「おめでとう ◎!」
ぐしゅぐしゅに泣き腫らした目を擦って◎は俺の胸に飛び込んできた、◎の為に持ってきた可愛らしいオレンジと黄色の花束が揺れる。
「円堂さん来てくれたんですね...!」
「当たり前だろ?ほら、大事な日なのにそんなに泣くなって」
「友達と会えなくなるのとか、先生にもう叱られないんだとか...考えてたら...っ、また」
「そりゃそうだよな ほら、お前が行きたがってた所俺がちゃんと連れてってやるから歩くぞー みんな待ってるしさ!」
◎の歩幅に合わせてゆっくりと歩けば肩から伝わってくる嗚咽が可愛くて笑ってしまった、そういえば 俺も昔こんなふうになってる鬼道慰めたっけ。
「友達と毎日会えなくなるのは悲しいけどさ、本当の友情なら何があっても切れはしないんだぜ だから大丈夫だ!」
「...円堂さん 分かった、泣かない」
「おう!いい子だな」
ガシガシと頭を撫でれば◎は痛いー!と大きな声で叫ぶ、ごめんごめんと謝って彼女から手を離せば 真っ赤な瞼を俺に向けて「もう 円堂さん力強いんだから」と笑った。
「ごめんって!」
「許しますけど...」
「よく夏未にも怒られるんだよなー」
「この後 夏未さんも来るんですか...?」
「ん?夏未は来ないぞ」
◎そんなに夏未会いたかったのかな、なんだか切なそうな顔をしながら溜息を吐いた。
「今日だけは円堂さんの事ひとりじめだ」
眉を垂らして◎は笑う、どういう事だか分からないけど その表情は初めて見る顔だった。
20190317