ドリフトとの会話はアイリスにとってはとても興味引かれるものであった、元より彼は神を信じる質であり好奇心旺盛で案外真面目だ、時折彼のスピリチュアルさには仲間達も若干引き気味なところはあるもののそれでも彼の良さでありアイリスは彼が元ディセプティコンの悪人であった事など微塵も感じたことは無かった
「今の俺があるのはウィングやサークルオブナイツのおかげだ」
まるで口癖のようにそういう彼にとっての恩人達の話を聞く度にアイリスは胸が熱くなる、ウィングは今はもう居ないと聞いた時心が張り裂けそうだった、大切な人の大切な人が居なくなるというのはどうしようも無く心苦しいものなのである
「そういえばこれはウィングさんの形見なんだよね?」
「あぁそうだ、不思議な力がある刀でやたら滅多に使うものでは無いからほとんど御守りのようなものだ」
「へぇ…文字が彫ってあるの?なんて書いてるんだろ」
「アイリスそんなに触れては」
「え?なにこれすごいひかっ、あーー!」
ドリフトの話も聞かずにグレートソードに触れたアイリスは突如眩い光に包み込まれ意識を失ってしまう、ふと目覚めたと同時に自身が落下していることに気付き堪らず悲鳴を上げて地面にこのまま当たってしまうと固く目を瞑れば想像した痛みはやって来ずなにかの上に落下する
恐る恐る目を開けば彼女を手にしていたのは巨大な青い機体に三本の角のようなものを持ったトランスフォーマーであった、会議室であるのか複数のトランスフォーマー達が中心にいた彼とアイリスを見下ろしていた
赤いオプティックのその存在は驚いた表情で呟いた
「スキュア?」
「ちっ違いますアイリスです!」
「知り合いですかダイ・アトラス」
「いや人違いだ、だがなぜ突如現れたんだ」
慌てふためく彼らにアイリスはどうしたものかと思いながらも案外親身になってくれるダイ・アトラスと呼ばれた彼にとあるトランスフォーマーのとある不思議な刀に触った途端に光包まれてこの場所に来たと伝えれば全く難しい表情を浮かべられてしまう
何故彼が上司であるスキュアの名を知っているのだろうかと不思議に感じつつもそれよりもロストライトに戻るにはどうすればいいのかと完全な手ぶらの彼女は考え伝えるも彼らはクリスタルシティというこの街で生活をしておりどのような理由があれども基本的には外に出ることを禁じているのだという
「そ…そんな…」
「暫くはここに居るといい、危害を加えるやつはいないはずだ、しかし困ったな生活をどうしたものか」
「ダイ・アトラスそれでしたら私が」
「ウィング…そうだな、お前は他種族のことも詳しいか…アイリスのことを頼めるだろうか」
「勿論です、それでも構わないだろうか?小さなお嬢さん」
まるでドリフトの兄弟機のようだとアイリスは目を見開き彼を見つめた、ウィングといえば彼の恩人でありとある戦いで亡くなったはずだ、それが何故ここにいるのだと危機感を覚えるこの宇宙は不思議なもので時間や時空を安易に飛び越えることがある、もしやあのグレートソードも?とふとウィングをみれば確かに彼の背には幾度も見た事のある馴染みのものがあったがそれは伝えるべきでは無いのだろうと考え苦い表情を浮かべ「よろしくお願いしますウィング…さん」と呟けば彼は優しく笑みを向けた
「すごい…クリスタルシティって本当に素敵な街なんですね」
「そんなに褒めて貰えるとは光栄だな、君の街はこんな風では無いのか」
「はい、私の街はもう少し薄暗い感じかもしれません、でも娯楽は沢山ありますよ」
「それは素敵だ、私も一度行ってみたくなるよ」
すぐ様クリスタルシティの医師達に健康状態を確認してもらい特に問題がないと判断されれば念の為にとダイ・アトラスに通信機を受け取りウィングの家に向かった、広い街である故かそれぞれが個人の家を所有しているようでありウィングが帰宅すると同時に出てきた隣人はアイリスをみて新入りかと明るく受け入れた
「この街の人はいつもこのように新しい種族の人を受け入れるんですか?」
「いいや、滅多に人はいれないさ、きっとアイリスのスパークの美しさをみんなが理解しているからさ」
それにダイ・アトラスから通信が入ってるから君に脅威はないと理解されているよと告げられては胸を撫で下ろす、普通あの様な登場の仕方をすれば誰もが不審がって敵対視するだろうに話が上手く進んでよかったと安心する
それからアイリスは戻れるまでの日を夢見つつクリスタルシティでの生活を過ごしていたが数日後ダイ・アトラスに個人的な呼び出しを受け彼の家に招かれた
元よりスキュアを知っていた彼とはアイリスも個人的に話をしたいと思っていた為ウィングには呼び出しを受けたので適当な時期に戻ると告げてクリスタルシティ内を飛び回った、クリスタルシティという名前なだけあり美しいその街はまるで外の世界の全てから隔離されたように感じられた
ここでドリフトは生まれ変わったのかと感じては確かに街の人達は優しかったなと思った、一際大きなダイ・アトラスの家に到着した彼女はチャイムを鳴らせばすぐに迎え入れられる
「生活に困っていることは無いか?」
「はい、家具の搬入もすぐに終えて今じゃとっても快適ですありがとうございますダイ・アトラス様」
「そんなに畏まらなくていい…食事についても困っていないのか」
アイリス用の椅子などは無いため彼は机の上に彼女を座らせ自身も向かいの椅子に座り見下ろしそう告げた、その言葉に思わず羽をピンッと立てた彼女はそこまでしっているのかと悩ましい表情を浮かべた
ダイ・アトラスもあまりその話題をするものでは無いことは理解していたとしても彼女の生死に関わることであるため問わないわけがなかった、だがそれ以前になぜ彼はサキュバスの生態を知っているのかを聞くところから始めた、あくまで彼女達の種族は直接知った者でなければ大抵空想の生き物の扱いであるのだ、悪魔や天使は架空の存在であるのだから当然だろう
「昔…私の友人はとあるサキュバスに恋をしたんだ」
誠実で正義漢で誰よりも
CEや番にこそならなかった二人ではあるものの心より愛し合っていたからこそその男にそのサキュバスを託されたのに自分は助けられなかったのだと彼は苦しそうに言った
「それが…スキュアさんなんですか?」
震える声で問いかければ彼は懐かしそうに「あぁスキュアだ、直接関わったのは少ないがな」と呟いた
アイリスはスキュアの過去など知らなかったが彼女は少子化が進むサキュバス達の中で例え異種族恋愛であっても背中を押してくれた、普通上官達はそれを阻むものだが彼女は性質であるのだから仕方が無いといっていた理由がまさかそんな事だとは…と改めて驚きを感じる
「一時はプロテウスやセンチネルに捕まったと聞いていたが無事に戻れたんだな、よかった」
どういうことなのかと疑問を抱きつつもただ好きだった上司の過去を聞いてしまい僅かな落ち込みを感じた、愛する人を失った彼女が今も尚仕事をこなしているのは苦しくないのだろうかと考えてしまうからである
だがそれ以上にアイリスは今現在自身のことを考えなくてはならなかった
「それで"食事"のことなんだが、平気なのか?」
「今の所は…でもいつ帰れるのか分からなくて」
「ロストライト号だったか、こちらでも情報は調べているが該当するものが見当たらなくてな」
「それなんですけど…」
ウィングがいないいま、更にはこのナイツの代表でありサキュバスの生態をも知るダイ・アトラスであるのならばいう必要性があると感じたアイリスは自身の状況を伝えた
時空は分からないものの時間軸は確実に飛び越えてしまっておりウィングは彼女の世界で死んでしまいグレートソードは別の者に正式に譲り渡されているということである、ダイ・アトラスは口元を覆い顔を俯かせた
「これは慰めにならないかもしれませんが、きっとこれを告げた事によって未来は変わります、もう二度と誰も失わないように私達は生き抜きませんか?」
ロストライトには様々な者が乗っていた、それは善人悪人という括りには出来ないものである、消えぬ罪を持った者も搭乗しているのも事実だがそれでも仲間として受け入れ彼らは旅を続けていた、戦争を経験した彼らでさえそうして手を取り合い生きているのだからサークルオブナイツに出来ないはずがない、きっと未来は変えられると強く伝えればダイ・アトラスは彼女を見つめそして許可を取り彼女を抱き寄せた
「ありがとう、君に出逢えたことに感謝しよう、そして君さえ良ければ私を食事提供者にしてもらっても構わない」
「そ…それは」
申し訳ないという前に彼女のむき出しの白い腹部がきゅう…と悲鳴をあげるものでダイ・アトラスは苦笑すればアイリスも恥ずかしそうに「お願いします」と返事をする他なかった
「アイリス、今日もダイ・アトラスの元へ?」
「はい、彼の部屋の書物に帰るヒントがあるかもしれないので」
「今日こそ見つかるといいな、私も少し今日は用事で出るから迎えが遅れるかもしれないが彼のそばなら安心だ」
ここに来て早数ヶ月いまだ戻れる気配は無いがアイリスは定期的にダイ・アトラスとは直接的な行為はしていないものの打ち明けられるわけが無いがウィングの曇りなき眼を向けられる度に多少の罪悪感を抱いた、ウィングはドリフトが言っていた通りの男であり誠実で真面目で強い芯を持っておりそれ故にクリスタルシティの住民は彼を信頼していた、そしてそんな彼やダイ・アトラスが信頼する程の存在であるのだからとアイリスを信頼してくれていた
「いつも申し訳ございません」
「いやこちらこそこれくらいしか出来ずすまない」
「そんな事ありません、反対にこちらが謝るべき事です」
愛する人以外とこのような事をさせてしまっていることは多少の罪悪感がある、ダイ・アトラスに至ってはスキュアへの罪悪感がある、それゆえ彼はアイリスを目にかけていることを理解していた
シャワーを終えた彼女は上質なエネルギーを手にして満足したのか瞼を重たそうにしていれば機体温度をあげたダイ・アトラスが手を広げ招いた彼の大きな手の中で眠ることを好むアイリスにとってはとてつもない安心感と心地良さでありウィングが迎えに来るまでの間と伝えてまるで小動物のように彼の手の中で目を閉じた
そんな彼女を見てはスキュアとは違う、きっと二人に子供が居たならば素直な彼女のような子だろうなと予想してはつい祖父や叔父などといった気持ちになってしまう
ふと呼び鈴が鳴らされては相手も確認せず呼びかければ慣れた様子でダイ・アトラスの家の中にウィングは足を踏み込んだ
「すみませんアイリスのことを任せてしまって」
「いや構わない、それよりも今日は何かあったか?」
「奴隷たちの解放をしたついでにお礼にとエネルギー物資を頂きました、彼女はまた寝てるんですか」
「あぁ疲れてしまってな、私の話し相手に付き合わせすぎたようだ」
「あなたほどの方でもそんなふうに言うなんて、アイリスは愛されやすい子なんだな」
「…きっとそうだろう、みんなでこの子を守ってやらねばな」
その時間がいつまで続くのか分からなくても…
眠る彼女を抱え歩くウィングはどうしようもない胸のざわめきを感じていた、ダイ・アトラスと仲良くする彼女をよく思わない自分がいることに気付いたのだ
本来彼ほど威厳あるサイバートロニアンがこんなちいさな存在にあそこまで絆されることが珍しいほどであり、二人には並々ならぬ関係があるのだと気付けば更にスパークが痛む、手離したくない…いつしかウィングは彼女にそのような感情を抱いた
彼の家に行く度に彼の匂いを濃く残して帰ってくるアイリスが嫌だった、家に着いたウィングはドアを閉めるなり腕の中で眠る彼女に顔を寄せてまだ起きないのだと感じながらそっと顔を寄せた
甘い独特の香りの中に確かに混じる"男"の香り、もしやアイリスとダイ・アトラスは特別な関係なのかと考えては彼女の髪にノーズパーツを押し付ける
「アイリス…すまない、アイリス…ッ」
ウィングは灯りのついていない部屋で眠る彼女に呟いた
『ウィングって本当の騎士様みたいですね、とってもかっこいい』
あれだけ無邪気に笑う彼女になんて真似をしているのだろうかと彼は深い眠りに入っているアイリスを片手にハッチから取りだしたコネクタを上下に擦った、こんな事をしてはならない、数百年こんな行為をしてこなかったはずだというのにアイリスが現れてからは自然とそのような事をしてしまう
騎士としてあるまじき行為だと理解していながら彼女の寝顔を見てはコネクタがそそり立つ、黒い服から伸びる白い肌や絶対的な信頼の元で晒される寝顔、全てがウィングを可笑しくさせる
「うっ…ぐっ……はぁ、ぁ」
掌を汚したソレをみてウィングは機体のエラーを感じつつそれ以上にアイリスへの罪悪感に押しつぶされそうであった、きっと彼女は幻滅すると思って
火照る機体の熱が収まるのと同時にやってしまった…とウィングは思いながら片手に抱いた彼女をベッドにやり片付けをした
こんな事では彼女の騎士になんて到底なれないことだと思いつつ寝顔を眺めやわい白い頬を指でつつけば彼女は嬉しそうに笑みを浮かべた
「アイリスおはよう、今日は一日私と過ごさないか?」
「おはよう…うん、何をするんですか」
「たまには街を探索するのもいいだろうデートってやつだ」
「デート…なんだか照れちゃいますね」
恋人みたいで。と笑う彼女にウィングはそう思ってくれても構わないと思いながらも口には出さずに笑みを返し朝食を終えた彼女とクリスタルシティを探索した、基本的に許可がない限り外に出られないこの街の住民たちではあるもののそれぞれが抱えた思いやこの街自体が完成されているために不満はなさそうだった
プライマスへの崇拝を象徴するような教会まで存在しており、まるでこういった文化は地球によく似ているとアイリスは思い彼に告げれば興味深そうに彼は彼女の話を聞いた
「そうか、人々は信仰する存在にそんな風に」
「はい、地球の人はこの神聖な場所で誓いを立てたりもするんですよ」
「どんな誓いを?」
「結婚といって、あなた方の用語だと…ええっと、あぁそうコンジャンクス・エンデュラのようなものです」
人間の結婚というものは国や文化によって異なるものの信仰者は神の前でその身を互いに捧げるのだと彼女は伝えればウィングはそのスカイブルーのようなオプティックを輝かせた
「人間はとても素晴らしいな、アイリスたちにはそういったものはないのか?」
「生憎私たちは世間一般でいう悪魔ですからねぇ、そこまで深い信仰は…でも誓いはありますけどね」
「結んだことは?」
「今はまだありませんよ、私たちなんてそれこそ本当に一生のもの…死が分かつまでどころか相手がいなくなってもずっと追い求めるような執着強い種族なんですよ」
特に私は…と笑う彼女にウィングは自分にその権利が向けばいいと思いながら教会を後にした、丁度教会を出たアイリスのお腹は情けない音を立ててしまい彼が見つめれば真っ赤な顔で俯いてしまう、もう家に戻ろうといわれるがまま連れられる中彼女は悩んでいた
ダイ・アトラスから与えられる食事がたりなくたってきていることを、正確にいえば身体があの貴重なエネルギーを口だけでの摂取に慣れてしまっているという事である、直接ナカで受けていればそのようなことも無いことは理解しているがダイ・アトラスにはそれ以上頼むことは出来ない、彼がアイリスをみる瞳はまるで娘や孫のようだった
本来あの関係でさえ互いに罪悪感が感じられるほどであった、どうしたものかと椅子に座り夕食を待っている間も腹部からは異常なほど大きな音が聞こえ堪らず抑え込んでいれば食事を片手にやってきたウィングは「そんなに腹が減ってたのか」と笑った
「慌てず食べなくてもいいぞ、たくさんおかわりはあるから」
「はい…でもウィングさんのご飯美味しくてつい」
「それはよかった、このサイズになってからは料理とやらが楽しい上にアイリスもよく食べてくれるから作りがいがある」
「別にエナジョンでも大丈夫なんですけどね」
「美味しいものを沢山食べて欲しいのはこの街のみんなの考えだ、気にしないでくれ」
このサイズ…というのは互いに生活をする上でウィングが縮小機能を導入したことである、アイリスとてサイバートロニアンとの生活に慣れていたので特に困ることは無かったが今のように食事に彼女の生活を一通り手助けするとなれば些かあのサイズは厳しいと彼は判断し導入したのだという
それでも半分ほどのサイズであるため3m程はあるが格段に生活は送りやすいものであった、食事を食べ終えて満足する彼女にウィングは笑みを浮かべてまた明日も用意すると告げた
それでもまるで何事も無かったかのように空腹を訴える躯を彼女は与えられたベッドの上で悩ましく思っていた、ウィングは苦しそうな彼女を見ては心配そうにするもののどうすればいいのか分からず寝静まった夜ダイ・アトラスに会いに行った
「様子がおかしいのです…ずっと腹を空かせていてどうしたらいいのか」
「空腹状態が続いているのか」
「何か知っているのでしょう?彼女は私よりあなたを信頼している」
「そんなことは」
「嘘をつかないでください、ほとんど毎日あなたのところに往き帰ってくる彼女から発する匂いを私が気付かないと?」
「ウィング落ち着いてくれ」
「…お願いです、彼女を救えるのがあなたしかいないのなら助けてやってください、私よりあなたの方が」
ウィング程の男がこれ程までに動揺するとは…と感じつつもアイリスと共に一番身近に生活を送るのならば理解ができた、ダイ・アトラスからしてみてもきっとスキュアの件がなければとっくに彼女を抱いていたかもしれないと考えるほどであったからだ、ただサキュバスという種族に対して良心が赦さなかっただけである
そしてダイ・アトラスはアイリスの気持ちを知っていた
「あまりウィングさんには甘えないようにしなきゃ行けないなって」
「どうしてだ?彼は君の求める声を甘んじて受け止めるだろう」
「だからです…正直ダイ・アトラス様と暮らしてたらこんな風に思わないんでしょうけど、あの人は優しいから心が揺さぶられちゃうんです、それと同時に失いたくないって思う」
私じゃあどうしようもないのに。
悲しげにつぶやく彼女を思い出しダイ・アトラスはウィングの肩を掴んだ、悲痛に願うその男のオプティックをしっかりと見据える、きっと自分の跡を継ぐのはこの男だと思っていたからこそ彼女を託したのだ
二度と失いたくないという気持ちは友人の愛する存在を失ったダイ・アトラスには異なる感情だとしても理解出来ていた
「私では助けられないんだ」
「そんな」
「だからお前が彼女を助けてやってくれ」
「これは?」
もう二度と開くことはないと思っていた遠い昔のデータスラッグを彼に手渡す、一度それを見てからアイリスと話をしてくれと追い出したダイ・アトラスは一人きりの部屋の中で悩ませる
変わらぬ未来なら彼は死んでしまう、そしてアイリスはそれを抱え生きていく、引き合わせない方が良かったと思いながらも今更戻せないのならば出来うる限り二人の時間があってもいいのではないかと考えるのだった
クリスタルシティは夜もまたその名のように輝かしく美しい街だとウィングは思った、渡されたデータスラッグを読み込み開けば"サキュバス 生体情報"というまるで取扱説明書に似た資料が浮び上がり彼はそれを読み進めた
一通り読み進めてはウィングは口元を手で覆い頭を悩ませた、ダイ・アトラスが何故これを託したのか意味を理解しては尚のことブレインがエラーを発しそうなほど悩ましく感じられながらその美しいクリスタルの街を見下ろした
「それじゃあ…今日もダイ・アトラス様のところへ」
「すまないが話があるんだ」
「はい?どうされましたか」
普段通りまた彼女はウィングに送ってもらおうと声をかければ彼は反対に真面目な表情で呼び止めた、一体何かと話の検討もつかずにいわれるがまま彼に案内されウィングのテーブルの上に用意されたアイリス用の椅子に座った
彼は悩ましい表情を浮べるものの空腹により今すぐダイ・アトラスのもとに向かいたい彼女は落ち着かない様子であった
「話がないなら、行きたいんですが」
「ある、少し待って欲しいんだ言葉が出なくて」
もしやクリスタルシティやこの家から出ていって欲しいなどということかとアイリスは考えては顔を青白くさせる、居候の身で悪食のように食べ回る彼女は確かにこの家の害虫かもしれないと自身を判断したそれはやめて欲しいそれこそ話し合いをしようと思っていれば彼はデータパッドを取り出し彼女にみせた
「どうして、それ」
「先日ダイ・アトラスに君のことを相談した際に受け取ったんだ、すまない」
「いえ大丈夫です、普段は私が皆さんにご案内するものだったから驚いただけです」
「…これを見る限り、君の状況は今飢餓状態に近くなっているのではないか?ダイ・アトラスからは僅かなものを得ていたとするが根本的な解決にならないということは足りてないようだが、彼から提供するように伝えたが断られてしまってな」
苦笑する彼にダイ・アトラスの判断はアイリスの予想通りのものであった為特に問題は無いと伝えた、そしてウィングは昨晩いわれたウィング自身が提供してやるという話をした為アイリスは目を見開き驚いた
「何言ってるのかわかっていますか?そりゃあ有難いですけど」
「私は本気さ、勘違いしないで欲しいのは危険な命だから助けたいのは別の気持ちが君にある、私は君だからこうしてやりたいと思ってるんだ」
「ウィング…でも、その」
「ただの"餌"だと思ってくれていいさ」
そんな風に思えるわけないじゃないかとアイリスはシャワーを浴びながら考えた、確かに身体を動かすことさえもう辛くなってきそうなほど重たいがウィングと行う行為をそのままの勢いで出来るほど彼に対して気軽な気持ちはなかった、ロストライトの面々であればまだいくらかましであったのは全員と同じ気持ちで仲間意識の上で行動しているからだろう
だがクリスタルシティでの生活はウィングとばかり、彼が居なくてはまともに外に出ることも許可されないほど大切に彼女は護られていたのだ
それ故自然と湧く感情があってもおかしくは無い、その気持ちはまるでロストライトにいる彼に対してのように感じては大きく首を振った
「私はサキュバス、これは仕事、これは仕事だから…」
タオルを一枚だけ巻いたアイリスが部屋を出ればベッドの上には縮小したウィングが座っていた、髪まで濡らした彼女に「頭も洗ってきたのか」と優しく笑みを浮かべる姿は普段と変わらないものだった
流石に風邪を引くだろうとドライヤーに似た機械を手にした彼に導かれて普段のように彼の手で乾かされる中でもアイリスはウィングを仕事相手、取引先だと言い聞かせていた、そしてドライヤーを切った彼の足を撫で見上げれば彼は片付けをしたあとアイリスの額に口付けた
「優しくするよ」
何処までもやはり彼は騎士なのだと思いアイリスはこくりと冷静に頷いたものの羽や尻尾は彼に対して喜ぶように揺れた
ウィングの行為は正しく彼を表すようなものだった、優しく紳士的でアイリスだけを考えるようなものであり彼女の頬を両手で優しく包み彼女の瞳をじっくりと見つめて口付けた、彼の甘い口腔オイルが流されればそれだけで待ち望んでいたオアシスの水のように感じられる
角度を変えて舌を絡ませ互いを貪る中でウィングは手を後頭部に回して髪を撫でた
「ンッ…はぁ、ぁ」
「すまない、苦しくなかったか?夢中になってしまったな」
「へーきです」
「…なぁアイリス、今だけは敬語も何も無く普通にして欲しい、リラックスして"食事"をしてくれ」
あくまでこの行為は恋人ではなくサキュバスとその食事提供者として…と彼は言い聞かせるようにいえばアイリスもその言葉の意図を理解して頷いた、ウィングと呟けば彼は嬉しそうに笑みを浮かべてもう一度彼女の薄い唇にキスを落としつつその美しい身体を隠す一枚の布を指先に引っ掛けて外した
「そんなに見ないで、恥ずかしいよ」
「つい見蕩れてしまってね」
狡い人だと思いつつそう言われてはダメだと言えずに彼にされるがまま受け入れる、好きだという特別な気持ちが現れているからか彼からのほんの僅かな唾液のような口腔オイルだけで満たされていき下腹部の淫紋が光るのが分かるウィングはそれを見てはしっかりとエネルギーに変換されているのだと安心しつつ彼女の胸元に手を添えた
「本当に有機生命体の身体は柔らかいんだな、いやアイリスだからか?」
「ウィングっておしゃべりなんだね」
「…すまない、正直嬉しくて」
「嬉しい?」
「アイリスが私を受け入れてくれて、こんな事が仕事だったり生きるために必要だとしてもあまり好きでは無いのかと思って」
そうじゃなきゃクリスタルシティの連中は今頃みんな君の餌になってるだろう?そうすると私が君を指導しなければならなくなる。といわれ思わず目を丸くする、確かにそうだが彼の観察眼というのはやはり凄いものだと感心してしまう、この行為を好むサキュバスもいれば好まない者も当然いる
勘違いされがちだがサキュバスは純愛族なのだ、本当は誰もが愛する人とだけ行いたい運命の人を見つけたいと願っている
それはアイリスも…
目の前のウィングはまるで子供がはじめてのものに触れるように興味深く爛々とした表情で触れていた、正直3m程の彼の手には大きく余る胸が楽しいのかどうかは分からないと不安を感じつつもウィングの表情を見ればまぁいいかと思ってしまう
「あっ♡」
「ん?ここかな」
「まっ…ぁ♡」
「あんなに薄い装甲の下がこんなに弱いんじゃ危ないな」
これからは私のマントでも羽織って出掛けようかといわれればアイリスはそんな必要はなくとも一度身につけて見たかったあのマントに頷けばウィングもそんな彼女を理解して笑みを浮かべてゆっくりとベッドの上に寝かせて彼女の首筋に舌を這わせ下ろしていく
風呂上がりのせいか、はたまた彼のせいか、赤く火照った彼女を堪能しつつ胸元に顔を寄せる、控えめだと言われるが無い訳では無い二つの乳房に彼は掴めばアイリスは甘い吐息を漏らしてウィングを見つめる、彼は至って真剣な眼差しで形を変えたり摘んだりと指先で様々な愛撫をそこに与えた
「っ…ぅ♡」
そしてふと彼は口を薄く開いてアイリスの胸の先端に舌を這わせた、赤い彼の塗装に似た人間やサキュバスとは違う真紅に近い異質な金属の舌にアイリスは普段彼をあまりみていなかったことを思い、つい行為中にも関わらず彼を凝視した
その視線に気付いたウィングはどうしたのかと彼女を見つめればアイリスはふと彼の舌が赤いことを指摘した、そんなことを言われたのは初めてである彼も多少驚きを感じつつもその黄色のオプティックを薄めて見つめ意地悪に微笑んだ
「それは他の誰かと比べてか?」
「違うよ、私とは違うなって」
「みせて」
あっ、と素直に伸ばした舌にウィングはすぐさま噛み付いて緩む彼女を抑え込むように手首を掴み口内を荒らすように激しく口付けた、ジュル♡ちゅる♡と音を立てて甘い樹液のような唾液を貪るウィングは普段の優しさなど微塵も感じられないほど情熱的なものでアイリスは足を僅かに揺らした
ぷはぁ…♡と音を立て離れた互いの唇には唾液が繋がり離れていった
「嘘をつくのが下手だな」
ウィングは口元を指で拭ってそういいながらアイリスの胸に顔を寄せた
「私もアイリスの全てを観察させてもらうよ」
「ひぁ♡…ふっあ♡」
「ここはピンク色だが、真ん中になるにつれて熟したエナジョンのようだな」
「やっ、やだ♡や、ぁ♡」
手首を押さえつけたままアイリスの胸をまじまじとみつめるウィングにアイリスは堪らずに顔を逸らして暴れれば彼は味も確かめなきゃな と笑いつつ口に含んだ、端正な顔をした彼が女として発達しきっていない未熟な胸元に顔を寄せてその香りに酔いしたような表情を浮かべた、アイリスはそんなウィングからの愛撫に堪らず脚を擦り合わせる頃指を開かれて恋人のように絡め繋がれる
「ん、ぁ♡や…ぁ♡イクッ♡だ、め♡」
アイリスが耐えきれずに腰を引けて逃れようとしても与えられる彼の愛撫は収まるどころか激しさを増してゆき、彼の歯がアイリスの胸の頂点を甘く噛めばアイリスは声にならない声を漏らして背中を反らして絶頂してしまう
はぁ…はぁ…と息を整える彼女の胸から顔を離したウィングは蕩けた彼女の表情をみつめていう
「比べてくれるのはいいが妬いてしまうな、私は君しか知らないのに」
「…う、そ♡」
本当だ とウィングは苦笑する
そもそもサイバートロニアンにはパートナーを作る方が珍しい、ともなればそういった行為を知らない連中も多い、接続を好む連中は大抵何かしら悪いことをしているような連中ばかりであり繁殖能力もない彼らにとっては三大欲求が仮にあるとすればとても低いものだとされるだろうと告げる、そんな彼にアイリスはついロストライトの面々を思い浮かべてはまさか…と思う、彼らは大抵優しく甘くサキュバスの彼女など手玉に取るほどだと感じた、今のウィングもそうだったと目を丸くして見つめれば彼はふわりと笑う
「男はいつも女の前で格好つけたいものさ」
さぁこの話はここまで集中してくれ
経験豊富な彼女に内心ウィングは妬いていた、正確にいえば彼女の過去の男たちに、元に戻れば彼女はまた他のサイバトロニアンを相手に"仕事"をすることになる彼女の使命なのだから仕方がなくウィングの立場では何も言えないことは理解してはいるもののやはり悔しさを感じた、行為をしたことは無かったものの彼とて何をすればいいのか理解はしていた、ただ杭を打つだけでは苦しめることも
「ウィング…やだ、そんなのしなくていいっ、ぁ♡」
「痛い思いはさせたくないんだ」
アイリスの細い足に手をかけた彼はその中心部に顔を寄せた、際どい服の下に隠されていたそこを確かめるように彼は指の腹で拡げては見つめたあと優しく砂糖菓子を食すように唇を添えた
「ん…ぅ♡…ぁ♡」
アイリスは拒絶することは出来ずただシーツを強く握り天井を見つめた、ウィングから受けるものは全て慈しみを表すようなもので天国へ登るような心地良さを感じられたからだ
狭い彼女の穴にいくら縮小しているとはいえ入るのかと疑問を抱きつつもするしかない、したいと願うウィングはアイリスの恥部に舌を這わせる、淡い色をした未開発のようなものの割に男を知り尽くしたそこにウィングが甘い体液を得てしまえばまるで罠にかかった様に夢中になってしまう
彼女の足がウィングの肩に乗せられ全てが見られるとしても恥じらいよりも快楽に身を任せてしまうほどに彼女もまた夢中になっていた
「そ、こ♡ば…っか、あ♡や、ぁ♡クリっ、だめ♡♡」
「…ッ甘いんだ、仕方ないだろ」
外側についた小さな突起物をまるで溶けない甘いエナジョンキャンディのようであり無我夢中で彼はそこを犬のように舐め続けた、そうして気付けば何度もイカされたアイリスは足を震わせぐっしょりと足の間を彼の唾液や自身の愛液で汚していた
「ぁ…♡あ…♡」
「やり過ぎたな、だがここまでしたら…」
「っうぅ♡あっ♡お、ぐ♡」
「無事に指も挿入できる、にしても狭いな、もう少し拡げてやらなきゃ痛むだろう」
「だ、ぁめ♡♡く、ぅ♡お♡ゆび…とど、ぃてる♡♡」
「狭いし小さいのに私のものが受け入れられるのか?ほらアイリス足を閉じないで開くんだ」
ようやくウィングが顔を離したと思い安心していた途端に彼の長い指がアイリスのナカに沈められた、彼は慣らすためだというが長い指は簡単にアイリスのナカを支配し奥までトン♡とノックした、堪らず足を閉じようとする彼女に無理やり開くことはなくウィングは優しく開くんだと指示するばかりでアイリスの意思を尊重しようとした
「痛いことはしないから、いいか?」
そういわれて彼女が断れる訳もなく恐る恐る開けばウィングはその騎士のように美しく優しい笑みとは反対にアイリスがどうすれば気持ちよくなるかを探るようにナカを荒らした
「ひぅっ♡あっ…ん♡ぅ、あ♡だめっ♡だめっ♡」
「ちょっとばかりしてるだけなのにそんなに悦んでいたら後が心配だな」
そうはいいつつも彼はアイリスのことをトコトン気持ちよくさせてやりたいという感情が溢れている為か指を二本沈めて太い親指の腹でアイリスの小さなクリトリスをぐりぐり♡と押してやった
それまでは逃がしてやるように仕向けていたものも彼は彼女の間に機体を滑らせて顔を覗き込んでは耳元で「かわいい」「綺麗だ」とまるで恋人のように囁き着実に堕とそうとしていた
ロストライトの面々にも散々かわいがられてきたと言うのにウィングのものは別格だった、まるでアイリスから与えられるものなどどうでもいい、ただ彼が尽くし続けたいだけなのだと教えこまれる
「うぃ、んぐ♡♡もっ…や♡イケ、な♡ぃ、の♡♡」
気付けば夢中になって彼女のナカを指で荒らしていたウィングは彼女の懇願に顔をみつめる、彼の手のひらはぐっしょりとシーツに垂れるほど間で濡らされておりアイリスの瞳も蕩けきって、彼女からしてみれば彼を捕食する為に行っていたはずが反対に食べられてしまっているため息も絶え絶えといいたげなものだ
涙を零し甘い唾液を口の端から流す彼女にウィングは堪らず口腔オイルを飲み込んだ
「すまない、あまりにも魅力的なもので夢中になってたな」
ずるいなとアイリスは思えた、ウィングは誰よりも恋人のように優しくしてくれる、アイリスのことを誰よりも強く想ってくれており今現在も指をゆっくりと抜いては未だ敏感な身体の熱を冷まさぬように胸に触れて唇を重ねては膝のパーツをアイリスの間に押付けた
これが本気で未経験者なのかとアイリスは疑問を抱きこのまま関係を結んでしまえば今後どうなってしまうのかと恐れすら感じるものだろう
「それでアイリス…構わないか?」
ふと足の間に押し付けられたのは何度も味わったことのある彼らのコネクタであった、ふと視線を向ければ赤い彼の股のハッチからは白を基調としたコネクタには赤と金とラインが入っており正しくそれは騎士である彼らしいデザインのものだと感じた
彼らのコネクタに差異はさほど無いものであるがまじまじと見つめるアイリスにウィングは多少なりとも恥ずかしさを感じて頬を撫でる
「そんなにそっちばかりみず、私を見てくれないか?」
「ごめんなさい」
「謝らなくていい、どうせ誰かと比べたりしてたんだろう、顔に出てる」
「…そ、それは」
「いいんだ、塗り替えてやる」
「あっ♡♡」
ずぷりっ♡とゆっくり挿入されていけばアイリスは嫌でもウィングの熱を教えこまれる、熱や大きさ彼の特徴全てをその身をもって味わされていき、ずぷぷ…♡と挿入されていくそれはコンッ♡と音を立てて最奥まで問題なく入り込む、ウィングの執念深いほどの愛撫のお陰か痛みも違和感もないそれにアイリスはうっとりと彼を見つめた
温もりさえ感じられるイエローのオプティックが彼女を見下ろして頬にリップ音を立てて口付ければまるでスローセックスかのごとく彼はとてもゆっくりと腰を進めた
「あっ…♡んっ♡…ぁ♡ウィ、ング♡」
「私を覚えてくれ、今君を抱いてるのは私で、誰よりも君を大切にしてやってるんだと」
「やっ♡はげ、しく…して♡」
「駄目だ、ちゃんといま君の中に居るのは元いた船の誰でもない騎士である私だと思って欲しい、アイリス…君だけにさせてくれ」
どうしてこんなにも彼は慈愛に満ち溢れ、優しく甘く恋人のごとくしてくれるのかとアイリスは混乱した
ふと彼はアイリスの顔を覗き見ては腰を止める、彼女は顔を手で覆い隠し横を向いてしまいウィングは心配になり彼女に重い言葉をしてしまった、痛いことをさせてしまったのかと恐れを抱き声をかけた
「アイリス…?」
「失いたくない、あなたみたいな人をなくしたくないよ」
アイリスは涙を零してそう呟いた
夢が覚めるように万が一この後ロストライトに戻ればウィングのいない世界に帰るだろう、それが何処までも苦しかった、ロストライトの長い旅路の中で少なからず仲間を目の前で失ってきた
サキュバスとして様々な種族と触れ合い心を通わせてきたが不老不死と変わらぬ彼らの死が一番身近に見てきたものだった、心の通わない生き物であれば感情を揺さぶられる事などなかったがアイリスには耐えられなかった
「アイリス?私はここにいるだろう」
「違うんだよ、違うのウィング」
私の未来にあなたはいなかったとアイリスは堪らずに告げた、ドリフトから聞いた話の中の人物、それはまるで御伽噺の騎士の話だと感じてきた
けれど目の前に現れ身体を繋げ愛しているというように甘くされる度に苦しく、愛おしさを感じられずにいられなかった
自分のためにその宝石のような瞳から涙を零す彼女をウィングは愛おしく思えないわけがなかった、生活を共にし身体を重ね言葉を交わすこの関係が家族や愛でなければなにかとウィングは思いながらちいさな彼女をその巨大な鉄の躯で抱き寄せた
「きっと未来は変えられる、その時私のそばに君が居なくても私は必ず生きると約束しよう」
「だからどうか泣かずに今は身を任せてくれないかお姫様」
なんてキザだなと苦笑したウィングに目を丸くさせてからアイリスは堪らず笑みを零せばウィングは安心したような表情を浮かべた、いつだって笑顔の彼女を悲しませるような真似をさせればダイ・アトラスに何を言われるか分かったものじゃないしなというウィングに同意をし二人は笑みを浮かべた
それから少ししてアイリスは落ち着きの無い様子を浮かべウィングはどうしたのかと疑問を抱く
「あ、あの…本当はこれは食事の為ってわかってるんだけど、今日だけでいいから、沢山かわいがってほしい…かも」
「アイリス…っ、今日だけじゃなく君が望むならいつだって応じるし可愛がるどころか愛し尽くすさ」
嬉しい…と笑みを浮かべる彼女にウィングは堪らず彼女にキスをすれば「ウィングの、おっきくなってる」と呟かれ彼はその言葉の意味を理解しフェイスパーツに熱を宿した、全くもってサークル・オブ・ナイツの騎士であるというのに彼女の前では威厳も何も無くなるなと思っていればアイリスからキスをされ「うれしい」ともう一度呟かれる
「全く!アイリスっ君は私をどうしたいんだっ」
「あっ♡ぁあ♡ウィ、ング♡はげ、しぃ♡♡」
「こんな狭い小さな身体で受け止めてくれるだなんて…はぁっ、愛してると言ってるようなものだ」
「そ、なの♡♡ウィングっすき♡すきっ♡たくさん、シて♡♡」
「〜ッこの悪魔は♡」
そういいながらもウィングはとても優しく激しく愛をぶつけるようにアイリスのナカにコネクタを打ち付けた、彼から溢れた先走りの僅かな性エネルギーだとしてもとても濃くアイリスは吸収されていくのが理解出来た
ウィングが舌を伸ばしアイリスの唇をなぞれば彼女も呼応するように必死に唇を開いて彼の舌を舐めた
足を伸ばし彼の広い背中に足を回して首に手をかけて瞳を見つめては嬉しそうに笑みを浮かべる
「ウィ、ング♡♡だ、いすき♡♡おくっ…だして♡♡」
「あぁ私も心から愛している…射精すぞッ」
「んぅっあ♡ひ、ぁ…〜〜♡♡」
ビュルビュルッ♡と熱い彼のオイルが注がれる、初めての射精ともいえよう彼の濃いエネルギーにアイリスは溶かされてうっとりと彼を見つめていれば強く抱き締められ耳元で「まだ足りないだろう?」と熱く囁かれれば自然とソコは彼のものを締め付けた…
「あれからウィングとは上手くいってるようだな」
「はい、彼はとても優しいですから」
「それはよかった…といいたいが何か言いたげだなウィング」
翌日ダイ・アトラスに食事に困らなくなったという旨を報告しにアイリスはやってきていた、ついでにと彼の書庫からアイリスは過去のサイバートロンにまつわる書物を楽しそうに漁っていた、その傍に佇むウィングは本を受け取りつつもダイ・アトラスを珍しく物言いたげに見つめていた
昔から彼は自分に怯むことも無く意見をする男であった、そんな彼はよくいえば素直でわかりやすいものであった
「いえ、特には…ただアイリスは暫く私が担当しますのであまり家に招くのは」
「そう言われても来てしまうのだから仕方がないだろう」
「ですが女人が男の家に簡単に上がり込むなど周りに噂されでもしたら」
「ウィング…」
ダイ・アトラスは重たく言葉を吐き出した、男の嫉妬は見苦しいぞと
そんな二人のことも気にせずアイリスは数冊ほどさらにウィングに手渡しては今日はここまでにするといってダイ・アトラスに借りる旨を告げた、勤勉なことはいい事だと彼がまるで孫娘を可愛がるように接する中でも忠犬になってしまった騎士は今まで牙を剥くなど考えられなかった主人を静かに見つめていた
「アイリス帰りに寄りたいところがあるんだがいいだろうか?」
「うん、何か買い出し?」
「いいや、そうじゃないが君を連れていかねばならないんだ」
帰り道ウィングにそういわれたアイリスは二つ返事で了承をし彼の手の中でただ連れられるがままに静かに街を眺めた
クリスタルシティと呼ぶだけのことがあるこの街はやはり外界から遮断されたゆえの歪さはあるもののその美しさは確かなものでトランスフォーマーにとっての楽園だといわれれば頷けてしまうものだろう
ふと彼が足を止めた先はいつぞや案内されたこの街唯一の教会であった、信仰するものこそ違えどまるでカトリック教会のような華やかなものである、二度目だといえどやはり広く美しいそこに思わず歓喜の声を上げて彼女はウィングの手を飛び出して教会内を飛び回り細かく見て回るがふと彼に名前を呼ばれ慌てて中央に立つ彼の視線に合わせた位置に戻る、昨日の彼のおかげでアイリスは飛ぶ事も難なくできることをありがたく感じていた
「君にとって私はただ一人の食事であることは理解しているんだ」
突如そういった彼にアイリスは表情を強ばらせた、どれだけこの場で想ってもアイリスには答えられない理由がある
ひとつはいつ戻るかわからないこと、もうひとつ…それは彼女にはウィングと同じほどに想う相手が少なからずロストライトにいるということである、恋心というものは理解出来ず番という関係にまで進めないものの中途半端な気持ちで彼らを困らせることは良くないとアイリスは理解していた為決してウィングの想いに応えられなかった
彼はそれでも構わないと笑みを浮かべ跪き背中のグレートソードを彼女に捧げるようにみせた
「それでも君だけの
「ウィング…」
「困らせてしまってるのは分かっているが私はいち騎士として君のそばにいたいと思っている」
彼は笑みを浮かべて彼女を見上げた、アイリスはそんな彼に答えないわけが無いとゆっくりと彼のそばに行きその頬に手を添えた
「うん、答えられない私だけど…貴方だけに護られたいよウィング」
「アイリス…あぁ私だけのヒトよ、約束は必ず守ろう」
外からの灯りがステンドグラスにあたり教会内を照らす頃二人は口付けを交わした、決して交わらない二人だとしても今だけはと願って
「はぁ…」
重たいため息をついたアイリスは少し前の出来事を思い出し嘆いた、現在オーバーロードに捕まえられどうしてこんなにもロストライトは騒がしいのだか…と考えたのである、クリスタルシティにいたとき…あれはまるで御伽噺のように美しく心地よいものでありいっその事帰ってこなければよかったかもしれないと悩むほどである
ここ数日オーバーロードの事件が発生しその際にウルトラマグナスやリワインドが亡くなる中で等の本人はこの船で何故か生活をしていたのである
当然彼は地下の監獄での生活ではあるもののアイリスと一緒ならば何一つ暴れることは無かった
そんな中ロディマスからアイリス宛に通信が来たのである、ウルトラマグナスが消えたと…そうして様々な困難がある中彼女はルナ1のタイレストやファルマ達と対峙する中タイレストの率いていたレジスレイターに狙われていた
パーセプター達の声が聞こえる中アイリスは今度こそおしまいだと強く目を瞑った時痛みが体に走ることは無かった
「待たせたようだな、私のお姫様」
「ウィング!?」
「あぁそうだ、君のウィングだ」
どうしてだとアイリスは驚きを隠せぬ間に騒動は落ち着き見慣れていたサークル・オブ・ナイツの面々が次々と現れた、サイクロナスに肩を借りた重症のダイ・アトラスを案じつつも何故この場にウィングがいるのだと驚きを隠せずに入れば彼はアイリスを抱き上げた
「君の予言を聞いて必ず生きようと決めて今日まで過ごしていたんだ」
「…そんな、だってじゃあドリフトにグレートソードをあげたの?」
「そうだ、彼には必要だったからな、そして私にはアイリスが必要だった」
意地でもしがみついてやったさと笑う彼にアイリスは思わず驚いた表情を向けるが少ししてから耐えきれず涙を零し彼に抱きついた
「ウィング!よかった、もう二度とどこにも行かないでね」
「あぁ何を言われても離れないさ」
そういって彼女に口付けたウィングにロフトライトの面々は堪らず彼を睨みつけた、一体全体あのキザ野郎は何者だと
そんなことも気付かぬアイリスはただウィングを抱き締めて嬉しそうに微笑んだ
「これからはどうするの?またクリスタルシティに帰るの?」
「いいや、サークル・オブ・ナイツはその使命としてロフトライトに同行する…みんなは違ったとしても私はアイリスの傍にな」
「ウィング…」
「やめろやめろ離れろよ、いきなりなんだよアイリスこんなキザな騎士野郎に…」
「すまないな船長殿、彼女は私の主なもので」
「もうロディマスやめてよ、ウィングは私の騎士なのに」
かー!!乗船なんざ許可しねぇよ!と叫ぶ彼らにロストライトの面々は強敵が増えることを恐れ頷くものの当然そうはいかずに彼らを船に招くことになるのだった…