撫でる



「そういうのやめてください」

そういいながら彼女は僕の手を払った、頼んでいた仕事以上をこなす彼女の頭を撫でるのはいつの間にか習慣になっていて、猫を撫でるみたいなものだった
嗚呼言いたいことはわかる、その赤くなった耳やら首やら全部言いたいことが嫌という程わかる

「嫌だよ」

だからセクハラやパワハラと言われたとしてと君の頭を撫でるのは辞めない
そんな悲しそうな顔をして俯いても嬉しいのを隠せないせいで噛む下唇とか全てが愛おしいから
そしていつか僕が本当に君を手放せないと思った時に君をつなぎ止める為に最低な告白をしよう。

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