本当に俺でよかったのか?
それはたぶん俺じゃなくても、赤司以外が選ばれた時点で根深い疑問として与えられるであろうもの
かなり下を歩く柔らかい髪を眺めて、それでも突き放すことは出来ないと問答して、有耶無耶に己を誤魔化すために頭を撫でた
「わっ…もう、いきなりなぁに?青峰くん」
紺青が少し悔しそうに細められて、印付の紅が伸びて美しいと思った。
「……別に」
「あっねえ、春休み終わったら何か試合ないの?みんなでまたバスケするんだもんね、本当に嬉しいっ」
照れ臭い。
彼女はいつも素直だ。まあ、インターハイまで何かしら集まるんじゃねーのと言うととても嬉しそうにされる。
俺の血を選んだ理由を、彼女は俺の瞳を見て真っ直ぐに告げた。
───いつもそばにいてくれたじゃない
赤司とは、近すぎたのだと。
幼少の頃知らず知らずのうちに出会っていたことも含めて、もう己に縛られず生きて欲しいのだと
『なら青峰くんはいいのかって言ったら、またそれは違うんだけどね』
苦笑を残して、彼女の中の妖狐は剥がされ、俺は血分を彼女に行った
気を失った彼女に、少し深めに傷つけた手のひらを近づけてその口の中へ入れる
初めてした血分は不思議なもので、有坂の体内に狼の血が流れていくのがありありと感じられた。
いつ思い出しても、鳥肌が立つ
「青峰くん?」
「…いや、何でもねえよ」
手を引いて、この先一生見失うことのないヤワだけどあたたかい、彼女の手のひらをぎゅっと握った。
──彼女が選んだのは狼
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