1.プロデュース科
「よろしくお願いいたします!」
ゆっくりと礼をして、顔を上げる。
みんな一斉に大きく手を打ってくれて、ほっと息をついた。
「じゃあ、そこの空いている席に」
担任の先生に言われ、窓際の席に腰を下ろす。
先生は私が座ったのを見届けると、滞りなく今日の連絡事項を話し出した。
チャイムが鳴ると、ホームルームも終わり、自由時間になった。
とはいえ、やはり周りが男子ばかりなので、なんとなく話しかけにくい。
暇ができてしまい、次の授業の教科書類の角を揃えてみたり、筆箱の中を点検してみたりしたのだが、勿論不備があるはずもなく、すぐに暇がやってくる。
プロデューサーって、何をすればいいのだろうか。
私はプロデューサーとしてこの教室にいるはずなのだが、全くそういうことには疎くて、未だになんでここにいるのかがわからない。
ただ、生徒会長が直々に家に来て、プロデュース科に転入してほしいって言うものだからそのまま流れで......。
そうだ、会長に呼ばれているのだった!
私は勢いよく立ち上がり、慌てて教室を出た。
生徒会室の場所は事前に教えてもらっていたし、ここから近いので、まあ問題はない。
「失礼します」