やっとの思いでキングス・クロス駅の9と3/4番線に辿り着いたハリーは、ホグワーツ魔法魔術学校行きの汽車に乗ることができた。
最後尾の車両近くに空いているコンパートメントを見つけ、窓際の席に座っていると、赤毛の少年が入ってきた。ハリーに9と3/4番線の場所を教えてくれたふっくらおばさん(ハリーが勝手につけたあだ名だ)の息子だった。
少年はロナルド・ウィーズリーと名乗った。
「僕はハリー、ハリー・ポッター」
ハリーが自己紹介をすると、ロン(彼の愛称らしい)は唾をごくりと飲み込んだ。
「じゃ、君、ほんとうにあるの・・・ほら・・・」
ロンはハリーの額を指さした。
ハリーは前髪を掻き上げて、額にある稲妻型の傷跡を見せた。ロンはそれをじーっと見てから、すっげぇ、と呟いた。"ハリー・ポッター"という存在は、自分が思っている以上にあまねく知れ渡っているのだと改めて思う。
それからしばらく互いのことを話していると、突然コンパートメントの戸が開いて、紺色のシャツワンピースを着た女性が姿を現した。
「そこ、空いてるかしら?」
女性はハリーの向かいに座っていたロンの隣を指さして言った。軽やかだが芯が通っていて、綺麗な声だった。
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