶え間無く求めており彼の口角はついぞ緩んでしまう
ハッチから出されたコネクタをアイリスが見つめればそこだけはどれだけ彼がボディカラーを変えようとも変わらない色形をするソレがあり、アイリスは毎度興味本位でみつめてしまう
「そんなに欲しかったのか?」
「ちがっ、いつも・・・そこだけは変わらないから」
「私も数百万年生きてるがコレをこんなに酷使してるのはアイリスと出会ってからだ、ここも変えた方がよかったか」
「馬鹿言わないでくださいよ、誰かにさせるんですか?」
「君がしてくれるのかと」
バカ・・・と笑う彼女にショックウェーブも堪らず笑みを零して彼女の小さな唇に口付けた、互いにこの関係がただのサキュバスとその食事提供者ではないことは理解していながらも言葉には出さなかった
不思議な金属の感触に夢中になって彼の頬に両手を添えてエネルギーにもならない口付けをしては互いの視線が交われば恥ずかしそうに笑みを浮かべる、ショックウェーブが静かに見つめたことに首を縦に振れば彼の両手がアイリスの太腿を掴み彼の腰が沈められる
「は、ぁ♡ショックウェーブ♡♡」
「アイリス、痛くないか?」
「う・・・ん♡きもち、ぃよ」
「よかった、沢山満たされてくれ」
頬や鼻先に何度もキスを落としてはゆっくりと進められる行為はきっと彼以外であれば早くして欲しいと願うはずだというのにショックウェーブにされる行為だけは心地よく夢中になりずっとこの時間が続けばいいのにと考え恋人を求めるようにその首に夢中で腕を回す
自身の体と異なる硬い金属のボディは温度調整がされており心地よくアイリスは何度も彼の聴覚センサーの付近で甘く彼の名を呼び続けた
「しょっく、うぇーぶ♡しょ、っきぃ♡あっ♡あっ♡すきっ♡すき、ぃ♡♡イキッ、そう♡」
「私もそろそろ・・・射精しそうだ」
「んっ♡おくっ、奥に射精して♡♡ショックウェーブの、オイルちょうだいっ♡♡」
「あまりかわいい事ばかり言わないでくれ、加減できなくなるだろう」
「い、いよ♡すきに、して・・・ほしぃから♡」
全く困ったものだなとショックウェーブは自身がどれだけ我慢しているのか彼女に教えてやりたかった、本来ならばこんなに優しくゆっくりではなく本能の赴くまま強く激しくしてやりたいというのに愛おしい彼女の為ならばどこまでもゆっくりと愛情深くしてやりたいと思うのだから不思議なものだ
「あぁアイリス、好きだよ」
「わ、たしも、ショックウェーブ・・・すき、だいすき」
この言葉はこの行為をした上で自然と溢れるだけのものだと互いに言い聞かせる、ショックウェーブはアイリスのナカに欲を吐き出し強く抱き締めれば彼女もまた弱い力ながらも彼を優しく抱きしめて永遠に続けばいいとこの時間に思った
だがしかし時間というものは残酷なものであり、二人に寿命という概念こそなくとも時代は動き環境は変わってしまう
近頃更に過激な動きを見せるセンチネルとプロテウス、更にはディセプティコンという組織、ショックウェーブはますます弱者を守るために力を入れアイリスも出来うる限り彼のフォローに回るようになり気付けば彼の秘書のようになっていたが彼は万が一彼女がほかの議会のメンバーにバレてしまった時を恐れ部屋からは固く出さなかった
「アイリス、君にこれだけを渡しておいていいだろうか」
「エナジョン?いつものよりとても濃い色をしていますね、なんだかとっても綺麗」
「そういってくれよかった、飲んでくれたって構わないんだが出来れば持っていて欲しい、私だと思って」
その言葉にアイリスはただならぬ雰囲気を感じた、まるでショックウェーブは消えてしまうのでは無いのかとさえ思ったのだ
ワインボトルに詰められたエナジョンを抱き締めたアイリスは彼の並々ならぬ感情を感じてこれは飲まずに置いておく、なにか特別な時がない限りは・・・と告げれば優しく笑みを浮かべた彼は手のひらにアイリスを乗せてキスをした
部屋に備え付けられたテレビではノミナス・プライムの葬儀についての話などで持ち切りでありアイリスは内心ショックウェーブを心配した、ますます彼は部屋に戻ってくることも減り、いくら彼女に気を使ってくれているとはいえ彼からの直接的な食事を望まず代用品で我慢した
「万が一私に何かあれば頼めるだろうか」
「まさかとは思っていたが、こんな存在を傍に置いていたのか」
「説教はやめてくれダイアトラス、説明はしただろう?」
「あの・・・ショックウェーブ、彼は」
突如部屋に現れた新たなサイバートロニアンにアイリスは驚きを隠せずにいればショックウェーブは彼はダイアトラスといい信頼のおける友人であると説明されるものの何故説明されたのか意味がわからないとアイリスは困惑した表情をみせたが彼は変わらない笑顔を見せてアイリスを手に抱いた
「アイリス、私が君を置いていったとしてもその身を保証するためだ・・・安心してくれ、もし食事の面で困るというのであればこの薬を飲んでいればその体質は治るだろう」
「どういうこと?」
「すまない・・・」
ダイアトラスは友人がただ一人愛した異種族の女を見下ろし二人の雰囲気を察して部屋を出た、その気遣いに感謝をしつつショックウェーブは自身の"罪"を打ち明けた
アイリスを自分以外の者の手に渡したくなかったと・・・まるで彼女自身を否定する形になるかもしれないが食事といえど他者と交わることを考えるだけで身体中のオイルがフツフツと煮え滾りそうでその為に寝ているアイリスに効果は発揮されるか分からないものの無断で定期的に薬を接種させていたと
交わらずとも普通の食事で普通に栄養を取れるようになるというものだった、それを聞いたアイリスは怒りよりも呆れのような喜びを感じており、思わず彼に伝えてしまう
「サキュバスの体質上、番を持てばサキュバスとしての能力を失うから薬なんて要らなかったんですよ」
「・・・それは先に言ってくれれば君に人体実験を施さなくてよかったが番に私はなれないだろう」
「あのエナジョンをくれたのは私の思い違いでしたか?」
あの日くれたボトルをアイリスは大切に保管していた、どういったものか詳細は知らずとも彼の感情は読み取っていたからだろう
ショックウェーブは困ったように微笑み彼女に顔を寄せた
「愛してるよ、アイリス・・・どうか、私を忘れないでいてくれ」
忘れられるわけが無い・・・とアイリスは暗闇の中で思った、本部に送った通信の返事はまだ来ないようでベッドの上で鎖に繋がれていた
自動扉が音を立て開けば一人のサイバートロニアンが彼女を見つめていた、赤と青の激しい色合いのその存在は彼女のベッドに近付いては優しく撫でながら下卑たオプティックでみつめた
「そんなに睨むなアイリス、ショックウェーブのことは仕方の無いことだ」
「・・・」
「お前もいつまでも強がりでいると苦しいんだろう?データは見てるぞ」
アイリスはショックウェーブが消えて直ぐに部屋に現れたこの男を知っていた、プロテウスという名をした彼は度々ショックウェーブが危惧していた存在であり敵対していると言っても過言ではなかった
「今日はお前の為に客人を連れてきてやったんだ、喜びたまえ」
「・・・帰ってもらって」
「まぁそういうなタイレストも悲しいだろう」
また新しいサイバートロニアンだとアイリスは唇を噛み締めた、アイリスから溢れるフェロモンを知ったプロテウスはこうして自身のお気に入りの議員を連れてきてはアイリスを与えて互いの秘密を握らせるようになった、地獄のような日々にアイリスは逃げたいと願い本部に至急現状サイバートロン星の危険性等を含め報告をしていたものの連絡は上手くできていなかったのか反応はなかった
タイレストと呼ばれたその男はアイリスを見下ろしてはこんな存在が・・・とは言いつつも所詮彼らも雄でしかなかった、念の為にストッパーだといって入口の椅子に腰掛けるプロテウスのオプティックが憎らしかった
誰も温もりのある金属の手で触れてこない、優しかった愛おしい彼はもう何処にもいなかったのだ
「君だから紹介したい人がいる」
ショックウェーブにそう言われた時ダイアトラスは酷く驚いた、彼ほどの男がそういう存在とは一体誰なのか、噂で聞いていた刑事か?はたまた自身のアカデミーの生徒なのか?と考える中でショックウェーブは紹介する前に驚いたり嫌悪したりするのはやめて欲しい。と説明するものだから全くどういうことだとさらに困惑した
曰く彼女は数年程前から保護している有機生命体だというのだ、思わずブレインが動きを止めてしまうものの議員として出会った中で一番信頼のおけるまともで親しき友人の彼を否定することはなく聞いてやる
「互いに言葉にはしていないし、そうなりたいというか多分なれないとは思うんだが、私の見立てでは同じ思いを抱いているんだ」
「ほぉ・・・それでどうして私にいうんだ」
「分かるだろう、きっと私はもう永くない、じきにプロテウスやセンチネルが動き出す、その時奴らはきっとアイリスを簡単に殺しはしないはずだ」
使えるものは使うような連中なのだとダイアトラスも理解していた、聞く限りサキュバスには相手の能力を向上させることもできる上にアイリスという個人としての能力も高い彼女は飼われる可能性が高い
だからこそ頼みたいという友人の頼みを彼は騎士として固く守ることを誓った、だがしかしその約束さえ彼は守れずかつて二人が愛し合っていたその部屋が無惨に荒らされた跡を見つめ唇を噛み締めた
何処まで彼を侮辱し傷付ければ気が済むのかと感じている中、ダイアトラスの執務室に客人が現れる、紫色の単眼のディセプティコンのショックウェーブであった
「ずっと心配していたんだぞ、お前に謝りたい・・・頼まれていたというのにアイリスを守ってやれず行方不明になってしまった、すまない」
その言葉を受けたショックウェーブは記憶に僅かにあるアイリスという存在を思い出すものの言葉には出さなかった、ダイアトラスに会う前オライオン・パックスと顔を合わせた際に彼も二人をよく知る人物であったが故にアイリスの名を出した
『彼女は待っています、誰よりもあなた方はスパークのように深く繋がっていた、彼女はあなたの事を心より愛していたそれはセネター・・・あなたも同じはずだ』
ダイアトラスはショックウェーブに腹部を撃ち抜かれながらも消えゆく意識の中で確かに聞こえた
「アイリス」
愛おしい者を呼ぶ彼の声はとても悲痛なものだった。
『ショックウェーブのダークサイバトロン計画というものも何とか阻止して、今はまたナイツを探す旅の続きをなんとかしようと』
懐かしい名を聞きアイリスは僅かに動揺をしつつ部下の話を聞いた、初め彼女がサイバートロン担当になると聞いた時はいくら戦争が集結したといえ危険すぎると本部に抗議を何百回もしたものだと懐かしさを感じつつ上手くやれてる彼女に胸を撫で下ろす
通信を切り終えアイリスは立ち上がり自身の部屋の棚に飾っているピンクのボトルを手に取りちいさなグラスに僅かに注いだ、それは暗闇の中ではっきりと濃いピンクを光らせておりその液体の中では笑みを浮かべる
『愛しているよアイリス』
彼の甘い声と優しい手を思い出してはいつだって自然と熱が篭もる、今残っている仲間達はアイリスが本部の内勤になったことを実力だと言うが半分正解で半分間違いである
あの日ショックウェーブが与えた薬は遅くも効果が現れ、アイリスがヘルデビルに戻る頃には彼女はまるで番を持ったサキュバスのようになってしまったのである、パートナーが居ない上に正式な番となってもきない彼女はどこにも行けず社長の慈悲により今のポストについている
グラスに注いだエナジョンの意味を知っていた、ただのエナジョンましてや加工されたエンジェックスではなくインナーモストエナジョンといい、彼らにとってとても貴重なものである、アイリスは初めて飲むそれに彼の顔を思い浮かべて喉の奥に流し込んだ、熱く濃いオイルの味が広がり強く顔を顰めた
その閉じたまぶたの裏にはショックウェーブが優しく微笑みアイリスをみつめていた
「愛しているよショックウェーブ」
誰にも届かぬ言葉を彼女は吐き捨てて彼のことを思い静かに涙を零しそうになりながらも、悪魔は泣かないんだと言い聞かせて溢れる雫を手で拭った。