電話した日以来、メールをしても返ってこなくて私はそれだけで不安になった。付き合ってるのかよく分からない微妙な関係だから余計に…しかもかっこいいし...実は向こうに女がいるんじゃ?渦巻く黒い感情に負けた私、きっと吹雪さん私の事からかってるんだ…手に取ったカッターナイフでそっと線を引いてみた。細い線から溢れてくる血が指の先に垂れてフローリングに落ちた。



「足りない」



うっすらと残ってる昔つけた切り傷を抉るようにして線を引いていけば何故か、悲劇のヒロインのような気分に。私にとってリストカットは死にたくてしてるんじゃない。

私はそのまま目を閉じた。











起きてから気が付いたけどもう予定日を5日も過ぎてる。ご飯もろくに食べてないし、ストレスで遅れてんだろう...そう深く考えない事にしようって思いながらも…初めて恐ろしくなった。

”堕ろせばいいだろうが”

あの男の言葉が頭の中に響いてぐちゃぐちゃになった腕をもっと汚すためにカッターナイフを手に取った。



「どうせ 吹雪さんも今までの男と一緒なんだ」



カッターナイフを腕に突き入れようとした時、お母さんの平手打ちが飛んできた。



「やめなさい!!」

「アンタ私の事要らないって言ったじゃん」


「自分の娘にそんな事言うわけがないでしょ!」



ほらまた暴力。

いっぱい殴られて、蹴られて 意識が朦朧としてきたとき ピンポーンと鳴ったチャイム。玄関の方から聞こえた声は…吹雪さんの声だった。



「◎ちゃん いるかな?」



しっかりと聞こえたその声に、お母さんは顔を歪めて浴室に向かった 私は這いずるようにして玄関に向かい鍵を開けると...ドア先に笑ってる吹雪さんがいたが、ボロボロの姿の私を見てすぐ驚いた表情に。



「◎ちゃん…?どうしたの…」

「なんでもない」

「何でもなくないでしょう」

「吹雪さんのせい、この前だって今日だって」



何で連絡返してくれなかったの、今更なんなの。そう言えば「ごめんね」と 抱きしめて私を外に連れ出した。





20140115

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