金剛石

「紅葉さんどう思う?」
「鴎外殿が思うようにすれば佳いではないか」
二人の女児を預けている私の部下、尾崎紅葉。
「今、逸材が仮加入しているのは知っているね?」
「あの童共か」
「あの子達と君の姉妹、相性佳いと思うんだよなあ」
彼女はふむ、と考え込んだ。
「寡黙と活発を組み合わせるか、寡黙と寡黙か。どちらでも鴎外殿の思うように成ると思うが?」
「太宰くんは頭脳だ。そして彼は体術。となると……」
「彩は前線よりも後方の方が佳かろう。あの子は血だの暴力は合わぬ」
「だよねえ。じゃあ太宰くんかなあ。うーんいや、そうしたら太宰くんが単品で仕事をするときにサポートする子が居なくなるねえ」
「卯羅は卯羅で、一度沸点を超えると手が付けられぬ事がある」
「おまけにあの異能力だからね」
卯羅ちゃんの異能は『触れた物を致死には至らないが重症化させる』もの。例えば、彼女が異能力を使って相手の大腿に触れ、握り潰す動作をする。そうすれば其処は粉砕骨折する。或いは、胸ぐらを掴みでもすれば、虚血、血栓、心不全、何れでも可能だ。大分物騒だが、なかなか使い勝手が佳い。ただ欠点は、『彼女が持つ知識の範囲内でしか症例を出せない』ということ。だからこそ、親元から引き取り、私の診療所に“入院”させた。
「うーんだとすると、彼と彩ちゃん、太宰くんと卯羅ちゃん?」
「そうなるのう」
「太宰くんと卯羅ちゃんを組ませるメリットは判るよ?彩ちゃんは?」
「あやつの危機察知力は目を見張る。私も其れに助けられてのう」
「あれもあの子の本能に寄与する部分があるからなあ」
「ならば本能で動く同士、丁度佳いではないか」
以前、試験的に彩ちゃんと卯羅ちゃんを組ませて仕事をさせた。目附で同行させた広津さんからの報告は、私の予想通りだった。そして異能を持つ妹には、異能力は最終手段だ、と教えた。まだ知識の層が薄いため、十分に効果を発揮できない。彩ちゃんも本能であれば、研げるものがある。
「金剛石は金剛石でないと磨けない」
金剛石が4つ。上々だ。

前の話目次次の話