財布に今日は1,000円札が入ってるし天気もいい、気持ちのいい風に吹かれて俺は空を見上げる。

チラホラと屋上で昼飯をとってる奴らの声と楽しそうな◎の声が混じりあうのが気持ち良くて欠伸を漏らすと◎は俺のシャツの端を引っ張った。



「真一、今日もお弁当交換しよ!」

「またかよー!」



にこにこと悪びれる様子もなく楽しそうに笑う◎は俺の弁当の風呂敷にそろっと手を伸ばす、ぎゅっと痛くない程度に手の甲を摘めば彼女はふっくらとした頬をリスのように膨らませた。



「だめだ!」

「だって真一のお母さんのおかず最高に美味しいんだもん」

「だってじゃないだろ、お前いつもコンビニ弁当だし...ってこれどうしたんだよ?」



差し出されたのはいつものコンビニの袋じゃなくて、可愛い色のお弁当箱だった。パチクリと何度も瞬きをすれば少し怒った顔の◎が弁当箱の蓋を開けて見せた。



「ほら、ちゃんと作ったんだから」

「すごいじゃないか!」



歪な形のハンバーグと少し焦げた卵焼き、鮮やかなミニトマトに濃い緑が優しげなブロッコリー。弁当箱に敷き詰められてる愛情の欠片たちを1粒人差し指と親指でつまんで口に入れてみた。

ハンバーグのソースがついたブロッコリーはじゅわっと舌の上で弾ける、続けてトマトの横に縮こまっている卵焼きに手を伸ばせば「箸で食べてよ」と呆れ声が。



「ごめんごめん 嬉しくってさ」

「いつもコンビニ弁当じゃ申し訳ないから、作ったの 味は保証しない」

「保証しないのかよ」



不味くても嬉しいから食べるけどさ。
言葉にするか悩みながら箸で小さな卵焼きを摘んでみた、少し甘くて焦げた味が広がる。



「うん、美味いよこれ 味付けもちょうどいいし!焦げてるのに美味い!」

「褒めてんのそれ??」

「褒めてるって、ありがとな ◎いい嫁さんになるよ」



何も考えずに口から漏れてしまった言葉、胃袋に押し込むことなんてできない。見る見るうちに赤くなる◎と真っ青な空はあまりにも違いすぎる。



「真一のせいであつい」

「...俺も、」



ごほんごほんと照れ隠しの咳払いをすれば、彼女はまだ赤い顔で「こういうのが ずっと続いてほしいな」なんて可愛らしい言葉を漏らした。




20190509〔黒板の日〕
屋上でお弁当を食べたり、半だとの普通の恋

カラン様、リクエストありがとうございました!

半田くん実は書くのがすごく苦手なんですけど、屋上でお弁当を食べるシチュって今まであんまり書いてこなかったので 半田くんにぴったりで書きやすかったです♪

彼は普通普通と言われてそれを気にしてるけど、かっこよくて頑張り屋さんでとても素敵ですよね。普段書かないキャラクターだったので楽しかったです、ありがとうございました!

これから暑くなっていきますので夏バテに気をつけて、令和最初の楽しい夏を過ごしましょうー!

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