2







毎週金曜日に文芸部の部室の鍵を開けて、1人椅子に座って本を読む。活動内容なんてそんなものだ。金曜日だけピアノのレッスンの時間が遅いから失礼ながらただの暇つぶしという感覚である。





入部して1ヶ月もはや本を読まずにマンガを読んだり音楽を聞いたり、まあ何でもありさ。1人だから。



そしていつも通り時間になれば部室の鍵を閉めてピアノのレッスンに向かう。前にそうだ、今週は白濱先輩の番だ。






"3617"と書かれたロッカーを開けて、日誌を突っ込む。


3年のクラスは入りにくいと考えてくれたのか、私が日誌を渡すときはロッカーに入れてくれと頼まれ鍵を渡された。この学校で白濱先輩のロッカーを開けられるのは本人と私だけらしい。この特権高く売れそう。




部活に来ない白濱先輩に会うチャンスはほぼゼロ。唯一会うとしたら、白濱先輩が私に日誌を渡しに来る時くらい。


日誌のやり取りさえできれば良いので、会う会わないはそこまで重要ではない。しかしまあなんだ、チャラくても顔が良いのは認めよう。


あの綺麗なお顔を独り占めできるのだ、会えて損はない。
会えた日にゃ月9俳優さんを見ても全くときめかないほど目の保養になる。ありがたい。



とまあ、白濱先輩のロッカーに日誌を入れたところでさあ帰りましょう。





- 2 -
*前次#
ページ:
ALICE+