君に届いた、私の夏


彼が幼いころから追いかけてきたサッカーは彼の夢となり仕事になった、とっても素晴らしくて誇りに思う反面 海外に行ってしまった彼と全然会えなくてさみしい。毎日欠かさずメッセージを送って電話もくれるけど それだけじゃやっぱり駄目だよね。



「あろがとうございました!」



傷んでいた毛先を少しでも綺麗に見せる為にと美容院に行き、ネイルサロンにも足を運ぶ…明日は七夕だから星がキラキラと輝くホロを沢山入れてもらったおかげか少しだけ気分が明るくなった。



「織姫と彦星はいいなぁ」



駅前の短冊には零れ落ちそうな願い事が書かれていた、残り数枚となった短冊を手に取り”早く次郎に会いたい”と書いて笹にくくりつけてみた。

まるで少女のような行動に自分で笑ってしまった、なんだか恥ずかしくなってその短冊を外そうとしたら後ろから嗅ぎ慣れた香水の香りが…。



「随分と可愛いことをお願いするんだな」



褐色の肌に ムスクの香り、セミフォーマルなスーツ姿…次郎だった。書いて秒で願いが届けられたようだ、嬉しくて笑みが零れると彼もつられて微笑んでくれた。



「なんで…どうしてここに?」

「いや、花でも買ってから帰ろうと思っていたら 商店街を歩くお前を偶然見つけてついてきた」

「帰ってくるの知らせてくれたら良かったのに、私何にも準備してないよ」



そんなのいらない

細められたやさしい瞳に焦がされそうになった、彼は私の手から短冊を奪うようにして手に取りまじまじと見つめる。



「ねぇ…恥ずかしいんだけど」

「メッセージで送ってくれたら良かったのに」

「迷惑かけるかなって思ったから」


「可愛い奴だな、本当に」



人が結構いるのに彼は私を抱きしめて「俺も会いたくて寂しかった、愛してる◎」なんて…世界一痺れる言葉を私にくれた、恥ずかしくて仕方なかったけどどうしようもなく嬉しくてぎゅっと抱きしめ返す。



「これから毎日一緒にいよう」

「でも、また向こうに行っちゃうでしょ?」

「いや 帝国学園でサッカーを教えることになったんだ、だからこれからはずっと一緒だ◎」



時が止まるほど嬉しいその言葉、だけど 彼が選手としてサッカーしてるところをもっと見ていたかったなとほんのり寂しさがこみ上げた。



「それと、◎」

「どうしたの?」

「…いや、俺も短冊に書く」

「え 何よ…!」



彼は長くてきれいな指をすらすらと動かして短冊に願いを書いたらしい、こっそり見てやろうと 次郎の後ろに立てば何やらごそごそとしてる。



「これで、いいだろ」

「隠しても見るからね!…って、え」


「お前がそうやって見ることくらい分かってる」



”一生、俺といてくれますように。”

綺麗な文字で書かれたお願い事、短冊をくくる紐に…きらりと光る指輪が輝いていた。



「…次郎、」

「どうする?」

「そんなの、イエスに決まってる」



涙が出そうになるくらい 幸せなサプライズに私は、次郎の短冊と指輪を手に取り笑った。






20180707〔七夕〕
サプライズ帰国、短冊の下で

楓様 今回もリクエスト頂きありがとうございます、また遅くなってしまい大変申し訳ございません...!

シチュに添えてなかったら申し訳ございません、、帝国学園の監督になる前のお話です。彼はロマンティックが良く似合いますね、七夕の日にプロポーズキメちゃうお話が書けてハッピーです!

次回のリクエスト募集は12月ですが、またどうぞ 宜しくお願い致します。改めまして ありがとうございました、ツイッターの方でも宜しくお願い致します。平成最後の夏を楽しみましょー!