やってきたお店はナチュラルテイスト
出てくる料理は本格的なイタリアンコース

「こういうお店初めてです!」

美和子ちゃんはキラキラした目で見ている
私がこの子をそんな関わりもないのに下の名前で呼ぶのは、助けられたことがあるから

きっとこの子は覚えてないと思うけど

「私もよ。ここにあいつらは似合わなさすぎるでしょ?
もちろん、それで追っ払ったんじゃないけどね」

美和子ちゃんは想像したのだろう
肩を震わせてる

「似合わないですね」

「高木くんはまだ似合いそうね
連れてきてあげなよ」

「えっ…」

私はウインクする
伊達の仲いい後輩だから前から知ってるし、少し話しは聞いた

「あの、小川さんってあの時、どうして松田くんを監禁したんですか?」

「萩原の事件の後からあいつは、めちゃくちゃで復讐心が伝わってきた
だから、必ず犯人を捕まえようと無茶をすると思ってた
それだけなら、傍にいるなり上司に掛け合うなりで済むだろうけど…」

松田の見た目はサングラスのイメージが強い
外せば、童顔なんだけど

「あいつの見た目や言動からすると想像つかないけど、ああ見えて正義感が強いのよね
躊躇いもなく自分を犠牲にしてでも市民を助ける奴よ
だからね、危ないと思ったんだよね
警察としては悪くないことだとは思う、市民が危険になるぐらいなら…ね」

「私は小川さんも危ないと思います」

私は瞬きをする

「松田くんを失わないように、自分を犠牲にしてますよね
あの時の小川さんの行動、問題視されていましたが私はカッコイイと思いました」

「え?カッコイイ?」

「工具を持って観覧車に1人で乗り込む行動力、次の爆発場所を特定する推理力、指揮力、そして仲間愛
所属が分からなくとも、活躍してるのだと感じられました。女性として活躍している姿に私は憧れています」

「ほんと、あなたは
私をいつも救ってくれるわね」

「え?」

あの時もそう。
警察としても見られず裏でしか仕事をしない公安は市民から感謝されることはない。
その上、私は手が汚れきっている

なのに、あなたは
手を包んでくれて、優しい言葉、そして感謝してくれたんだ

見たとき、わからなくてごめんね
あの時のあなたのおかげで今の私がいる。

ありがとう、佐藤美和子警部補