SS集2



「ちったぁ化粧のひとつでもしたらどうだ」
キンキンと船長の声が響いた、別にこの船にはアルビダ様がいるのだからいいじゃないかと思ったが言われたのなら仕方ないと座ったことのなかった高そうなドレッサーの前に座って数分後
やってきた船長の悲鳴があがった
「お前化粧ひとつも出来ねぇのか」
「だって教えてくれる人がいないんだもの」
何年後の船に乗ってると思ってるんだと睨みつければ彼は珍しく真面目な顔をした
「俺がいるじゃねぇか」
なんともまぁ素敵な殺し文句を言ってくれたもんだと思って口紅を塗ってもらった

(バギー)
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サボくんは成績優秀で礼儀正しく先生からも評判がよく女の子からももちろん人気抜群
仲のいいエースくんとは真反対な見た目と行動にこの学校じゃアイドルのような扱いだが、特にサボくんはお家柄もいいからほとんどディズニープリンス状態だった

「そろそろ帰らなきゃ明日も学校でしょ?」

だから彼は時々爆発をする
家に来たかと思いきや抱き抱えられベッドで抱き枕代わりにされることはや4時間、徒歩で来れる距離とはいえ流石に学校だったり家の人だったりとあると思い伝えたが、胸あたりに顔を埋めていたサボくんは顔を上げて眉を下げて少し掠れた声で言う

「もう少し甘えちゃダメか」

これをNOといえるやつはいないと思いたい

(サボ)
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せっかく伸ばしていた爪が折れた、おまけにネイルもボロボロだ
近頃戦闘が多すぎて塗り直しても直ぐにダメになるとため息を零し塗り直していれば外の空気を吸いに来たキャプテンが現れてネイル道具をそのままに抱えられ船長室に入れられた

「次から俺にいえ、してやるから」

爪は赤く美しく彩られた、まるでキッドのモノだというように

(キッド)
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ルフィは距離感が近く、スキンシップも多い、おまけに顔も整ってるのだから女の子からもそれなりに人気がある
肩を抱かれて一緒に笑う時なんていつも心臓がバクバクするのだ
だからあまりにも距離感が近くて勘違いしそうな自分に言うようにルフィに注意した

「こういうのやめた方がいいよ、勘違いとかされるかもだし」

そう言うと彼は大きな目を丸くさせて?マークを浮かべた

「ナマエだけにしかしねぇよ」

真面目な顔で彼はいったあと柔らかい唇が重ねられた、こりゃあ完敗ですとばかりに手元にあるお酒を飲み干した

(ルフィ)
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上司のサカズキさんはとてつもなく良い人だ
大将であり、時々正義が行き過ぎてるやら、怖いやら周りは言うが良い人だ

「ナマエ、これもろぅたからやる」

「栗羊羹じゃないですか、じゃあ今日のお茶請けはこれにしますね」

「…おぉ、楽しみにしちょる」

そういった彼は帽子のつばで少しだけ顔を隠すが毎回緩んだ口元を隠せずにいる、優しくてかっこよくて本当素敵な人だな。と思いながら熱いお茶をいれた

(サカズキ)
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第7資料室に用事があり足を走らせた、如何せん海軍本部は大きすぎるせいで小柄な人間にとって一日中資料ひとつを取りに行く日になってしまうのでは?となるほどだ

「おやぁ、ナマエちゃんどこいくのぉ」

「ボルサリーノさんこんにちは、第7資料室までです」

「ふぅん…乗ってくかい?」

そういって腕を広げてくれる上司である彼に手馴れたように腕を広げれば片手で簡単に抱き上げられる、話もしやすく移動も早いなぁと思って楽しんでいれば前からサカズキさんがやってきて私達はこっぴどく怒られた
甘やかすなと言われたボルサリーノさんは口ではヘェヘェと言ってるがこりゃやめることはないなとウインクをされながら思うのだった

(ボルサリーノ)
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今日も今日とてナマエの声が響く、仕事嫌いのサボり癖の上司を持つと大変だと思うがナマエは特に気にしなかった
結局胸元の子電伝虫に向かって「あと20分で帰ってこれたら私特製クッキーあげます」といい執務室に戻れば、まるで最初から居ましたと言わんばかりに座っていた

「それでクッキーは?」

「はいどーぞ」

まるで動物園の餌やり体験の気分で彼の口の中にポケットに入れていたクッキーを放り込んでいけば満足そうな顔をする

「さーて昼寝でもするかぁ」

「いや仕事してくださいよ」

(クザン)
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ウタを抱くナマエをみていると胸がこう…ぐぅっと熱くなる
それは何かいい女がいるとか、宝を見つけたとか、そういうものでは無いものだった
ウタはみんなにとっての娘だが、ナマエは俺の女だ、そんな女が"娘"を抱いている

「ねぇみてシャンクス、ほら笑ったウタはシャンクスが大好きなんだね」

そういって笑う2人を抱き締めた、もしこの世に本当の宝があるとするならばこういうものを言うんだろうな。と今更ながら思って腕の中のふたつの温もりに頬を弛めて微笑んだ

(シャンクス)
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ドタドタと大きな足音を立てて船長室が開けられる
こんな早朝から敵か?と慌てて立ち上がれば息を切らしたナマエがウタを抱っこして泣きそうな顔でいった

「ウ、ウタが私の事ママって!!」

あまりにも嬉しそうに言うものだから思わず顔が綻んで早朝から大声で野郎共に告げる宴の時間だぞと、おめでとう俺の妻、おめでとう俺たちの母、たった一言で俺たちを動かす愛しい娘にありがとう。

(シャンクス)
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キラーの髪の毛はいつもふわふわで柔らかくて気持ちよくてお日様と石鹸のいい匂いだ、この船の男の中で一番身だしなみに気を使って清潔感があるからついつい髪の毛に触れてしまう

「これはナマエの仕業か」

「…は、はぁいそうです」

目の前に三つ編みで仁王立ちするキラーが怒ってるのか不機嫌なのか何かわからない表情(マスクしてるから分からない)で立っていた
怒られる前に謝るべしと謝れば彼は少しため息をついたあと罰だと言ってヘアアイロンとブラシとオイルとワックスを持ってきて髪の毛をいじった
楽しそうに鼻歌まで歌って今から何をされるのやら。

(キラー)
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え、ナマエのどこをみて好きになったって?
あー…くそぉ絶対ェ言うなよ、あいつと初めて話した時にあいつが俺の顔じっと見つめたあとに「ソバカス、私とおそろいだね」ってわらったんだよ
あぁその顔に1発KOってわけ、すげぇ可愛かったんだよクソッだから笑うなよ、これだから言いたくなかったんだ……ってナマエいつの間に聞いてたんだよ!まっ待ってくれ!

(エース)
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「ねぇいいでしょ」と彼女は妖しく笑った
トラファルガー・ローは最悪の世代の一人である女海賊だ
「ダメだ」と男はきっぱり断るが女は負けじと「いいじゃない」と言い返す、もうその言い争いは1時間か2時間か続いてる

「だから、いいでしょってば!」

「そっそんな胸が丸見えの格好で許可出来るわけないだろ!お腹も冷えるぞ!医者ならちゃんとしなさい!!」

結局数時間に及ぶ戦いの末出てきた船長はこれでもかと言うほど服を着せられて出てきた事にクルーは(いつも負けるんだからやめたらいいのに)と思いつつも満足そうな彼女の顔に今日も何も言えなかった

(ロー♀︎)
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