リゾット
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イヴァンの何も無い日の平均的な睡眠時間は15時間
何かある日でも最低8時間は確実に寝て起きることは無い。
その間に溜まった仕事は誰か別のものがする、事務員であるはずのイヴァンではなく、そして家につれて帰ることも
勿論そんなことはチームリーダーであるリゾット程度であるが
「イヴァン、そろそろ帰るぞ」
軽く声をかけても彼女は目覚めることがない
気持ちよさそうに黒いまつ毛を伏せて
子供のような柔らかな寝顔はあまりにも自分たちのチームには向かないと思った、ほかのメンバーはもう帰ったり、また別の部屋で寝に入ってしまっている。
《抱っこして連れて帰ればいいじゃない》
「イヴァンが起きた時にアダムに殺されるのは俺なのをわかっているのか」
《それは起こしちゃったあんたが悪いのよ》
他人事だからかその人形はすぐ消えていってしまった、自由気ままな性格は今目の前で寝ている少女に似たのか、はたまた彼女の抱えてる本に似ているのか
理解し難いな…
と思って大きなソファーに眠る彼女の寝顔を見ながら腰掛けて、柔らかく細い髪を撫でた
擽ったいのか身じろぐが起きる気配はない
「イヴァン、そろそろ起きてくれ」
決して他の人間には出さないほどの優しい声だった、少しだけ緩んでいる頬に自分自身気づかないのだろうが
彼らにとっての幸せは彼女であり、そして平穏でもある…このようなギャングの仕事をしていれば命を落とすのは数分後だとしてもありえる。
だからこそ限られた時間の中の幸せほど心地いいものはない
ふと手に触れたものをみれば、小さな手がそっと指に触れて掴んだ、まるで赤ん坊のようでリゾットはそんな彼女にまた優しく声をかけた
「夕飯が遅れるぞ」
「んん………さかなぁ」
寝言なのか、声を聞いての返事かわからないが苦しそうな顔をする彼女に笑いそうになる
今頃あまり好きじゃない骨まみれの魚を夢の中で出されているか、魚に押し潰されているか
今晩はどうも魚料理は出すなという意味に捉え、メニューを考える。
好き嫌いの多い子供の彼女に合わせたメニューはどうもレストランのキッズメニューになる時がある
「けーき……おっきなやつがいい」
「アダム、イヴァンは何を見てるんだ」
《今頃ケーキバイキングでもいってるんだろう…この間プロシュートが連れていっていたからなぁ、それよりも主人を起こさなくてもいいのか》
ちらりと現れたきっちりとした服を着た骸骨男の言葉に(またあいつは甘やかして…)と内心毒付いたが、幸せそうに笑って夢でケーキを貪るイヴァンを思えば強くは言えなくなる
それでも尚、指から離れない手は力を小さく込められる。
時刻は予定よりも五時間オーバーで彼女の只今の睡眠時間は9時間を切った
最低でもあと1時間は確実に寝るのは見えている、釣られるように眠気がやってきて、そっと##の顔を見て手を外される
大きく、クリーム色のブランケットを持ってきてそっとソファーに起こさぬようにはいる
頭を腕においてやり小さな体を抱きしめて瞳を閉じればゆっくりと暗い夢の世界に落ちていく
「ふぁぁ……ぁっ、リゾットだ」
「…………」
《ご主人が起きられるのをお待ちでございましたが寝たようでございます、朝まで起きないでしょう》
「そっか…わたしも…もー、一眠り・・・」
起きたかと思えばまた眠りにつく彼女に小さく笑う
身じろぎしてリゾットの体に密着しては幸せそうに微笑む彼女の顔を見て、そっと部屋の明かりが消えた
部屋を照らすのは外のオレンジの明かりのみ
少しだけ外の雨の音が止んだ気がした
そんな夜の日
「イヴァン起きたのか」
「ボンジョルノ…リゾット……」
「また寝る気か」
「大丈夫だよ、ボスには休暇って連絡した…今日は1日リゾットと…ねる……の」
「………はぁ、プロシュートすまないが任せたぞ」
「おいおいリーダー、あんまり甘やかしすぎたら砂糖みたい溶けるぞ……って、あんたが溶けてたか」
《羨ましいのねプロシュート…あんたイヴァンとお昼寝できないからって》
「当たり前だ…ったく」
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