ピンクネイル


毎週火曜日の21時、お風呂を終えて寝巻きに着替えた彼等の為に足を運ぶ
ノックを3回すれば返事が聞こえてドアを開ける、お邪魔しますと声を掛けて靴を脱ぎ上がる、先輩に夜分遅く毎週すみませんと言いつつ部屋の真ん中に座る1年投手2人の間に座る、除光液とコットンを渡して拭いてもらい手を貸してもらう、整っていながら薄く少し長い爪の降谷くんと四角くゴツゴツしてながらも先は整えられた栄純くんの爪の違いに人間でも違うのだなと実感する
プッシャーで甘皮を奥にやって、はみ出た皮を切っていく不器用なのと面倒なのが相まってか最初は栄純くんにだけだったものは何故か降谷くんまでこの部屋に来てするようになった
マニキュアの刷毛を降谷くんの右手の爪に広げて塗れば独特の匂いが広がる

「あ」

ふと声が出て、やってしまったと少し困った顔をしたせいか栄純くんがどうした!と大声を出し、降谷くんがどしたの?と声を出したから、少しだけピンク色の爪を見つめた
野球用のマニキュアと間違えて持ってきてしまった自分の用のマニキュア、似ていたとはいえやってしまったと除光液を含んだコットンを降谷くんの爪に向ければサッと避けられる、僕はこれでいいからと言うから仕方なしにそれで塗るが終わった後に少しピンクの爪を見て満足そうだった、ピンクが好きなのかな?と思えば君の爪は?と言われて見せれば同じ色
ふと手を引かれて足の間に座らされて次はもう反対側と言われ出された手にマニキュアを塗る前に、栄純くんが怒ってムキーッと言うように叫んでいれば倉持先輩が怒鳴った後に2人に拳骨をした後私にもデコピンをした、あぁなんと理不尽な。

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