「円堂、お前のお爺さんの死には影山が関わっているかもしれない」
響木監督の言葉に俺達は息をのんだ、円堂は苦しそうに息をしている。皆の呼ぶ声に円堂が喋りだす「こんなに俺の事を思ってくれている仲間」と言った言葉に〇は少し悲しそうな顔をしていた。だがそのまま視線を上げて何処か…いや、影山を見ていた。〇を見ている影山、顎をくいっと上げて奥へと引っ込んでいった。
そして〇はスタジアムの中に入っていく。止めなければ だが、試合は目前に迫っていて準備を急いだ。
「〇◎」
「あら、名前を知っていたなんて」
「美しい娘だな」
サングラスが光った
「お世辞でも嬉しいです」
「私のモノになる気はないか」
あんな 弱いチームと一緒に居る事はない、影山という男はそう言って私の元に歩んできた。
「私は誰かのモノにはならないわ
でも…こちらが負ければ考えてあげます」
「ほう…雷門が勝つと…?」
「知らない、どうでもいいもの…だけど
彼等は 強いわ 私達は持ってないものを持ってるから」
そう言い放ち 雷門のベンチに向かった。
「っくっく…面白い」
そんな声が後ろから聞こえた。
「皆が俺の力なんだ!」
円堂君の言葉、ここにきてからというもの胸が痛くて仕方がない。凄い風が吹き出てきたのは世宇子イレブン、あの少年もいた。
「間もなく試合開始です!」
実況者の声と共に円陣を組む皆、それを見ていると「やぁ」あの少年が近づいてきた。
「アフロディだ この前名乗るのを忘れていた」
「アフロディ 宜しく」
「君は美しい こんなチームに居る事はない」
「おい アフロディ」
鬼道君の声がして…顔を見ると、凄く怒っていた。嫉妬かしら なんだかんだ言って私にしっかりお熱ね。なんて 思っていると鬼道君に腕を引っ張られ立たされる。痛い、ぎりぎりと力を込めて掴まれた腕は赤くなっていて
「敵と話すな〇」
「挨拶していただけじゃない」
「そうだよ鬼道君、後 女性の腕をそんなに力入れて掴んじゃ駄目だろう」
「黙れ」
殺気とも似たような威圧感
怖い、初めてそう感じた。
「はぁ じゃぁ僕は戻るよ、試合が終わったら迎えに来よう」
立ち去るアフロディ、やっと腕を放してもらえると思ったがもっと腕に力を入れてきた。「おい 影山と何を話ていた」怖いくらい低い声。少し身震いした。
「別に何でもないわ」
「本当か」
「私のものにならないか…って言われたくらいかしら」
ばっと腕を放されて、ぎろっと睨まれる
「お前はもう雷門サッカー部の仲間だ、影山とはもう会うな」
わかったな そう言って円堂君達の元に走って行った、試合開始のホイッスルが鳴り響く。
「仲間ねぇ」
試合が始まり、皆ボロボロになっていく
「皆…」
「木野さん」
「どうしたの?」
「この試合勝てないんじゃないの?」
私が言うとキッとした顔で「そんなことないッ!」びりびりっときた。「〇さんは何にも感じないの…?みんなのサッカーを見て!」何にも感じないそう答えようとした
答えようとしても 声が出なかった。
「〇さん もっとみんなの事見て」
沢山見て
真っすぐな目が私を捉えて、逸らす事できない
「絶対に円堂君達のサッカーが好きになるはずだから」
にこり 天使みたいに笑って私の心を溶かそうとしないで。そうそれはまるで、清純な誰からも愛されるヒロインのよう。
20131222