森先生に呼ばれて拠点の中にある医務室へ向かった。
「手伝って欲しい事がある」
「なんです?」
「この子の手当てと、そうだねえ、お世話だ」
診察台に寝かされていたのは、何時だか見た包帯の子。点滴を射されて、石膏帯で左腕を固定されていた。
「お話相手?」
「違うよ。まあ、お話相手も含まれるだろうけど。此の太宰くんの、云うなれば秘書かなあ」
ずっと私たちに背を向けてる彼の顔を見ようと、前に回り込んだ。虚空を見詰めていた。私なんて存在しないような。
「太宰くん」
無視。目の前で手をひらひらさせても駄目。頬をつついても駄目。暫く眼を見詰めていた。其れから頭を撫でてみた。
「なあに?」
「起きてた」
「誰も寝てなんていないよ」
「じゃあ何してたの?」
「新しい自殺方法を考えてた」
「森先生、この子、可愛い」
「へ?」
森先生が間抜けな声を出した。私は診察台に座って膝枕。直ぐに頭を乗せてきた。
「猫みたい」
「太宰くん、私は先にあの子の様子を見てくるよ」
森先生は首領の仕事に向かった。診察室に私たち二人。
「君が僕の世話役と言うことは、僕の好きなように使って良いってことか」
「多分そう」
「なら決めた。好きなように使う」
私の顔を見てにやりと笑った。