俺だけに見せろよ
ムッカつくぜ なんだよ◎の顔、兄貴と染岡に挟まれて ニコニコと頬を緩めて笑うアイツの顔が腹たって仕方ねえ。
「兄貴に媚び売ったってオメーみてーなブス相手にされねぇぞ」
「アツヤ!!」
「ちっ 部室でいちゃついてんじゃねーよ」
「アツヤ君......そんなつもりじゃ、なかったんだけど...ごめんなさい」
「お前は悪くねーだろ」
染岡と兄貴が困ったように俺を見て謝れオーラを出してきやがった、俺は悪くねーよバッカじゃねぇの。ガンっと蹴飛ばした机から スポーツドリンクのペットボトルが落ちた。
「アツヤ あんまり女の子にそんなこと言っちゃダメだよ」
「うっせー」
はぁ、と呆れた兄貴の溜息。
「...ごめんなさい、私 今日は帰るよ」
「なっ、おい!......あーあ行っちまった、お前のせいだぞ」
早足で部室を出ていく◎の髪が寂しそうに揺れてドアがパタンと閉まった、染岡が俺の頭を拳でぐりぐりとしてきやがった。
「お前、好きなんだったら 少しくらい優しくしてやれよ」
「うるせー!俺はあんな女好きじゃねえよ!」
「あはは 小さい頃もアツヤは好きな女の子泣かせては嫌われてたよね」
「好きじゃねぇっての...」
「ふぅん じゃあ、僕が◎ちゃんにキスしても大丈夫ってことだよね」
は!?と自分でも驚く程にデカい声が出てばっと振り向けば、染岡と兄貴は意地悪く笑ってた。
「お前その顔...分かりやす過ぎだろ」
「僕の弟可愛いでしょ」
「...ぶっ殺す」
腹立つから二人にガミガミと文句を言いながら鞄を手に取りドアに手をかけた「今日は部活でねーからな!」と言えば、兄貴はニコニコと「告白頑張って」とひらひら手を振ってきやがった。
▽
「だから俺は アイツのこと好きじゃねえっての...」
自分に言い聞かせる様に寒い廊下で呟くと、女子トイレから 小さな嗚咽が聞こえて...。その声の主は自分の好きな女だって分かって トイレの前で足が止まった。
キィと小さい音を立てて古びたドアを少しだけ開ければ、鏡の前に◎が居た。両手の平で顔を隠すようにして肩を震わせて泣いてる◎は俺には気が付いていないらしい。
「オイ」
「あっ アツヤ君...!?」
両目から涙を流しながら、ビクッと俺の姿に怯える。そういう なよなよした感じが腹立つんだよと思いながら、ドアの隙間に自分の体を滑り込ました。
「ここ、女子トイレ...」
「別にイイだろ」
「よくないよ 私帰るから、ごめん こんな所を見せて」
「待てよ」
細っこい手首を掴んだら身体中に力が入ったのか ビクンっと体が跳ねた、怯えた目に震える唇と 涙のあとが俺のせいだってことは分かってたから 1回くらい謝ってやろうと思って目を合わせようとするも 逸らされる。なんなんだよ、お前!
「オイ、こっち見ろよ」
「むりだよ」
「...ちっ、色々勝手言って悪かったって言おうとしてんのに なんだよお前」
「え 」
心底驚いた様子で俺を見ると、◎の唇の震えは無くなってた。
「私のこと嫌いだから言ってたんでしょ」
「お前が可愛いからいけねーんだよ」
兄貴に取られるなんて真っ平御免だから、先手を打ってやった。言ったこっちが恥ずかしくなって 目を逸らせば◎の「それ...って、」なんて馬鹿みてーな声が。
「好きな女が他の男と仲良くしてたら誰だって嫌になるだろーが、分かれよバカ!」
「...こうやって、早く 素直に言ってくれてたら良かったのに」
◎の手首を離せば 俺の袖口を掴んで瞳を潤ませた、また泣く気かよコイツ...。サラッと髪を撫でれば 一雫落ちた涙がぽたっとトイレの床に落ちる。
「アツヤ君のばか...」
「悪かったって言ってんだろバカ」
「もう、バカバカ言わないでよ...ずっと嫌われてると思ってた」
「好きだからだっての、お前 俺以外に可愛い顔見せんじゃねーよ」
後頭部を掴んで自分の方に引き寄せればポスンと俺の体に凭れかかってきた◎、その温もりを暫く確かめてから グシャグシャになるまで髪を撫でてやった。
20180509〔告白の日〕
⇒大人しいマネ主、士郎やチームメイトと仲がいいので嫉妬する
神楽様初めまして、riricoです。
この度はリクエストありがとうございました!
女子トイレで告白させてしまいました、すみません。嫉妬して憎まれ口ばっかり叩いちゃうアツヤを書いてみました、他の部員達を出せずに申し訳ございません。付き合ってからの方が束縛強くなりそうなアツヤ夢になってしまいましたね、いかがだったでしょうか?
また感想聞かせて頂けると嬉しいです、これからも企画沢山やっていくので気になるものがあれば 是非ご参加ください!それでは、改めまして ありがとうございました!
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