15










「昨日出した課題集めて放課後までに準備室に持って来い、そうだな山田に頼むか。以上終わり」









げ、またかよ。
この人いつも私のこと指名するんだよなあ。真剣に授業受けてるのに…。









「花子ドンマイ、」


『めんどくさい、竹岡先生嫌い』


「はいはい、よろしくね」









授業が終わって私の目の前に積みあがっていくノートを見てため息しか出ない。
クラス全員分運ぶの大変ですよ、先生もう嫌い。





何十人分かのノートを腕に抱えて教室を出る。準備室遠いし…。
目の前もよく見えない中トボトボと歩く。



なんでいつも私なんだよ、もっと不真面目な生徒居ますよ?そんなに目に入りますかね…。
しかも、準備室は3年の階にあるし行きたくないんだよなあ。

3年の先輩方には私が白濱先輩と仲良くしてるのが知られているみたいであんまり良く思われてないし…。
3年の階に行く度に睨まれる。



なんて考えながら歩いていたら腕の中の重みがスッと減って、目の前がよく見える…?








「また雑用頼まれたの?」









隣を見れば会いたかった人、話したかった人









『白濱先輩…』


「なにその顔、そんなに驚いてどうしたの」


『いやだって…白濱先輩がいるから、』


「俺だっていつも学校休んでるわけじゃないです〜」







口をとがらせて怒ったふりをする姿がいつもの白濱先輩で安心する。








「ふふっ、まあいいや。これ何処に運ぶの」


『あっ、竹岡先生のところです…』


「竹岡ねえ…」








急に険しい顔になって、私の腕にも残っていたノートを取る。









『あの…私が運びますよ、』


「ダメ」


『でも…』


「竹岡とか花子ちゃんのこと狙ってるの見え見えじゃん」


『は…?』


「気づいてなかったの?ハア…。」









そっか、だから私にばっかり雑用を…。なんで白濱先輩がそれを知っているのかは謎だけど、忠告ありがたい。
今後気を付けなければ…。









「まあこれ運んでおくからさ」


『…ありがとうございます、助かります…』


「今度お礼にデートしてね」







そう言い残して、じゃあねと去っていく。










デート…めんどくさい、けどまた会える…。

いやなにドキドキしてるんだよ。あの人は誰にでもこういうこと言うから、期待するなバカ。






- 15 -
*前次#
ページ:
ALICE+