カレーを食べ終わり、マジン ザ ハンドどいう新必殺技をあみ出すための特訓を開始させた円堂君達。倒れても倒れても諦めない円堂君、その熱さに押され手助けするみんなの姿。じんわり、ほんの少しだけど手に汗をかいた。
「ちょっとみんなどうしちゃったのよ!負けちゃったみたいな顔をして!」
「だって相手のシュートが止められないんじゃ…」
「だったら 点を取ればいいでしょう!!」
まるで女版の円堂君のよう、木野さんの言葉が皆の胸を動かしたのか皆がやる気を取り戻した。
「眩しい」
そうつぶやいた声はみんなの大きな声にかき消された。私もいつかあの中の声になるのか。
皆が就寝した頃
私は一人抜け出して夜の繁華街に向かった。持ってきていたタイトワンピースにパンプスを履き歩く、イライラしていた。まるであそこにいると自分を否定されているような気がして。クラブに向かっていた 私を中学生扱いする者など一人もいないしまず私を中学生だと思うものなど誰一人としていない。
ほんっと イライラする
「おい!〇っ!!!!」
「〇さん!」
円堂君、木野さん、鬼道君、豪炎寺君が立っていた。見られていたか、携帯からもしもしと声がする「もうすぐ着くわ」電話の向こう側の男の顔はうろ覚え。私は円堂君に視線を戻す。
「どうしたの?明日は決勝戦なんだから 早く寝ないと」
「〇さん…帰りましょう」
「…仲間ごっこなんて見たくない」
相当いらだってる私を木野さんが驚いた顔で見つめる。「仲間ごっこ…?」円堂君が口を開いた。
「ごっこなんかじゃない!仲間だろうが!」
私を真正面から見つめ 怒鳴りつける、円堂君は今何て言ったの。
「何を言っ…て」
「サッカー部の一員なんだ、お前は」
「そうだ 帰るぞ」
あまり心配かけさせんなよ!円堂君の明るい笑顔。木野さんと豪炎寺君の心配そうな顔。鬼道君の呆れてる だけど優しい顔。
なんなの 私の心に土足で入ってこないで
鬼道君がこそっと私に「円堂のお節介は効くだろう」と、言ってきたので私は鼻を鳴らして「意味が分からない」と答えた。
あの後木野さんにみっちり説教をされて眠りについた、こうやって説教されるのは初めてで戸惑い同時に温かさに押しつぶされそうになった。荒さないで私を。そっとしておいて。
決勝戦当日、スタジアムに到着して現れた影山という男を皆が睨みつけている。私はわけがわからずそんな皆を見つめていたら音無さんが近寄ってきて教えてくれた、彼が今までしてきたこと全て。恐怖 怒り みんなの目に映るのはそんなもの、私はただ 影山という男が悲しんでいるようにしか見えなかった。
私と同じように、きっと一人ぼっち。目があったような気がして 悲しい気持ちになった。
20131222