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私、1年6組山田花子と3年6組白濱先輩との関係は不思議である。




白濱先輩、本名白濱亜嵐。GENERATIONSという今をときめくEXILEさんの弟分として活躍している。学校内にもファンは多く、女子生徒の9割は白濱先輩のことが好きと言っても過言ではない。白濱先輩に興味ない1割女子の一人の私は、入学当初からチャラチャラしていて女好きというまあひどい印象しかない。今もそれは変わらない。






そんな白濱先輩と私は交換日記をつけている。





いや、交換日記と言っても部活の活動日誌をそう呼んでいるだけであって別に恋人や友人同士でするそれのようではない。







そう、私と白濱先輩は同じ部活に所属している。







その経緯について語ると長くなるので端的に言えば、2人以上所属していないと部として認められないという校則があるのだが私が入部した文芸部はその時点で部員は1人。つまり廃部。文芸部は金曜日だけの活動ということで、ピアノのレッスンで忙しいが本を読むのが好きという私には最高の条件だったのに。

一年生は部活動強制入部とあり他の活動日数の少ない文化部を探すかと部室前に立ち尽くしていた矢先、部室のドアが開き学校一のチャラ男さんが言った。








「俺が入部してやるよ」







そんなこんなで白濱先輩は文芸部に入部した。いや、入部してくださった。ありがたい、私は毎週金曜日に本をゆっくり読む空間(部室)を手に入れられたのだ。




しかし白濱先輩はGENERATIONSの活動が忙しいようで部活には全く顔を出さない。いやまあ、特に活動をしているわけではないので来ても来なくても変わらないのだけれど。




それでも活動日誌を書いて学期終わりに顧問に提出しなくてはならない決まりがあるのでそれだけは書かないといけない。顧問の先生も名前だけの顧問なので読まないであろうに。まあ、とりあえず書かないわけにはいかないらしいのだ。白濱先輩は幽霊部員だし私1人で書くかと考えていたら、








「何で、俺も書くよ」







まさかだ。大した活動もしないくせに(くせにとは失礼かもしれない)と思ったけど、白濱先輩が書けば私の分担が減るしありがたい。




そんなこんなで私と白濱先輩と2人で活動日誌を書く。









私と白濱先輩は"活動日誌を書く"というだけの関係である。
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