パウリー



ワイワイガヤガヤとこれでもかと言わんばかりに騒いだ、ここ2.3ヶ月の大きな仕事を終えたガレーラの職人達はその熱と共に宴をした
ここ数ヶ月はろくな休みも無く、家に帰る日も少ない程だった、とはいえ時刻は日付を跨いだばかりで主催をしていたアイスバーグの一声でゆっくりとみんなが重たい腰をあげて店を出ていく
ナマエも例外ではなく酒に酔った熱い体を夜風で冷ましながら帰るかと思い席を立った時だった、隣に座っていた恋人のパウリーと目が合い彼はいう

「家こねぇのか、明日は休みだろ」

それはみんなそうだ、明日はガレーラカンパニー全体の休日になっているのは周知のことであり彼の誘いが何を意味するのか分からないほど子供では無い
二つ返事に答えを出して2人は夜のウォーターセブンを歩いた、互いに宴の席と変わらない会話をして行きなれた彼のアパートの階段をあがり、ドアを開けて2人して玄関に入った途端だった

「ぱ…うりー、性急過ぎない?ハレンチだよ」
「っせぇな、嫌か?」
「嫌じゃないけど玄関だから」

噛み付くように唇を奪った彼の胸を優しく押せば熱に浮いた彼の瞳がまるで餌を待つ犬のようにじっとりと絡められる、低いパンプスを脱いで彼の手を引いて狭くて少し汚い男臭いワンルームにあがる
もういいだろうと言いたげに彼に腰を抱かれて唇をもう一度噛みつかれ、互いに熱が籠っていたことに内心嬉しくなりながら彼の髪を撫でる、少し手に付く彼のワックスが心地よく次はこちらからと優しく口付ける

「なぁ…ヤリてぇ」
「溜まってた?」
「バッキャロー健全な成人男子が数カ月好きな女抱けねぇんだぞ、溜まるに決まってる」
「えっち」
「なぁ!?反対にお前はいやか」
「嫌ならここまで来ないでしょ、それともここまできて"待て"が出来る男だった?」

意地悪にそう笑う恋人にパウリーは「そこまでいい子じゃあねぇな」と返事をしてナマエにまたキスをした
キスのひとつも手を繋ぐことも全てなかったこの数ヶ月間はまるで地獄だった、ナマエの好きなウイスキーの味とパウリーのよく飲んでいた苺リキュールの味が混ざり合い
パウリーの少し厚い舌がナマエの歯列をなぞり、彼女の舌を甘く噛みながらベッドに座らせたナマエの服にゆっくりと手を伸ばした、手馴れたようにボタンを外しファスナーを下ろしベッドから床に音を立てて捨てられナマエはパウリーのゴーグルを外して床に捨てた

「パウリー、電気…消して」

キスをしながらそういった彼女の言葉に断りたい気持ちがありながらも黙って電気のリモコンに手を伸ばして小さなライトに変えた、とはいえ締めていない窓から入る月明かりが明るくて彼女の肌をいつもよりもみせるものだから溜まった唾を飲み込んだ
そんなパウリーとは反対にナマエは少し目を丸くして彼に問いかける

「ねぇそういえばさ勃つの?」
「いや勃つだろ」
「お酒入ったら難しい人って多いじゃん」
「…俺を他の男と比べるたァいい度胸だなナマエ」
「違うってばっぁ…、しんぱっ、いしてあげたんでしょ」
「生憎お前相手ならいくらでも出来る」

背中に腕を回してブラジャーのホックを外して乱雑に床に投げ捨てれば、高いやつだからちゃんと扱ってよと文句が聞こえて来たが聞こえぬ振りをした
ナマエの軽口を相手しながらゆっくりと寝かせて柔らかい乳房を包むように掴んで形を変える、大きくも小さくもない平均的なそれに久方振りに触れるだけでパウリーは自身の熱が服の下で大きくなるのを感じる

「っあ…ほんと、好きだね」

子供を相手するかのようなナマエの柔らかいものいいに顔をあげれば酒か欲かに浮かされてとろりとした瞳が混じり合う、返事をするようにナマエの胸に赤子のように噛み付いて口の中で転がしていく
頭上で聞こえる小さな喘ぎ声と触れられる髪の毛の感触が心地よく、空いている右手で腹を撫でゆっくりと茂みに手を伸ばせば濡れたそこはくちゅと音を立てた

「期待してたのか」
「そりゃ…っぁ♡」
「加減出来なくてもしらねェぞ」
「んっ、いいよ」

愛液を指に絡めて辺りを満遍なく濡らす、数ヶ月の欲が自分たちを素直にさせるのかナマエは嫌とも言わずに足を薄く開いて受け入れる
痛くないように優しくしなければならないと肝に免じてゆっくりと撫でていた指を1本腟内に沈めればなんて事ない普段と変わらない程すんなりと入るものだから2本3本と指を沈めて指を折るように動かしてやる

「あっ♡んぅ…ふ♡ぁ。そこ♡すき」
「おう、イキたきゃいくらでもイケよ」
「う、んっぁ」

自然と抵抗する足がパウリーの腕を柔らかく挟む、普段パンツに隠れて見えない白い太腿がえらくエロくみえて乳房を弄んでいた彼の唇が太ももに寄せられてじゅっと音を立てて赤い痕を残していく
ナマエはそれをみながら少し自分の手で乱れた髪のパウリーが酷く妖艶にみえて胸が高鳴り溜まった唾を飲み込む

「めずらし、ぃね」
「綺麗だったからな、悪ぃ」
「ッッい、ぃけど♡アっ、うぅ♡」

気分を良くした彼の指がイイ場所を何度もノックするその度にナマエの肩が揺れて泣きそうな目をする
酒と葉巻と香水の匂いが互いに混じりあって頭の中がクラクラしそうだった、酒に酔っていたことも1.2時間前までは仲間たちと飲んでいたことも忘れそうな程に2人のセックスは心を満たした

「パウリー、いきそ♡っぅあ、や」
「見ててやるよ」
「ッッ♡すきっ、ぱうり♡いっちゃうから♡〜〜〜〜ッ♡」

自身の指をぎゅうっと締め付けるナマエの腟内の感覚とどろりと溢れた彼女の本気汁にゴクリと唾を飲んでぐったりとしたナマエの様子も気にせずに唇を重ねる
興奮したように獣のように荒々しいキスも心地よくナマエはなんとか腕に力を入れてパウリーの背中に腕を回した

「ねぇパウリーもうほしい」

互いの唇が離れて銀の糸が二人の間を紡ぎながらナマエは甘ったるい砂糖のような声でそういった、ムクムクと膨らんだ自身の欲にパウリーは返事もせずに自身のジャケットやシャツを床に投げ捨てる
ナマエの上に跨りながらベルトのバックルを外して下ろしていくのをナマエは熱心に見つめながら呟いた

「ハレンチだ」
「だ、誰がだ…ったく、ハレンチなことしてるのはお互い様だろ」
「それもそっか、でもなんて言うかさ普段ハレンチっていうパウリーがこういうことしてるのって、凄く破廉恥というかエッチな気持ちになるかも」
「…ンな!」

まるで肉食獣のような瞳でそういったナマエが動きを止めた彼の代わりにズボンも下着も少し汗臭い靴下も全部捨てていった
眼下にある彼の漢は今にも戦闘態勢と言わんばかりに先端から先走りの液を垂らしており、それをみたあと彼の顔を見ればあまり見つめるなと言わんばかりにキスをされる、これはゴムをつける時の合図だとしっているナマエは受け入れながら彼の背中に手を回して綺麗なブロンドを撫でた

「そのうち口がくっついちゃいそうだね」
「…イヤだったか?」
「ううん、すごく好き」
「それより、いいか」

もう我慢が出来ないと言わんばかりの熱の篭った彼の瞳に声を出すことなく、彼の頭を軽く撫でればそれを合図かのようにナマエの腟内に自身の欲を沈め込んだ
下腹部に広がる熱と圧迫感となんとも言えない心地良さ、普段ならば凄く動くはずなのに止まってしまい思わず瞑っていた目を開ければパウリーは小さく微笑んでいた

「やっぱりお前がいいな」
「ッ…誰か抱いてたの?」
「馬鹿っちげぇよ」
「知ってるよ、私もパウリーがいい」

人間の三大欲求というのは厄介だった
仕事で疲れれば疲れる程に眠気と別の性欲がやってきてしまう、けれどその度に夜中に呼び出すわけにも逢いに行く訳にも、そういう行為のためだけにというのがパウリーに抵抗心を持たせた、となれば結局男1人利き手を相棒にするしかないのは頻度は高くなかろうと必然的であった
それ故にナマエを抱くことへの多幸感は激務に対しての大きな報酬とも似て取れた、ナマエの言葉に頬を緩めて互いの距離が0になるようにぴったりと体をくっつけ合い暫く静かに抱き合っていればその内「もういいだろ」と小さく言葉が聞こえてナマエは笑みが零れてしまう

「っん♡ぁあ、んっ♡」
「はぁっ、今晩は付き合えよッ」
「んぅ♡ぁ、うっ…ん♡」

ガツガツと奥まで激しく揺さぶられてナマエは必死に彼の背中に腕を回す、久方振りに味わう恋人の味を堪能するように何度も突いて噛み付いて味を確かめた
小さく揺れる乳房に舌を這わせて、きゃんきゃんと子犬のような甘い声を上げるナマエの声に心地良さを感じて持ち上げた足に口付けを落とす
甘ったるい苺リキュールの味も忘れて目の前の女の甘い香りに酔ってしまう、汗が涙かまた別のものかも分からないほど互いの体液が混ざりあいそれがまた2人の興奮材料に変換される

「っん、ふぅっ♡ひぅ、あっ♡」
「あーヤベぇ、そろそろ射精る」
「ハァっ、ぁ♡ぁたし、も♡♡」

普段より速いことは互いにわかっていたがまるでティーンのような気分だった、若く衰える気がしない
パウリーの背中に回された手がぎゅっと彼の背中に爪痕を付けても痛みもなく心地いいほどだった
ぎゅうっと締め上げられた腟内にパウリーはナマエと体を包むように強く抱き締めてゴム越しに射精した、暫く動きを止めて抱き締めるパウリーの頭をナマエは優しく撫でて問いかける

「明日は朝ご飯食べて、映画見に行ってそんでもってまた家帰ってきてって過ごそうね」
「…起きてたらな」

彼女の優しい提案に対して肯定出来ないような回答をしたパウリーは枕元に置いていた新しいゴムに手を伸ばした

「今日は寝かせそうにねぇからな」

そういって頬に口付ければ彼女も嬉しそうに笑った、月はまだ沈みそうになく2人を酔わす酒はとうに消えていた。

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