2016/07/17 Sun
あなたのことがいつまでもわからない




気付けば前のサイトでもう三年以上を過ごしていたので、久しぶりに新居へ移ってみた。

過去三年間の日記を読んでいると、あの頃は何も考えていなかったのだなとか、このあたりで何かに気付いたのかなとか、客観的に見つめられるから楽しい。

「アウトプットしなければ自分の血肉とならない」「他人の形式に寄せるふりをしながら自分を通すことのできるように」と、私の周囲の偉い人たちが口を揃えて言うのはきっと、私が表情やことばにあらわすことが少ないせいだろうと想像するけれど、あなた方の知らないこのネットの海で、あほほど呟いているから多分大丈夫なはずです。




会社の先輩のお子さんが無事に産まれて、まだ首の座らない赤子を抱かせてもらった。

幼い頃、根元から切り落としてラップに包んだ牛の舌を両手で掴んだことがあるが、それの感触によく似ていた。ずしりと重みがあって、柔らかな袋の中の臓器が重力に従って、今にもこぼれ落ちていきそうな感触。それなのに生臭くなくて、甘ったるい乳のにおいがする。こんな小さな頭に収まりきる容量の脳しかないのに、私の顔や周囲の光景を観察して動く瞳は、本当にきちんと何かを映しているんだろうかと勝手に心配になる。

子どもは欲しくないけれど、子どもは可愛いと思う。周りから庇護されるために、甘いにおいがして可愛らしい形状をしているんだろう。

私だってきっと同じような赤子だったはずなのに、どうして私の父親は「母親が自分に構ってくれない」なんて手前勝手な理由で離婚をしたのだろう。確かに手はかかるだろうけれど、小さくて柔らかなよくわからない物体は少なからず庇護欲をそそるはずなのに。

庇護欲をそそられると感じるのは私が女だからだろうか。次に生まれ変わるなら男になって、赤子に触れてみたい。今とは違う何かを感じられるかもしれないから。

あるいは、父親を理解する一番の近道は、まだこの世のどこかで生きているであろう父親に会い、その思考の理由を問いただすことなんだろう。あなたはどうしてそう思ったのか、あなたはどうしてそう行動したのか、その理由を私にもわかるように教えてくれ。


 


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