チューリップ達が風で揺れる花壇にお兄ちゃんと2人で水をやる、あかしろきいろの可愛い花達がお水を浴びて楽しそう歌いだす。
「そういえば 話ってなんだよ?◎」
「お兄ちゃんさ風丸君の連絡先知ってる?」
「連絡先そういえば交換してなかったな...雷門に行ったら会えるだろ?」
「直接行くのは恥ずかしいじゃん!」
私の言葉に面食った後、お兄ちゃんはニコニコと笑いだした。
「間が遠なりゃ契りが薄い ってね」
「お兄ちゃん、!」
「さ、行った行った!」
諺好きのお兄ちゃんのせいで一通りの諺は頭に入っているけど、こんなこと言われるとは夢にも思わなかった。
「ねえ、ほんとにひとりじゃないとだめ??」
「大丈夫だって」
「せめて校門まで着いてきてよー!!」
「俺はこれからヒロト達と練習があるから無理だ、ほら 早く行かないと風丸達に会えないぞ」
私の手からじょうろを奪い取って花壇の隅に置いてある鞄を手に持たせるお兄ちゃんに悪態を吐きながら私は渋々校門に向かって歩き出した。
▽
雷門中に到着してからきょろきょろ校門から中を覗けば栗松君と壁山君が見えた、2人はランニング終わりなのかへとへとな顔を地面に向けて歩いている。
「壁山くん!栗松くん!」
「あれ...?◎さん!久しぶりでヤンス!どうしたんでヤンスか?」
「あの、風丸君に用があってさ!」
「風丸さんなら教室だと思うっス!日直だから部活に遅れるって聞いたっス!」
「ありがとう!また後でね!」
風丸君の教室何階か聞くのを忘れてしまった...。2年生の教室を誰かに聞かないと、そう思いながら階段をあがっていたら豪炎寺君と円堂君と目金君が談笑しながら降りてきた。
「あ!久し振りだね みんな!」
「よう、◎じゃないか相変わらず元気だな!1人か?緑川は?」
「お兄ちゃんはヒロト君達と用事があるからって1人で来たの」
「部室は外だぞ?」
「あー、あのね...風丸君に会いたくて」
「...ハハン、そーいうことですね!風丸君なら3階の奥の教室ですよ 緑川さん」
「目金くん...ありがと、!」
ニヤニヤ私を茶化すかのように笑う目金君のせいで チークなんて塗ってないのに頬が赤らんでる、階段にかけてある鏡越しにみた3人は前よりも背が伸びたみたいだった。
▽
3階の奥の教室に一歩一歩近づく度に照れくさそうなローファーの音が廊下に響く、最後の教室に着く手前で「緑川の妹か?」と聞き覚えのある声に立ち止まった。
開いている扉に手をかけて真ん中の机でノートを開く染岡君と鬼道君の姿に目を向ける。
「鬼道君と染岡君 久し振りだねー!部室かと思ってた」
「テスト期間ではないんだが勉強に付き合ってたんだ」
「テストで次悪い点だったら母ちゃんにどやされるからよ、鬼道に教えて貰ってたんだよ...それよりお前 緑川は一緒じゃねえのかよ?」
「今日は私だけなの 風丸君に用事があって、」
「風丸?風丸ならさっき 日誌書き終わったからーって部室に向かったぜ入れ違いだったな」
染岡君は「でもよぉ、なんで 風丸?」とシャーペンを顎にくっつけながら首を傾げる横で鬼道君はにやりと笑って「さあな」と呟いた。
バレてるのかな どきどき震える心臓をぎゅっとおさえるように胸元に手を置いて「それじゃ、二人ともまたね」とぎこちない笑みを浮かべて足早に部室へと向かうことにしたら...。
「よう ◎、お前が俺の事を探してるってみんなに聞いたぞ どうしたんだ?」
階段の手すりから離れる風丸君の綺麗な指に見惚れてしまった。
「か、風丸君...!」
「どうしたんだよ、1人で」
「いやぁ、その...えっと、」
ごもごもする私の手を取って「なんだよ 調子悪いのか?」なんて悪戯に笑う彼があまりにも綺麗で、私は「デートして!」と大きな声で恥ずかしい事を言ってしまった。
20190509〔黒板の日〕
緑川の双子の妹、天真爛漫な夢主
深苑様、リクエストありがとうございました!無印3期の日本に帰ってきてからのお話として書いてみました。雷門にいる日本代表の子達と久しぶりに会って 風丸に辿り着く...というお話にしてみました!
これから暑くなっていきますので夏バテに気をつけて、令和最初の楽しい夏を過ごしましょうー!
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