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「もう着いちゃった…」

もう日も暮れかけている。
私の目の前には骨喰いの井戸。

「……行くのか。」
「うん、でも春になる前には帰ってくるからね!」
「おねえちゃん頑張ってね!」
「体を冷やさんよう気をつけろよ。妖怪に襲われるなよ、あと変な輩にもな!それと怪我もせんようにな。」
「うんうん。ありがとう、邪見。自分の体も大切にします!」

今から井戸を通ればあっちは夜。
ご飯を食べてお風呂に入ったら、さっそく休んでいた分の勉強。
これから戦争に突入する。
……たった一人で。

「…さくら。」
「……?何か言い残した事があった?」
「……もし、どうしようもなく辛い時は私の名を呼べ。その時は行こう。」
「…!…ありがとう、殺生丸…」

まさか…そんな事を言うだなんて思わなかった。

「…じゃあ、行ってくるね!みんな元気でね!」
「うん!またね、おねえちゃん!」
「達者での〜〜…!!!!!」



──────現代に戻ってきた。

「ただいま〜。」
「おかえり。お弁当は喜んでもらえた?」
「うん…とっても。」
「そう、頑張って作ったかいがあったわね。」
「うん、ほんと。」
「さぁ、頑張りましょ?そんな暗い顔してたら心配されちゃうわよ!」
「…!うん、そうだね……うん!これからだもん!頑張らなきゃ!」

荷物を母さんに預けて自分の部屋に行く。
そして机に貰ったお守りを飾る。
大丈夫、どんな時でも一緒!