他殺の枕



ボタボタと床に赤いものが落ちた、生憎フローリングの上で数センチ先には真っ白なカーペットがあった
頭の中であ、やばいぞと思いながら上を向きながらティッシュを探し求めに歩く、何かにぶつかって思わず顔を正面に戻すものの目の前の男は慌てた様子もない

「大丈夫?」

「うん」

それもそうだろう鼻血なんて2日に1回あるようなイベントで小さな頃から鼻の血管が弱いのか何をしなくても突然鼻血が出ることはよくある事だった
そのお陰で貧血であり、生理と被った日には家から出たく無くなるほど

「ねぇ観音坂、しないよ?」

「は?俺休みなのに」

「いや鼻血出てるし」

鼻にティッシュ詰める彼女に興奮するってこの男頭おかしいな?なんて思いながらもう血がひたひたになったティッシュを詰め替えていた、そんなことも気にせずに腰に自分の息子を押し付けてくる男に血管が更に切れそうだった

「興奮したから」

「いや私興奮しないし、それで結構前どうなったよ」

好奇心に負けて1度鼻血を止める前にヤッてしまったその日一日鼻血が止まらないどころか鼻の血が塊になって口から吐き出されて枕はまるで他殺現場になった
観音坂が血に興奮を覚えるのは知っている、特に鼻血を流してる自分を始めてみた時に勃起したそれをしゃがんで隠したのは失礼だが可愛かった

「掃除するから、俺を癒してくれ」

「血で癒したくはないっていうか手が早いね、ほらもう服に血が落ちたじゃん」

「あーはいはい、新しいの買ってやるから」

「もういいよ、全部安月給の独歩から欲しいもの買ってやる」

明日も仕事なのにまた貧血で遅刻ギリギリなのか、なんて考えながら血まみれになってしまった床に落ちた自分の安いTシャツを最後にその日また枕を汚した

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