3
「サクラさん、投降しましょう。」
「ふふ…そんな事をしても無駄さ。」
「その後はリアル鬼ごっこです……サクラさん、逃げましょう。」
「…で…でも……」
「さぁ…!…ぼ、僕が……守り…ます…から。」
「う、うん…」
「フフフ………面白いことをしてくれるね。」
投降をし、荘園の待機ロビーに戻ってくるとイソップ君に手を引かれる。
扉を開き、廊下を早足で歩くのを小走りで着いていく。
あれ…?そっちって………
「では…よろしく…お願い、します…」
「ジョゼフはんにまた苛められとるんかぁ。」
「ハンターとしてちゃんとゲームをこなして戴きたいですね。」
「美智子さん……いい匂いする…」
連れていかれたのはハンターの館。
イソップ君はリッパーさんに美智子さんと一緒に見守りをお願いしていた。
私は美智子さんに抱きしめられ、頭を撫でられていた。
この匂い…落ち着く……お日様の匂いだ…
「……つまらない事をしてくれるね。」
「ジョゼフ……」
人集りになっていた事もあり、近づいてきたジョゼフの顔は如何にも気に食わないと言いたげだった。
「ジョゼフはんがサクラを困らせるからやで。」
「私とサクラの仲は知れたものだろう?今度会ったら失血死させてやる…!」
「おぉ、それでこそハンターと言うものですよ。」
「ふんっ!」
ソファーに座ったジョゼフはいつもより不機嫌に組んだ足を揺らしながら、癖っ毛をクルクルと指で遊ばせる。
本当にただの鬼ごっこだと思っていたのに、保護者を付けられて相当気に食わないらしい。
何だか、可哀想に思ってしまう。
美智子さんの元を離れ、ジョゼフに近づいて頭を抱く。
少しは気が紛れるようにと頭を撫でる。
「ジョゼフ、あまり怒らないで…」
「…………」
閉じた目に眉間の皺を寄せながら、何か言いたげに唇を噛み締めている。
「……………いッッッ…!痛っ??!!!」
「ふんっ!」
いきなり首をガブリッと噛みつかれ、慌てて美智子さんの所に戻る。
触ると血が出ていた。本気で噛まれたみたいだ。
痛い、ヒリヒリする……涙が出てきた。
「あぁあぁ…可哀想に。若い娘の肌を傷つけるやなんて!」
「あぁ…怯えてしまって……可哀想に。」
「絆創膏でも貼っとこうなぁ。」
噛まれた所に絆創膏を貼ってもらい、自分の部屋に戻ることにした。
私だけの薬…
(まぁ良い、今はこのまま…)
(後でたっぷりといただくさ)
(私からは逃れられないのだから)