少しだけくたびれた部屋着に身を包んでパソコンをカタカタと叩く零の肩に触れた。
「どうしたァ?」
「まだすんの?」
「オジサン可愛い子猫ちゃんにおマンマ食わせないといけねぇからなァ、もうちょっとやらしてもらうぜ」
「・・・その子猫ちゃんが腹ぺこなんやけど」
「おっと もうそんな時間か〜、仕方ねぇな出前取るか」
「えーまた出前?」
「まぁそう言うなって、オジサン今から準備したら子猫ちゃんが餓死しちまうからよ」
「仕方ないなぁ 今度は外に連れていってや」
「わぁってるって」
そう言って零は私の手の甲をポンポンと優しく叩いて携帯を取り出すと電話をかけ始める、「よう、姉ちゃんいつもん所によォ適当に持ってきてくれ」なんて店の人からしたらめっちゃ面倒臭い事言うて零は電話を切ると私の方見て笑った。
「40分以内に来るってよ」
「遅っ」
「まぁ、そう怒んなって こっちに来な」
グイッと私の手首を掴んで自分の腕の中にすっぽりと私を包むぶ厚い胸板の熱を感じながら私は彼の香りを肺いっぱいに吸い込んだ。
「またそんな犬っころみてぇな事して」
「なんで部屋着やのにいい匂いなん」
「フェロモンってヤツだな」
「なにそれ」
「そろそろ離れてくれねェか?」
「自分で抱き締めたくせに」
「襲っちまうぞ」
「イイよ」
「そうきたかァ」
あちゃーと自分の顔を手のひらで覆いわざとらしく仰け反る零、私はギュッと部屋着を掴んで唇を近付けた。
「駄目だって言ってんだろ〜、後で・・・な?」
「やだ 今」
「まいっちまったなぁ」
「別にいいやん、サッサと終わらせてご飯食べてそっから仕事してもいいやん」
「駄目だって あんまオッサンをイジメないでくれよ◎」
グッと私の顎と頬っぺたを掴んでグニグニっと指で遊んで零は笑う、その顔にゾクッと背筋が冷えた。これ以上したら後でお仕置きと称してこっ酷くされそう。私は彼から降りてひんやりしたフローリングに足裏を置いた。
「イイコだなぁ〜」
「後が怖いからやし・・・私ご飯来るまでゲームしとくから呼びに来てや」
「おう」
ひらひら〜っと私に手を振った後零はパソコンの画面を睨む、仕事モードに入ったんかサングラスなしの瞳がギロッと揺れた。その瞳にゾクゾクと心臓を揺らして私はリビングの扉を閉めた。
▼
ピンポーン。
チャイムが軽やかに鳴り響く、俺は部屋着にガウンだけを羽織り出前用に置いていた金を握って玄関の扉を開ける。中国のちょいとだけ歳のいった姉チャンが無表情のまま金を受け取り俺に白い袋を二つ渡した、鍵を閉めてつっかけを脱ぐ。
ひんやりとしたフローリングを踏みしめてダイニングテーブルにどさりと出前を置けば、中華料理特有のニンニクと油の香りが鼻を掠めた。
「寝ちまったか?」
チャイムの音で出てくると思ったがシンと静まり返ってる部屋、俺はボリボリと頭をかいて寝室に向かった。ガチャリとドアノブを回せば寝室のベッドの上でゲーム機片手に眠っている◎の姿に小さく笑みが溢れる。
「オイ、飯きたぞ」
「・・・んー」
「起きねぇとイタズラしちまうぞって、◎にはご褒美か?」
◎は俺の目をジッと見つめた後でっけぇ欠伸をカマしてもう一度眠りだした、オイオイ嘘だろとため息を溢してベッドの縁に座った。
「飯冷めちまうぞ」
「んー」
「オジサンも腹減ってきたんだけどよ、一人で食っちまうぞ」
「やだ」
「じゃあ起きろってぇ、向こう連れてってやろうか?」
小さい返事の後気持ちよさげな寝息を立てる◎の髪をさらりと撫でる、ちっせぇ耳だなぁったくよ。よからぬ悪戯心を刺激された俺は剥き出しになった耳にそっと舌先を這わせて、耳の輪郭をなぞるように舌を動かした。
「ひ、ぁ・・・なにすんの」
「おはようお姫さん」
「普通に起こしてくれたらイイのに・・・」
「なにしても眠り姫は起きなかったから仕方ねぇだろ〜オジサンのせいじゃねぇよ」
起き上がろうとした◎の顎をやんわり掴んで上を向かせて無理矢理唇を奪えばびくりと肩を震わせて鼻から悩ましげな吐息を漏らす、ベロッと下品に舌を捻じ込んで少し乾燥してパサついた唇を唾液で濡らした。
「んんっ、ぁ まって」
「待てねぇよ」
部屋着を少し捲って女盛りの肉感を指に感じながら俺ァ何も付けてない胸をやんわりと揉んだ、俺の指先が冷たかったからか一瞬でギュッと立ち上がる乳首を撫でれば俺の舌に必死に自分の舌を重ねたまま情けない声で喘ぐ。
「ん〜どした?」
「ほんま、ずるっ ぁ、ま・・・どうせ最後までシてくれへん、くせっ に・・・んっ、れい・・・」
優しく撫でるように揉んでいた胸を今度は形が変わるくらいぐにゃっと揉めば腰をビクつかせて俺の舌を噛む、唇を離して一気に服を脱がせればキョトンと不安げな表情で俺を睨む◎。俺はマジマジと身体を見てからベッドに押し倒した。
「ご飯は・・・?」
俺は答えずにシーツに沈む◎の身体に舌を這わせた、ほんのりとボディークリームの香りが鼻を掠め一気に上っていく熱、気持ちのいい丸い胸を揉みしだきながら俺はズルズルと下に移動した。
太腿に噛み付いて足を上げれば眉間に皺を寄せたまま小さく喘ぐ◎と目があった。
「ちょっとしか触ってねぇのによ〜随分と濡れてんな」
「まだパンツ脱いでないから分からんくせに・・・」
「ん〜?じゃぁこの匂いは何かな?」
ズボンを脱がしてベッドの下に乱雑に投げる、俺は暴れる◎の足と足をしっかりと掴んでズルズルと引きずり上げた。下着にじんわりと小さい染みが出来ている、ヤラシイ香りにくらりと頭が揺れた少しだけ下着をズラして一番恥ずかしい所を舐めれば「んんっ!」と尻と腰を揺らして俺の腕の中で身体を揺らす◎。
女のアソコ特有の味を舌先に感じながら徐々に舌の動きを早めていく、段々と大きくなっていく喘ぎ声に包まれながら俺は愛撫を続けた。
「濡れすぎだろ」
「零のせぇ」
「何でもかんでもオジサンのせいにするなって、お前さんがスケベなのがイケねぇんだろ」
ベッドの横にある間接照明の光を少しだけ落としてすっかりと濡れてオレを欲しがる中に指をねじ込んだ。
▽
少し冷めた餃子に豪快にタレをかけて俺の前にドンと出して、◎は炒飯の入った器にレンゲを突き刺した。
「食うかぁ、腹減っちまったわ」
「へぇ〜〜」
「怒ってんのか?」
「怒ってない」
「そらそうだよなぁ、3回も派手にイっちまったら怒るに怒れねぇよな」
「零!!」
獰猛な肉食獣のように眉間に皺を寄せて怒る彼女の目尻は三度の絶頂のせいで赤くくすんでる、その目尻に劣情を隠せない俺は舌をぺろっと出して乾いた唇を舐めた。
指で何度かイかせてほら飯だぞ〜〜って言ったら怒っちまった、お〜怖ぇ怖ぇ。少し大きめの餃子を割り箸で掴んで口に放り込めばニンニクと油と小麦粉の味が口一杯に広がった、目の前で俺を睨みながら炒飯をすくっては口に運んでる嬢チャンは段々と柔らかい顔になっていく。
「うめぇだろ」
「うん」
「機嫌治ったかぁ?」
「・・・てかこんなに一杯食べきれんくない?」
「白膠木君と先生でも呼ぶか〜って思って大量に頼んじまった・・・って、冗談だからそんなに蹴んじゃねぇよオジサン泣いちゃうぜ」
「泣かんくせして」
俺の手元にある餃子をヒョイと箸で摘んで口に放り込む彼女、右の頬がハムスターみたいに膨らむ、それをぼんやりと見ながら俺はタレが染み込んだ餃子をもう一つ口に入れた。
「これ食ってちょっと仕事したら一緒に風呂入っか」
「いややわ、一人で入る」
「駄目だ」
「なんで」
「抱きてぇからに決まってんだろ、ヤリたくてヤリたくてムラムラしてんだぜオジサン」
「・・・アホちゃう」
そう言いながらも赤くなる頬と耳の熱を俺は見逃さなかった。