七月の上旬。
これからより一層暑くなる準備を始めるために、自然が色濃く移ろってゆく
こうやって目に映るものはたくさんあるのに、紺青の瞳に季節の変化は映るのに。
君はもう僕の瞳に映らない、君はもう僕のことを映さない
日が落ちるのも遅くなってきて、夏を越え秋が来て冬服を装うようになれば、生徒会長としてのお役も御免になる。
そうすればこんな風に、部活に出れないほど生徒会の雑務に追われることもなくなる
季節ごとに行事が行われて、準備をしたり企画や手配をして
やっと帰れるとなったときにはもう辺りに生徒はいなくなる
目を焼くような夕焼けの射す、無人の廊下を歩いて思い出すのは、紺青を輝かせる彼女
僕が間違っていた
悠長に構えすぎていたんだ
力の強い僕ら妖怪と接触して彼女の力も誘発されるように強くなる
ーしかし強くなればなるほど欲しがるモノだって増えてくる
僕か青峰、黄瀬あたりが彼女を欲しがれば妖狐など潰される。
それがわかった上である一定期間を僕らと過ごさせ、ちょうど良い頃合いに記憶虫を使い僕たちから切り離した
あまり利口な手口とは言えないが。
まあ構わないさ
僕は離れた地に行くが、真太郎の予言では彼女はあいつらと同じ学校へ進学する
対抗する策なら数多ある
喰われた記憶自体はこちらの手の中にあるんだ
ー次に奴が頭角を見せるならば、おそらくそれは再び僕たちが相見える時
ぶわり
漏れ出てきた力を抑え、まだ明るさを残したの空と沈む陽を眺める
『夏がくるね』
ーああ、夏だね
初めて会ったときに彼女が発したその一言が、今でも蔓延っている
一緒に夏は、迎えられなかったね
僕と彼女の謎はまだ、解明されないまま
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