ゲリラ豪雨


「わーゲリラ豪雨〜」
「灯、あっちの建物まで走れる?」
「ダイジョーブ!」

「はぁ……結構濡れたね〜」
「濡れたというよりびしょ濡れじゃん」
「ははは。せっかくのデートだったのにね」
「まぁ、天気には勝てないしね」
「あーこれからどうしよ……くしゅっ」
「このままだと灯が風邪引くね」
「ううう……」
「しょーがない。俺ン家来る?」
「えっ」
「こっからなら俺の家の方が近いでしょ」
「そーだけど……いいの?」
「いいよ。親いないし」
「えっ?!」



「お邪魔しまー……す」
「なに改まってんの。初めてじゃないんだから」
「いや、何度来ても緊張する」
「そんなんでお嫁に来たらどーすんの?」
「はっ……お嫁っ?!」
「ジョーダンは置いといて。ホラ」
「え?」
「はい、着替え。俺ので悪いけど。シャワー浴びてきたら?」
「ええええ!リョーマ先に入ってきなよ!」
「そこは彼女優先させてよ」
「う、うぅ……お借りします」


「はーサッパリした」
「はい、お茶。俺も浴びてくる」
「うん!ありがとー!至れり尽くせりだなぁ」
「こんなんでいいの?」
「こんなんでも嬉しいんですー」
「はいはい。先に部屋行ってて。リビングだと広くて冷えるから」
「はーい」
「それに目のやり場が困る」
「えっ?!」


「灯の服、今乾かしてるからね」
「え!あ、そーだ。ごめん、ありがと」
「いいって。どう?落ち着いた?」
「うん。風邪引かずにすんだ!」
「じゃー……なにする?」
「……え?」
「親がいない彼氏の部屋に来て、彼氏の服着て、何をしよっかって話」
「えええええええ」
「何考えてんの?顔真っ赤だよ」
「ななななななにも!考えてないッ!」
「ホント?……俺が当ててあげよっか」
「な、なに……」
「こーされたいって」
「ん……ッ!」
「ほら、やらしい顔してる」
「ばっ……!あ、ダメ……」
「灯、どんどんやらしい顔するようになったよね」
「ア、アンタが、させて……ぁ、ンッ!」
「いいじゃん。俺がさせたってスゴく興奮する」
「ばっ!バカ!アホ!マヌケ!」
「いてて。殴んないでよ」
「もうっ!あたしの心臓何個あっても足んないよっ!」
「俺は何個あっても灯をその気にさせるからいいよ」
「〜〜〜ッ!そーゆーことサラッと言うなっ!」
「なんで?しょーがないじゃん。灯が可愛い反応するから」
「も、か、可愛い、とか言わないで……恥ずかしいから……」
「だからそーゆーとこだって」
「あ、ちょっと……またキス……」
「して欲しいって顔に書いてある」
「も、う……」
「素直でいいね」



「灯、灯」
「はっ……あっ!ね、寝てた……!」
「大丈夫?疲れた?」
「え……?あっ!はははは、ははだはだかッ……」
「ふっ。何どもってんの」
「う、ぅぅ……もう、恥ずかしいぃ……」
「可愛かったよ?」
「そんな真顔で言うなっ!」
「なんでいーじゃん。可愛いもの可愛いって言って、何が悪いの?」
「もぅ〜……バカ……」
「今日、泊まってく?服、まだ乾かないし」
「なんかソレしか選択肢ないんじゃなかろーか」
「当たり。朝まで一緒だよ、灯」

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