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「最近白濱先輩来ないね」


『うん…まあ忙しいんじゃない?』


「寂しそうな顔しちゃって」


『んなことないし、』







聡美の言う通り白濱先輩が教室に来ることがなくなった。というか日誌すら手元に来ない。







『活動放棄されてる…』


「言い方悪いな」


『まあ白濱先輩も忙しいんだろうけどさ、』


「でもあれじゃない?そろそろ3年生も引退だよね」


『え?』


「花子知らなかったっけ?うちの学校はほとんどの部活が7月で引退じゃん」


『7月…』









あれ、もしかしてもう一か月もない???
なのにここ何週間もずっと先輩が日誌を持ったままだし…。








『なんかムカつく』


「さっきまで忙しいから仕方ないとか言ってたじゃない」


『でも…最後の内容も冷たかったし、』


「飽きられたんじゃないかと」


『別にそういうわけじゃないです』










ほんとにそういうわけじゃなくて、ただ何となく…


寂しいかも。









『先輩日誌持ったままなのかな…』


「そうなんじゃない?」


『書いてくれてるのかな』


「書いてないから渡さないんじゃない?」


『だよね、』











あと一か月しかないのに…。



最後に会ったのはいつだっけ、もう会えないのかな…。










『会いたいなあ…』


「やっと素直になったね、LINEでもしてみれば」


『……連絡先知らない』


「日誌しか連絡手段がないわけね」


『うん…』


「直接教室に行けばって言いたいところだけど最近忙しくて学校自体来てないみたいね」


『詳しいね』


「そりゃもうこの学校の女子全員が知ってるわよ、花子を除いたね」


『…なるほど、』









特に話すことがあるわけじゃないけど会いたい。なんだこれまるで白濱先輩のことが好きみたいじゃないか。

最初は教室に来られるの恥ずかしかったしめんどくさかったけどさ、いざ来なくなると楽しみがなくなるというか…。








「認めちゃえばいいのに、」


『何を』


「わかってるくせに」


『知らないし…』












知らない知らない、白濱先輩なんてもう知らない。








この気持ちも、知らない。



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