リヒトと旅に出て1年が経った。

ソーマの足取りは掴めず、当てもなく旅をする日々。
リヒトには言葉を教えてもらい、短刀の扱い方を教えてもらい、そして火の熾し方や薬草の種類や売買など生きる術も教えてもらい…。

感謝してもしきれないほどお世話になって、今の私は不便なく会話ができるようになり、短刀の扱いもそこそこと評されるまでになった。

「わあ…!」

ファレナ女王国のはずれにある小さな港町に辿り着いた私は、その美しい街並みに感嘆の声をもらした。
白い石畳の街並みに鮮やかな花が飾られ、真っ青な海に縁取られた街。
こんなに美しい街があったなんて知らなかった。

「綺麗な街…!」
「そうだな〜」

リヒトは私を見てニコニコ嬉しそうに頷く。
ここへ来たのはソーマの手がかりを求めて、人探しの占いが得意だという紋章士がいるという噂を聞いたからだ。

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