プロローグ
ある日、突然、地球上で数千人の人間が、特別な力に目覚めた。
ある者は炎を操り、ある者は水を操り、ある者は風を操った。
同時に、地球のすぐ近くに、小さな惑星が出現した。地球からも見えるその惑星は青く、第2の地球と呼ばれた。
しかしほどなくして、その惑星から、人間がやってきた。
真っ白な船に乗り、地球にやってきた人間たちは皆、特別な力を持った者たちだった。
そしてその力について、各国の首相に説明と提案が行われた。
それはすぐに、各国の全国ニュースにて報道された。
彼ら新人類による力についての説明は、こうだった。
炎は破壊の力。もっとも攻撃的で、暴力的な者が授かる。
水は癒しの力。もっとも慈愛に満ち、心優しい者が授かる。
風は放浪の力。もっとも世俗から離れ、利己的な者が授かる。
雷は知識の力。もっとも学ぶことに意欲的な者が授かる。
土は忍耐の力。もっとも我慢強く、逞しい者が授かる。
そして光と闇。これは以上の5つのうちどれかを授かった者の中で、さらに選ばれた者のみが授かる。
光は創造の力。もっとも正しく、平等な者が授かる。
闇は忘却の力。もっとも深く、世界を憎む者が授かる。
力を授かった者は地球上で少数であり、当時は虐げられ、怯えられ、人権問題にまで発展した。
法律が見直され、いじめやデモ、発展途上国においては内戦まで勃発し、地球上で一般人と能力者との共存は不可能だとみなされた。
そして能力者たちが選んだのは、第二の地球、シルシフへの移住だった。