決勝リーグ

「そーそー、張り切ってくれよ。少しでもオレを楽しませられるようにさ。」

その声に私は大きく反応をし、声の先へと視線を動かす

「テメェ…青峰!」

やっと体育館に現れた青峰

「やっと来たか全く…早う準備して出てくれ!」

今吉主将の言葉に面倒くさそうに返事しながらジャージを投げ捨てる

私は拳を握りしめる
隣から視線をひしひしと感じながら、まだ青峰を追う

「さつき、ジャージ持ってろ。」

誠凛と桐皇同時のメンバーチェンジ火神と共に青峰がコートに入る。
誰もが見た目だけで実感する…“キセキの世代” エースと呼ばれた実力を。

「ったく…点差をつけるどころか10点ビハインド出くるなんて…これ以上の最悪のタイミングはないわ。」

誠凛に暗雲が立ち込める。

「よう…テツ、久しぶりだな。どんな顔するかと思えば…いーじゃんやる気満々ってツラだな。」

「はい、桃井さんと約束しましたから。」

「ははっ、言いたいことは大体わかるけどな…それはプレイで示すことだろ。…まぁどっちにしろ勝ってから言えよ。」

「はい。」

「できるもんならな。」

すれ違うかつての光と影。
かつての様に掛け合う言葉は何も無い。
私は目を逸らしてしまった。
拳をひろげ、顔のもとへと持っていき、自身の頬を叩く

「よしっ」

テツ君を、火神を。
誠凛を信じる。

私に出来ることをする。


第3Q開始

テツ君はベンチスタート。そして遅刻してきた青峰はインターバル10分間でアップを済ませて来た。

「黒子っちベンチっスね。」

「…やむえないのだよ。だが、黒子抜きでこの第3Qとても凌げるとは思えないのだよ。」

「そうっスね…でもあの火神の成長スピードから考えると何か起こりそうな予感もするっスけどね。」


スタート早々ボールを持ったのは青峰。

早々いいや、後半は間違いなく青峰中心になる。
“キセキの世代” エースにしてスーパースコアラー

誠凛が何も出来ずすぐにテツ君を出すことになれば間違いなく第4Qは絶望的。

「(気合…いい感じじゃねえーの。前公園でやった時とは違うってことか?けど…まぁ無駄だぜ!!)」

ドライブで火神を簡単に抜く青峰
ゴール下ではヘルプに土田先輩と水戸部先輩、ヘルプへの早さは充分。

しかし、それを見た瞬間、ドライブの速さを一気に殺し後ろへ下がりながらシュートを放つ

「フェイダウェイ!?」

やはり、動作1つ1つこスピードの桁が違う
その速さがヘルプに入った2人が遅く見えるほどに。

誠凛ボールに移った刹那、日向先輩からのロングパスで一気に駆け上がる火神

「速攻!?」

桐皇の誰もが虚を突かれたと思われたが…

「何やすやすと速攻とった気になってんだよ?」

青峰によりボールは弾かれる。

「くそっ!!(どんなに速く攻めてもコイツは振り切れない)」

もしも、これがチームプレイをしていて
彼が笑顔でバスケをしていて
私は味方敵関係なく試合を観戦する側ならば
これほど面白い試合はないのだろう。

ここからの誠凛の追い上げふくめ。

私の後ろに控える誠凛ベンチでは惜しいと悔しがる降旗や福田、河原
しかしテツ君は焦りを感じているよう

「やっぱ性に合わねーわ。生真面目なバスケは…」

青峰の豹変する雰囲気に誰もが警戒する。
火神も青峰のタイミングやリズムをつかみ始めていたが…

ドリブルで抜き去ろうとし、いきなりボールを手放しワンバウンドさせる。
咄嗟のことに火神も他のメンバーも対応しきれない。

その隙に火神のDFを振りほどき手放したボールをターンしながら取り抜き去られる。

この動きは…型にはまらないトリッキーな動き

「はじまった」
 
ストリートバスケの動き