エルヴィンと同期夢主。
エルヴィンは団長になったばかりくらい
団長になってから、エルヴィンは変わった。
団長にもなれば訓練や書類整理も去ることながら資金集めや壁外調査の計画、作戦の立案、会議だなんだと王都まで出向いたり本当に休む暇などない。
顔はいつも険しい
もともとなにか可笑しいことがあろうとも大声で笑い転げるようなタイプではないが
時々見せる、ぽつりと落とすような笑みが夢主は好きだった
昔からよくわからないところがあったが、付き合いが長くなるほどエルヴィンのことがわからなくなる
そしてエルヴィンが自分を避けているような気がしてならない
名前を呼べば笑顔で応えるような仲だったとは思うのだが、今では話していてもふいに目線がそれる
何故だろう
心当たりはないが
夢主悶々とする日々
*エルヴィン視点
やっと団長になった
これで夢の実現に一歩近づいたと思った
だが実際はそううまくいかない
思ったより好き勝手出来ないしやることは前より増えた
貴族らとの付き合いも面倒だ
資金援助してもらってる手前邪険にも出来ない
面倒だ
それでも夢のために…一歩ずつやるしかない
もともとそうではないが社交性も身につけ、テーブルマナーなんかも勉強した
資産家のパーティーに足を運んでは笑顔を張り付け言葉巧みに資金をもぎ取ることに専念した
団長になってからしていることは、壁外では役に立たないことばかり
巨人から離れていく
それがどうにも、うしろめたいような
夢主を目の前にすると何故か特に
調査兵団に入った同期はもう彼女以外みんな死んだ
彼女が知っている、見てきた自分はいまのそれとは違いすぎて、何やってるんだと言われそうで
夢を叶えたい
その一心で今までやって来て、本意でないことだって何でもやってきた
必要なことなのだ
それでも夢主のめを真っ直ぐ見られない