抜き足差し足忍び足...
夜はちょっと涼しいから、好き。木枯らし荘に忍び込んだ私は小僧丸君の姿を探した。
「オイ 何してんだ」
ギクッ 私が見つける前に彼に見つかってしまったみたいだ...!私は持ってるバケツと 花火の袋を見せて「花火しに来たの」と小僧丸君に笑いかければ 溜息を吐かれた。
「お前な 花火なんて出来るわけ」
「ちゃんと許可とったよー ここならいいってさ!」
「いつの間に許可取りに行ったんだよ...!!」
バケツをコトンと置いて 小僧丸君に花火を手渡した。
「おい、まだやるなんて言ってないだろ」
「だって こうでもしないと二人きりになれないもん」
「二人きりって...お前何言って」
意味分かるくせに小僧丸君ってばクールにしちゃって、私は彼の言葉に答えず花火に火をつけた。ちらりと木枯らし荘の方を見ればパタパタとうちわを片手に 私達に手を振るヨネさんの姿が、ぺこりと頭を下げればガッツポーズされた。
「ほらほら!小僧丸君も」
「...分かったよ」
「ずっと 小僧丸君と夏らしい事したかったんだ」
「お前 あんまり俺のことからかうんじゃねーよ」
からかってるんじゃないんだけどなー、花火に火をつけた小僧丸君はしゃがんでじーっとピカピカ光る綺麗な火花を見つめてた。
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いつもこいつは 突然俺に絡んでくる...。
30分くらい 静かに花火をやってると なんでかしらねーけど、〇の姿にドキドキと胸が高鳴ってきた。なんだよこれ...なんでこんなやつに、?なんて 考えていたら急に俺の方を向いて、さみしそうな笑みを浮かべた〇。
「線香花火だけになっちゃった」
「やっと終わりかよ」
「えー 楽しくなかった?私は結構楽しかったんだけど、小僧丸君と一緒にいれて」
シュンと捨てられた犬みたいな面で俺を見てくる、俺みたいなやつになんでコイツはこんなに絡んでくるんだよ。
「...そんな顔すんじゃねーよ」
「だって」
「あーもう、ウザイな!花火俺も楽しかったから そんな顔すんな」
「本当?」
ニコニコ まるで快晴な笑顔を俺に見せて、ちょこんと横に座り込む〇。肩と肩が触れ合うくらいの距離に 心臓が飛び跳ねた、ほんのり香ってくる洗剤に うっすらとしてある化粧...。
俺は自分がこんな女にドキドキしてるのが悔しくて顔を背けた、線香花火にとっとと 火をつけてじっと待っていたら 〇は俺の肩に少しだけ頭を乗せてきやがった。
「お、お前」
「私今日小僧丸君に言いたいことがあったんだよ」
ジジジジ と線香花火特有の音がやけにでかく聞こえる、俺に言いたいことって何だよと聞き返せば まだ待って!と馬鹿っぽい笑顔を見せる。
きっと 後15秒くらいでポトンと呆気なく落ちていくんだろう火花を見つめて、俺は彼女の言葉を待った。
「あっ」「あ」
ぽとん 同じタイミングで落ちていった線香花火、ずっと火を見てたせいか周りがうんと暗く見える。ぱちぱちと瞬きを繰り返していたら 〇の声が随分と近くで聞こえた。
「小僧丸くん」
「なんだよ、」
「大好き」
頬にやわらけーもんが 当たった。
どっと 噴き出す汗、彼女はいつもみたいに楽しそうに笑って「好きって伝えたかったの」なんて...。
「お前、」
「あー 恥ずかしかった、小僧丸君感想は?」
彼女につられてしまったのか、馬鹿みたいな言葉を口走ってしまった。
「俺も好きになっただろ 責任とれよ...!」
「えっ!」
20180707〔七夕〕
ギル様 この度はリクエスト頂きありがとうございます、遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした...!
小僧丸君 ずっと書きたかったのでリクエスト頂き本当にありがとうございます、夢主が積極的じゃないと 小僧丸君恋愛できないんじゃかいか?と思って 夢主主導なお話になりましたが大丈夫だったでしょうか...。
次回のリクエスト募集は12月ですが、またどうぞ 宜しくお願い致します。改めまして ありがとうございました。平成最後の夏を楽しみましょー!