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ふわふわと風に揺れてる私の髪の毛。

ツインテ可愛くできて本当によかったな、うさぎさんメイクの私はいつもよりもなんだか可愛いみたいで私のことを男の子達がチラチラと見てくる。

ピンク色のイヤホンをぐるぐるっと巻いて、水色とピンクのパステルカラーがとっても可愛い双子のストラップを揺らし職員室に入った。

「おはようございますっ、〇です!宜しくお願いしまーす!」元気よく挨拶してみれば 担任の先生がニコニコ笑いながら寄ってきた。ほらね?人生ってどれだけ愛想笑いが上手いかで変わる、私は沢山努力をしてる勝ち組だから ほらほら「元気なイイコが入ってきて 嬉しいです」って優しい言葉をかけてもらえる。


担任の先生に着いて行けば教室に着いた。可愛くできたメイクをガラス越しにチラッと確認して 口角を上げて扉を見つめた。


今日から 王子様を探すぞー!












...ここには王子様は居なかった。

ぴくぴくと耳を動かして周りの女の子の声を聞いたところ...違うクラスの風丸って子と豪炎寺君って子がカッコいいらしい...!

サッカー部の子達みたいだけど 私ってあんまりそういう土臭いの嫌いなんだぁ。テニスとかフェンシングみたいな スマートなスポーツやってる子がいいな...でもまぁスポーツ興味ないからなんでもいいんだけど。

退屈な授業をなんとなくこなす。

休み時間中人気者だった私は「前はどこにいたの?」「なんて呼べばいい?」「どんな男の子が好き?」って...全部女に声をかけられてしまった。

男の子達は私をチラチラ見るだけで寄ってきてくれない...この女達全員邪魔だなぁ。

だけど、下手に女に嫌われたら後々面倒臭いので えへへ と頭悪い感じに返しておいた。女友達は多いに越したことがないから、パステルカラーの筆箱から ハート型のメモ帳を出して私のIDを書いて「お友達になってください...!」と眉を垂らして渡す。


なんて不思議ちゃん装って首を傾げれば◎ちゃんかわいー!と馬鹿な女達の私を馬鹿にする声が聞こえた。











退屈な女の子とのお喋りも終わり放課後に、女子トイレに入って 私は薄いピンクのリップを下唇をぽってりさせるようにして厚く塗った。チークもとれてきてる、ぽんぽんとのせて 私は扉を開けたら...

目の前を通り過ぎるキラキラに私は目を奪われた。水色のポニーテール、学ランを着てるのにまるで女の子のように繊細な可愛らしい顔と男っぽさを合わせたような男の子が目の前にいた。

この人が 私の王子様...?


なんて 見つめていたら、こちらを向いてくれた水色の彼。「...どうかしたか?」なんて...!きゅんきゅんと 心臓が喜んでるみたい、可愛い顔をした彼が私の方を見ている。



「あ、あの...お名前は...?」

「俺は風丸一郎太、よろしく」


「〇◎です...あの、迷子になっちゃって...」



なんちゃって、嘘だけど。
風丸君は 転校生か! と優しく笑いかけてくれる、私は ぴょこんと横に立って校門まで案内してほしいと小首を傾げて頼んでみた。

私のツインテールと風丸君のポニーテールが一緒に揺れている。風丸君...ってそう言えばみんなが言ってたサッカー部の子か。「風丸君って、サッカー部の子?」と聞くと「え?なんで知ってるんだ?」と困惑気味に返された。



「みんながね、カッコいい子がサッカー部にいて...その子が風丸っていう名前だって教えてもらったから...!」

「そ、そうなのか...はは なんか照れるな」



眉を落として本当に照れ笑いする彼に、もう1度胸きゅんが爆発。「ねえ サッカー部の練習って見学できる...?」そう言えば 「ああ、サッカー部の頑張ってるとこ見てやってくれ」なんて。

サッカーには興味ないけど、風丸君以外にも素敵な子がいるかも...なんて心の中でニヤリと笑って私はうなずいた。










ポーンポーンとサッカーのボールが跳ねてる、なんだか汗臭い感じでやだなぁって思いながらも風丸君を見る。あー かっこいいー!こっちをたまにチラッと見てくれる風丸くんが本当にカッコよくて 彼の横顔を見つめた。

でも あの白髪の男の子もかっこいいなあ、薄い黄色のパイナップル味のガムを口にほりこみ私は彼等を物色していた。


そしたら...



「はじめまして、〇さん...よね?」



後ろから声が聞こえた。
清潔感のある 素朴な女の子は私を見て優しそうに笑う。



「は、はじめまして...」



少し怯えた表情を見せれば「あ、急にごめんね...!」とおどおどする女の子。



「私、木野 秋 サッカー部のマネージャーなの」

「サッカー部の...」



私の横にちょこんと座る木野さん。



「皆、頑張ってるでしょ」



頑張ってるとか頑張ってないとか正直どうでもいいけど 愛想笑いを浮かべてうなずいた。



「ねぇ、マネージャー 一緒にやらない?」



一緒に皆を支えましょう!なんてマリア様みたいに優しい顔をして私に少し近付いた、こういう女ほど腹の中で何思ってるか分からないから怖いんだよね。

でも、風丸君達に近付けるのには好都合だったから 私はマネージャーになる為に木野さんの手を握った。



「私、頑張ります!」



力仕事なんか絶対しないけど、心の中で呟けば彼女は心底嬉しいって顔をして「後でみんなに紹介させてね」と笑った。



20180310