ベイビー ベイビー

「ヒロト君は頭がいいのに なんでバカって言われるんだろうね?」



カチンとくるようなことを平気で言うコイツは俺の肩に自分の頭を軽く当てて 紙パックに入ったジュースを飲んでる、「ちけーよ」と肩に力を入れて押し戻すも また肩に頭を載せる◎。



「お前 眠いんじゃなかったのかよ」

「ヒロト君の肩細くて眠れないや」

「なんで俺の肩で寝ようとしてんだ...」



1時間前、偶然通ったコンビニの前で◎が眠たそうな顔して突っ立ってた。「眠たい、ヒロト君」なんて俺の服を掴んで上目遣いで俺を見る◎。1年から一緒のクラスの◎は俺の唯一のダチで、俺の事を否定しない。

天然なとこも まあ慣れれば可愛い奴、だと思う。



「お前ベッドで寝ろよ」

「んー、ヒロトくんも寝る?」


「バカじゃねぇのオマエ...」



ぽふんと 小さな音を立ててベッドに座る◎の無防備な唇が揺れた、ぼけーっと 天井を見て俺の方に視線を戻した◎。



「ヒロト君、そこよりベッドの方が楽じゃない?」

「お前 俺以外の男の家でもそんなこと言ってんのかよ」

「ほかの男の子?わたし 男の子の友達いないもん」

「......そうかよ」



ベッドに腰をかければ◎がまた俺の肩におでこをくっつけた、コイツ誘ってんのか?と思ったが...ド天然なコイツは素でコレだ。

空になったジュースのパックをポイとゴミ箱にいれて、俺の腕に自分の腕を絡めた。俺が男だってことは流石に天然のバカでも分かんだろ?



「オイ 離れろよ」

「なんで?」

「なんでって...俺は男だって分かってねえのかよ」

「うん、ヒロト君は男の子だね」


「俺が言ってんのはこういう事なんだよ」



軽く押せば ぼふっとマットレスに倒れ込む◎、手首を掴んでそのまま押さえ込むようにして 上に跨れば 不思議そうな顔して俺の顔を見る。

こんな事しても表情変わんねぇのかよ、こっちが恥ずかしくなるくらい目をぱちぱちとまばたきして「そうやって寝るの?」なんて...



「はぁ お前と居ると調子狂う」

「そう?私は楽しいよ」

「...俺様がお前を好きだって言っても、どうせ 分かんねーって顔するんだろ」


「好き?私も ヒロト君の事好きだよ」



俺は◎の上に跨ったまま、その言葉に固まった。表情一つ変えずに 少しだけ笑ってる唇から小さな笑い声が。



「ハァ...?お前それって どういう」

「好きって 好きだよ、私ずっと好き」



初めて見る表情にこの俺が緊張してるだと、パッと手首を離して体をどかした。ベッドがギシッと音を立て 俺がベッドからおりると、少しだけ◎の体が跳ねた。



「好きって言うのはなんだか照れるね」

「そうかよ、」



ガムに手を伸ばして口に含んだ、新作のガムは甘過ぎてどうしようもないこの部屋の中みたいで...俺は◎の顔を見れなかった。



「ヒロト君、ねないの?」

「何で俺と寝ること前提で話してんだよ」

「付き合ってるからだよ」

「お前付き合うとかそういうの知ってたんだな」

「分かるよ ドラマとか観てるもん」



ほら、来てよ
そう言って俺の腕を引っ張ってベッドに無理やり引きずり込む◎、せっかくセットした髪もぐちゃりと歪んでいく。だけど それすらムカつかねーくらいコイツが好きだ。

久々に自分の家のベッドに入れば、清潔な香りと◎のシャンプーの匂いがした。後ろから細い腕が俺を抱きしめる。



「お前、早く寝ろよ」

「うん...うん?なんで?」

「...俺の理性が働いてる内に寝ろ、この馬鹿」

「理性?」

「下に親がいるのに抱かれんの嫌だろ ほら嫌って言えよ、早く寝ろ」

「めちゃくちゃだねぇ 別に嫌じゃないよ」

「嫌って言えって言っただろ、お前 後10分以内に寝なかったら知らねーからな」



ぐるんと方向を変えて◎の方を向いて、潰れちまうほどに抱き締めた。ちっせー体が軋むと「いてて」と間抜けな声が聞こえて、俺は暖かさに目を閉じた。





20180509〔告白の日〕
⇒天然の夢主との距離を測りかねてるヒロトのほのぼのな一幕

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馬鹿息子と天然夢主 なんて可愛いシチュなの...と震えました!夢主が天然というかちょっとお馬鹿な感じになってしまって申し訳ないです。ヒロト君にとっての友人であり 唯一心を許せる女の子とのほのぼのとした告白を意識して書きました。

またお時間ある時感想聞かせて頂けると嬉しいです、今後も企画沢山やっていくので気になるものがあればまたご参加ください!それでは改めましてありがとうございます、今後も仲良くしてください!

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