☆。+1+。☆

「サクラ、お疲れ様。」
「ありがとう、ジョゼフ…」

今日もあの二人だけスロー再生されているかの様に、ゆったりと抱きしめ合い離れないわ。
あぁ、こんばんわ。私はフィオナ…祭司よ。

「可愛いね…」
「じょ…ジョゼフ……ッ」

こんな大広間の人の多い場所でキスをするだなんて、ジョゼフは嫌な男ね。
断りきれないサクラも大変だわ。
暇があればあの二人…正確に言えばジョゼフはサクラと一緒にいる。
別段、他の男サバイバーと話していても嫉妬はしないみたいだから、そこは楽かもしれないわね。
それ程お互い心酔している事を理解しているということかしら。
私には少し目に余るわ。


「サクラ…」
「げ、ゲーム中だよ…」
「ふふふ…解読頑張って。」

優鬼っつうのは楽だから良いけどよ。
真横でんなもん見せんな、よそでやれ、よそで!

「チッ…」
「ご、ごめんね…ナワーブくん……」
「……なんだい?悔しいのか?」
「何かお前見てると土産をくれてやりたい気分になる。」
「ハハハ…そんなにも見なければ良いだろう?」
「う…ぅ……喧嘩しないで……」
「ここも終わるからあとはどっか離れてろよっ。」
「気が利くものだねぇ?」

さっさとおさらばしてやったが、結果が届いたのはかなり後だった。
一体何をしていたらこんなに遅れるんだ…?


「ジョゼフはん、どないやろかぁ。」
「ふぅん……やはり先程の白と…」
(服選びがこないに大変やとは、思わんかったわぁ…)
「こ、こんな綺麗な白色……私には…」
(でも、まぁサクラが楽しそうやから…)
「美智子もどうだい?サクラと見て回ると良い。」
「わ…私は……」
(こない高いとこでよう買わへんよ!)
「たまの労いさ、私が君にプレゼントしよう。」
「えぇっ…!私はえぇよ…!」
「美智子さんも新しい服買おうよ!ジョゼフの好意を受け取って?」
「えぇんどすか…?……ほな、今度はサクラに選んでほしいわぁ。」
「今度のお出かけの時みんなビックリすると思うよ!」
「せやなぁ…一緒に卸そうなぁ。」
「私も少し見てまわる事にするよ。」

そないしても……こんな値の張る物ばかりの店屋の品物を買えるジョゼフはんって…
よう考えてみたらいつも戦績はトップやったなぁ。
元々貴族やったんのも関係あるんやろか…?

「いつもこないな店に来るん?」
「え?ううん、たまに違う物でここに来るよ。」
「そ、そうやんね…」
「雑貨はここがいいからって、ジョゼフの部屋の物は全部ここの物みたい。」
「…恐ろしい男やな。」