プロローグ




  親愛なるダンブルドア様


  いかがお過ごしですか?

  といっても、先生のことですからきっとお元気でお過ごしのことと思います。

  引っ越しの準備が整いましたので、ご報告しようと思いお手紙を書きました。早ければ明朝、ホグズミードに到着する予定です。

  先生の大好きなレモン・キャンディーをたくさん買っていくので、お楽しみに。


  愛を込めて

  G.V


  追伸 私の部屋に角砂糖の入ったシュガーポットを10個ほど用意していただけると大変助かります。20個は頑張って詰めたのですが、残りがどうしても鞄には入らなかったので。


  手紙を書き終えると、ジゼルは羽根ペンを置いた。丁寧に折りたたんで、薔薇の封蝋を施す。

  「ニケ」

  軽やかな声がその名を紡ぐと、一羽の白いフクロウが飛んできて彼女の腕にとまった。

  ジゼルは封筒を嘴に挟むと、窓を開けた。短いアッシュグレーの髪がふわりと風に舞い上がる。

  「これを、ホグワーツに。よろしくね、ニケ」

  ジゼルがニケの頭を優しく撫でると、ニケは嬉しそうに翼をばたつかせて窓の外に飛び出した。そしてあっという間に広大な森の向こうへと消えてしまった。

  「…やっと、会えるのね」

  ジェームズとリリーの息子、そして忘形見。あの小さな赤ん坊はどんな風に成長しているのだろう。


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