「ねえねえ、二人共 夏休み一緒に伊那国島に来ない?」
のりかちゃんの大きな目がぱちぱちと私とつくしちゃんを見つめた、伊那国島...万作君達が育った所かぁ!
行ってみたくて 私は何度も頷いてつくしちゃんを見つめた。
「私もお母さんとお父さんの許可出ると思うから、多分行けますよ!」
「私も 男の子の家じゃないなら、お泊まり許してくれると思う みんなが育った島早く行ってみたいなぁ」
すぐさま私とつくしちゃんはお母さんに電話して 許可を取り、のりかちゃんのお母さんにお電話でご挨拶した。のりかちゃんにそっくりで 穏やかなお母さんにほっこりとして、私達は3人で腕を組み夏休みの為の買い物に出かけた。
▽
欲しいもの全てプチプラで揃って良かった、新しい水着と浮き輪にワンピースとお泊まりグッズ...夜逃げするの?ってお母さんに聞かれちゃうくらいキャリーケースがパンパンで重たいなぁと引きずっていたら 万作君の声が。
「俺の荷物コレだけだから持ってやるよ」
「えっ そんな悪いから、重いし...!」
「トレーニングみたいなもんだし、大丈夫だって」
そう言って私のキャリーケースを軽々と転がして行く、そんな後ろ姿を私は追いかける。
それぞれ皆荷物を置きにそれぞれの家に帰っていく、私とつくしちゃんはのりかちゃんのお家に。
「ようこそー 狭い所だけど、自分の家だと思っ て寛いでいってね」
ほんわかと笑顔が素敵なのりかちゃんのお母さんにまたまたほっこりして、私達は海に向かった。
「伊那国島 すっごい綺麗だね」
「そうでしょ?」
「はい!早く泳ぎたくてうずうずしてしまいますー!」
うーんと背伸びをすれば気持ちいい太陽が私達を照らす、海には皆が海パン姿で楽しそうに笑ってる姿が見える。
「あー アイツらー!もう泳いでる!」
女の子待てないのかなーなんて 怒った声で笑うのりかちゃんに私たちもつられて笑った。
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「カンパーイ!」
海で散々遊んだ後は 実家の万平で晩ご飯に、いつも寡黙な親父がどこか嬉しそうに寿司を握ってる。
オレンジジュースやウーロン茶で乾杯して 俺が運んだ寿司をパクパクと平らげる明日人達、隅の方に居た◎はそんな俺を見てこちらにやってきた。
「ねえ、お父さんにご挨拶...してもいい?」
「親父に...?」
「ダメかな」
小さく首を可愛く傾げ、彼女は俺の親父の方に向かった。こんなに人がいる中で彼女を紹介しないといけないのか...?
「初めまして、〇◎です 雄一郎君にいつもお世話になってます」
「...雄一郎が話してた、彼女か?」
「そうだよ」
小っ恥ずかしくて 帽子のつばを下げれば、親父が◎に「いつも 雄一郎をありがとう」なんて...俺にはあんまり見せない優しい顔して笑った。
和やかな雰囲気に見えるが内心 心臓が飛び出しそうな俺は親父と◎を交互に見つめて、安心と緊張で深いため息を吐いた。
▽
「お父さんも万作君に似ててカッコイイね」
「そうか?」
女の子から送ろうとまずのりかの家に向かう事に、一番後ろで俺達はみんなにバレないように手を繋ぐ。
「また 朝までお別れだな」
「...うん でも、これから1週間ずっと伊那国にいるから 毎日会えるね」
「それでも 寂しいな」
「万作君ったら」
「雄一郎って呼んでくれないのか?」
じんわりと 手のひらにかいた汗、さっき自分で俺の名前呼んだこと忘れてるんだな。
「ゆ、雄一郎...」
「その呼び方 結構ドキッとした」
「ほんと?じゃあこれから 雄一郎にしようかな」
「...目の前にコイツらいなかったら、キスしてるんだけど」
繋いだ手を自分の口元に持ってきて、手の甲にキスをした。
「今日はこれで 我慢するよ」
「...雄一郎...、ずるいなあ」
伊那国の夜は東京よりも涼しいのに、彼女の顔を見たら 体温がどっと上がってしまった。明日は◎を どこに連れていこうか、のりか達にバレないように こっそりと攫いに行こう。
20180707〔七夕〕
万作と青春
ポンチョ様 初めましてriricoです。
この度はリクエスト頂きありがとうございます、遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした...!
万作と青春...出来てるでしょうか、伊那国島にみんなで遊びに行くのめっちゃ青春してるやん!とか思って書いてみたのですが 不安になってしまいました...(;_;)
万作君のお父さんを出したかったので、凄く満足しているお話なのですが いかがだったでしょうか?
次回のリクエスト募集は12月ですが、またどうぞ 宜しくお願い致します。改めまして ありがとうございました。平成最後の夏を楽しみましょー!