ごめんね、青峰くんがいたから大丈夫だよ


その文字を打っては消し、再度同じ文章を作成し、送信ボタンを押せないでいた。
青峰に守られ、事なきを得た白雪。
赤司からメールがきていたが、彼は同じ学校にいる青峰によって白雪が助けられ、無事だということを見越してまでメールをしたのだろう

そして青峰に言われた赤司の方がよかったのか?という問いかけが白雪にその行為を幅らせる

彼女自身、未だに赤司を頼っていたということをあの一件により思い知った。
しかし赤司にあるのは恋心ではない

単純に、力を持て余していた頃に出会った人で、常に白雪に手を差し伸べてくれていたから、という気持ちが一番強い

悪く言えば利用するような形で信頼していたのだ。


どうしたものか、と悩む。
けれども今は青峰のあの悲痛な表情が彼女の心を苦しめる。
そしてついに送信ボタンを押した

悩んだ時間とは反対に押してしまえば簡単に飛んで行ってしまうメール。
赤司も携帯をいじっていたのか、『そうか。ならよかったよ』とすぐに返信がきた


ありがとう


紺青の瞳を閉じて、赤髪の彼へ思う。
これから先も赤司は何かある度すぐに白雪へ連絡し、彼女が助けを求めれば何も厭わずにすっ飛んでくるだろう

しかしもう、その生き方を選ばない

決意して開いた紺青は、キラキラと輝いていて、迷いはなかった。
力はもうない。
血は狼の血が多いが、人間のものと天狐のものも入った混血。
様々な色を持った妖怪たちのために在ると決めた。


でも恋人は、青峰大輝、その一人だけ


明日のおかずは何がいい?と訊ねたメールにすぐさま『唐揚げ』とだけ返ってきたそれに笑う。
明日もまたその次の日も、彼の隣にいれることの幸せを思って、彼女はその紺青を細めた



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